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産婦人科に特化した税理士による青色申告サポートなら税理士法人加美税理士事務所。開業初年度の経費処理から法人化の相談まで、医業に精通した税務顧問がフルリモートで対応。全国のクリニックに記帳代行・節税対策・事業承継まで一貫支援します。

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青色申告とは?産婦人科クリニックのための基礎知識

産婦人科クリニックを開業された先生にとって、診療と並行して避けて通れないのが税金の手続きです。個人でクリニックを経営する開業医は、毎年1月から12月までの所得について確定申告を行う必要があります。確定申告には青色申告白色申告の2種類がありますが、節税メリットが大きいことから、多くのクリニック開業医は青色申告を選択しています。ここでは、産婦人科クリニックの先生向けに、青色申告の基礎知識と特徴を税理士の視点からわかりやすく解説します。

青色申告(あおいろしんこく)とは、一定の条件を満たすことで所得税の計算上さまざまな特典を受けられる申告方法です。産婦人科をはじめとする個人クリニックの先生が事業所得の確定申告をする際に選択できます。青色申告をするためには、事前に税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出して承認を受ける必要があります(開業から2ヶ月以内、1月1日~1月15日に開業した場合はその年の3月15日までが期限です)。この手続きを経て青色申告の承認を受けることで、後述する青色申告特別控除などの大きな節税メリットを享受できます。

青色申告の大きな特徴は、複式簿記と呼ばれる方式で日々の取引を記帳し、決算時に貸借対照表(バランスシート)と損益計算書(P/L)といった帳簿書類を作成する点です。専門的な用語が出てきましたが、簡単に言えば「お金の出入りをきちんと二重の帳簿で管理する」方法です。帳簿をしっかりつけることで事業の収支を正確に把握できるため、結果的にクリニック経営の実態を把握しやすくなるというメリットもあります。これらの帳簿書類は確定申告の際に税務署へ提出(青色申告決算書の提出)します。初めて聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、後述するように会計ソフトの活用や税理士のサポートによって、開業医の先生でも無理なく対応できます。

青色申告と対になるのが白色申告です。白色申告は事前の届出なしで誰でも行える簡易な申告方法ですが、青色申告にあるような特別控除などの税制上の優遇措置が一切ありません。例えば、青色申告では後述するように最大65万円の所得控除(青色申告特別控除)を受けられますが、白色申告ではこの控除がゼロになります。同じ所得金額であれば、白色申告を選んだ場合のほうが納める税金が多くなってしまいます。

また、白色申告の場合でも経理帳簿の作成は必要ですが、青色申告ほど厳密な複式簿記でなく簡易帳簿(単式簿記)での記帳で構いません。そのため決算書類も簡易な収支内訳書を提出すればよく、青色申告に比べると事務手続きはやや楽です。しかし、経理が簡単な代わりに前述の通り節税上のメリットを享受できない点は大きな違いです。開業間もないクリニックの先生にとっても、これら青色申告と白色申告の違いを理解し、可能であれば青色申告を選ぶことが重要となります。

青色申告には多くのメリットがありますが、その一方で事前準備や事務負担といったデメリットも存在します。ここでは主なメリットと注意すべきポイントを整理します。

青色申告を選択することで、クリニック経営において以下のような節税や経営上のメリットを享受できます。

  • 最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。青色申告最大の特典がこの控除です。事業所得から最高で65万円(または55万円もしくは10万円)の所得控除を差し引くことができ、所得税と住民税の負担を大幅に軽減できます。例えば所得が500万円の場合でも、青色申告なら最大65万円を引いた435万円が課税対象となるため、白色申告よりも納税額を減らせます。この控除はクリニックの利益に直接影響するため、開業医にとって非常に有り難い節税措置です。
  • 赤字を最長3年間繰り越しできます(損失の繰越控除)。開業直後の1~2年目は設備投資や運営コストが嵩み、赤字決算になるクリニックもあります。青色申告なら、その赤字を翌年度以降最大3年間にわたって繰り越し、後年の黒字と相殺することが可能です。【例】初年度に100万円の赤字、2年目に200万円の黒字が出た場合、2年目は差引100万円分のみが課税対象となります。白色申告では赤字の繰越が認められないため、黒字になった年にそのまま全額に税金が課されます。収入が不安定な開業初期には、この繰越制度が資金繰りの助けとなります。
  • 家族に支払う給与を経費計上できます(青色事業専従者給与制度)。ご家族(配偶者や親族)がクリニックの受付や経理を手伝っている場合、その方に支払う給与をクリニックの経費として計上できます。青色申告なら事前に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出することで、支給した給与の全額を必要経費にできるため所得圧縮による節税効果が得られます(給与額は仕事内容に見合った妥当な範囲である必要があります)。一方、白色申告では配偶者なら年間最大86万円、その他の親族は最大50万円までの事業専従者控除しか認められず、それ以上は経費にできません。青色申告を選ぶことで、ご家族への報酬を柔軟に支給しながら節税につなげることが可能です。
  • 30万円未満の設備投資は全額を経費算入できます(少額減価償却資産の特例)。医療機器やパソコン、オフィス家具などクリニック運営には様々な備品購入が必要です。青色申告をしていれば、取得価額が1点30万円未満の資産について購入年度の経費に一括計上できます(年間合計300万円までの上限あり)。例えば20万円のノートパソコンを購入した場合、通常白色申告では耐用年数に応じて数年にわたり減価償却しますが、青色申告ならその年に20万円を全額経費に落とせます。初年度に多くの備品を揃えた場合でも、青色申告を活用すれば早期に費用化できるため、節税対策と資金繰りの安定に寄与します。
  • 自宅兼事務所の費用按分がしやすい点もメリットです。クリニックをご自宅の一部に併設しているケースでは、家賃や光熱費などを業務使用分だけ経費に按分できます。白色申告では自宅兼用の場合、事業使用部分が全体の50%以上でなければ経費計上が難しい制約があります。しかし青色申告なら事業利用割合が50%以下であっても合理的な基準で按分し経費算入することが可能です。自宅の一部を医業スペースとして使用している開業医にとっては、経費計上の幅が広がる点も見逃せない利点です。

なお、青色申告の活用は大きな節税効果がありますが、それ以外にもクリニック経営で検討できる節税対策はいくつか存在します。設備投資のタイミング調整や生命保険の活用など、多角的な節税策については別ページ「節税対策」で詳しく解説していますので、興味のある方は下記のページをご覧ください。

多くのメリットがある青色申告ですが、利用するにあたって注意すべき点もあります。主なデメリットと留意事項は以下のとおりです。

  • 事前の申請が必要である点に注意しましょう。青色申告を利用するには、冒頭で触れた通り開業後すぐに税務署への申請手続き(青色申告承認申請書の提出)が必要です。この申請を期限までに行わなかった場合、その年は青色申告が適用できず、せっかくの特典を受けられなくなってしまいます。開業届を出すタイミングで忘れずに申請することが大切です。また、専従者給与制度を利用する場合も事前届出が必要となりますので注意が必要です。
  • 帳簿付けの手間や専門知識が求められます。青色申告では複式簿記による記帳と決算書類の作成が求められるため、白色申告に比べて経理事務の負担が増えます。日々の診療で忙しい開業医にとって、この帳簿作成業務を自力で行うのは負担に感じるかもしれません。会計ソフトの導入や税理士への依頼により対応できますが、それらの準備やコストが発生する点はデメリットと言えます。ただし、近年はクラウド会計ソフトの普及や税理士事務所とのデータ連携により、遠隔でもスムーズに記帳代行やチェックを受けることが可能になっています(詳細は後述)。
  • 帳簿不備はペナルティの対象となる可能性があります。青色申告の特典を受けるためには適正な帳簿管理が前提となりますが、万が一帳簿が不十分だった場合には青色申告特別控除を受けられなかったり、税務署から是正を求められたりするリスクがあります。また、税務調査の際には帳簿類を細かく確認されますので、不備があると指摘を受ける可能性が高まります。普段から記帳と書類保管をしっかり行い、万一調査があっても慌てないようにしておきましょう。

税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

青色申告の具体的な活用方法を、産婦人科クリニックの状況別に見てみましょう。それぞれのステージで直面する課題に対し、青色申告がどのように役立つかを解説します。

開業して間もない産婦人科クリニックでは、院長先生自身が経営と診療の両方を切り盛りしているケースが大半です。開業1年目から3年目頃までは、患者さんの数も徐々に増えていく時期で、収入が安定しない反面、医療設備や人件費などの固定費は継続的に発生します。そのため、利益が出にくいあるいは赤字になりやすい期間と言えます。こうした中で青色申告を選択しておけば、たとえ開業初年度に赤字が出た場合でも損失の繰越によって将来の黒字と相殺でき、軌道に乗り始めた2年目・3年目の税負担を軽減できます。また、仮に初年度から黒字で利益が出た場合でも、青色申告特別控除のおかげで65万円までの所得を帳簿上差し引けるため、開業直後の資金繰りを圧迫しないで済みます。

開業時にはエコー(超音波診断装置)や分娩台など高額な医療機器を導入したり、院内の内装工事費用がかかったりと、まとまった初期投資が発生します。これらの多くは減価償却資産として数年にわたり経費化しますが、青色申告を活用すれば30万円未満の器具備品は初年度に全額経費計上できます。例えば、10万円~20万円程度の院内備品(パソコンやプリンター等)は一括償却でき、節税と経営安定に寄与します。開業直後はとにかく出費が多いため、利用できる税制優遇は最大限に活用しましょう。

人員体制も、開業初期は院長先生と数名のスタッフという小規模なことがほとんどです。院長先生の配偶者が受付や事務をサポートしている場合も多く見られます。青色申告であれば、その配偶者への給与を経費にできるため、結果的にご家庭全体で見た手取り収入が増えるケースもあります(給与として支払われた額は院長先生の事業所得から差し引かれ、配偶者側の所得として計算されます)。家族ぐるみでクリニックを支える開業医の方には、ぜひ活用していただきたい制度です。

一方で、開業直後の先生にとって経理や帳簿作成は慣れない仕事です。診療で忙しいなか、領収書の整理や会計ソフトへの入力を後回しにしてしまい、確定申告前に慌てるケースも多々あります。青色申告を選んだものの「帳簿をきちんと付けられるか不安」という場合は、早めに税理士に相談してみましょう。開業初年度から税理士に依頼することは決して贅沢ではありません。むしろ、スタートダッシュの段階で税務のプロのサポートを受けておけば、本業に専念できるだけでなく適切な節税策のアドバイスも得られます。特に産婦人科クリニックのように月々の収支変動が大きい場合、資金繰り計画と税金対策を両立させるために専門家の知恵が役立ちます。

なお、開業後1~2期目までは新規開業特例により消費税の納税が免除されるケースが一般的ですが、3期目以降は売上規模によって消費税申告・納付も視野に入ります。産婦人科の診療報酬収入は非課税売上となるため一概に課税対象とはなりませんが、条件次第では対応が必要です。早めに基本知識を押さえておきましょう。消費税について詳しくは下記のページをご覧ください。

開業から数年が経ち、患者数も安定して利益が順調に出るようになってきた中規模のクリニックでは、さらなる発展のため法人化(医療法人化)を検討するタイミングが訪れます。例えば年間の事業所得(利益)が1,000万円を超えるようになってくると、個人のままでは所得税・住民税の税率が高くなり、税負担も大きく感じられるでしょう。青色申告による65万円控除があっても、利益規模によっては焼け石に水となり、節税策として法人化を検討する価値が出てきます。

法人化すると、クリニックを「医療法人」という法人格で運営することになります。院長先生個人は法人から役員給与(社長としての給料)を受け取る形となり、法人自体は法人税を納めます。一般に、法人税率(約23%~30%)は個人事業主の高額所得にかかる税率(最大50%程度)より低く抑えられており、所得分散の効果も相まってトータルの税負担を軽減できる可能性があります。また、法人になることで複数の事業展開がしやすくなる点もメリットです。個人の開業医は一人で開設できる診療所は1ヶ所のみですが、医療法人であれば分院の設置や介護事業への参入など、事業の幅を広げることが可能です。

ただし、法人化にはデメリットやコストも伴います。社会保険への加入義務(従業員はもちろん院長先生自身も厚生年金・健康保険に加入)により人件費負担が増えることや、法人設立・運営のための手続きや事務が煩雑になることは避けられません。また、医療法人は剰余金(利益)の配当ができないなど、一般企業の法人とは異なる制約もあります。これらの点を総合的に検討し、タイミングを見極めることが重要です。

中規模クリニックの院長先生が法人化を検討する際には、税理士をはじめとした専門家に相談することを強くおすすめします。法人化による節税効果がどの程度見込めるかシミュレーションしたり、逆にデメリットが勝ってしまわないかを判断したりと、プロの視点でのアドバイスが有益です。特に医療法人の設立手続きは各都道府県知事の認可が必要で書類も多いため、経験豊富な税理士事務所のサポートを受けることでスムーズに進めることができます。次の章では、法人化のメリット・デメリットや医療法人設立の支援についてもう少し詳しく見てみましょう。

親御さんなど先代の先生からクリニックを承継する予定の後継ドクターのケースです。このような事業承継では、青色申告の活用に加えて、承継の方法そのものを検討する必要があります。具体的には、先代の先生の代で個人事業のまま承継するか、あるいは承継に合わせて法人化(医療法人化)するかといった選択です。

まず、個人事業としてそのまま引き継ぐ場合について考えてみましょう。先代の先生が長年青色申告で経営されていたのであれば、事業規模に見合った適切な経理体制が整っているはずです。後継のドクターは新たに開業する形で事業を引き継ぐことになるため、自身で開業届と青色申告承認申請書を提出し、引き続き青色申告のメリットを享受できるようにしましょう。先代から引き継いだ医療機器や備品については、贈与なのか売買なのかといった扱いによって税金(所得税・消費税・贈与税)の取り扱いが変わります。適正な評価のもとで譲渡を行い、必要に応じて減価償却資産の承継手続き(税務上の帳簿価額を引き継ぐ届出など)も検討します。この辺りの実務は専門的になるため、税理士に間に入ってもらいスムーズな引き継ぎを行うことが望ましいでしょう。

一方、医療法人化してから承継する方法も有力です。例えば親子二代でクリニックを継ぐ場合、先代の先生が現役のうちに医療法人を設立し、その法人にクリニックの経営を移行しておく手があります。医療法人は出資持分のない医療法人形態で設立すれば、出資という概念がないぶん相続税の心配が少なく、後継ドクターへの持分の承継に伴う税負担を抑えることが可能です。また、医療法人化しておけば組織としての継続性が担保されるため、院長交代後も患者さんやスタッフにとって安心感があるでしょう。ただし、設立には準備期間が必要なため、承継の数年前から計画しておくことが重要です。

事業承継に際しては、相続税・贈与税の問題や承継後の経営安定など、青色申告の範疇を超えた検討事項が多岐にわたります。後継ドクターとしては、早い段階から親世代と話し合いを持ち、税理士と連携しながら最適な承継スキームを構築することが大切です。承継計画の中で青色申告をどう活かすか、あるいは法人化への踏み切りどきを判断するかについても、専門家のアドバイスに基づいて決めると安心です。事業承継についての具体的なポイントは、別ページ「事業承継」で解説していますので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

個人事業として青色申告を活用してきたクリニックも、一定の規模に成長したら法人化(医療法人の設立)を検討することになります。ここでは、法人化した場合の主なメリット・デメリットと、医療法人設立に関する支援内容について説明します。

法人化の主なメリット

  • 税負担の軽減: 法人化する最大のメリットは、税率構造の違いによる節税効果です。個人事業の場合、所得が増えるほど累進課税で税率が最高55%程度(所得税+住民税)になりますが、法人税率はおおむね23%~30%程度に抑えられます。また、法人から支給される役員給与には給与所得控除(一定額の所得控除)が適用されるため、院長先生個人の所得税負担も軽減できます。これらにより、トータルの税金を抑えつつクリニックに利益を蓄積しやすくなります。
  • 社会的信用の向上と資産保護: 医療法人になることで対外的な信用力が向上する点も見逃せません。金融機関から融資を受けやすくなったり、求人募集の際に「法人運営」であることが安心材料になったりします。また、法人格を持つことで事業用資産と個人資産が明確に分離されるため、万一クリニックで負債を抱えた場合でも個人の資産が守られる効果があります(ただし医療法人の負債であっても連帯保証等をしている場合はこの限りではありません)。
  • 事業拡大・継承の柔軟性: 法人化により複数事業の展開や世代交代が容易になります。例えば、医療法人であれば分院を開設して2拠点で診療を行ったり、介護施設や健診センターなど関連事業に乗り出すことも可能です。また、将来の事業承継の際には持分や法人そのものを引き継ぐ形となるため、個人事業をそのまま相続・譲渡する場合に比べてスムーズにバトンタッチできるメリットがあります。院長先生の引退時には、法人から役員退職金を支給することで、公的年金とは別に老後の蓄えを確保するような計画も立てやすくなるでしょう。

法人化のデメリット・注意点

  • 社会保険加入や維持費の増加: 医療法人を設立すると、役員含め全スタッフが厚生年金・健康保険といった社会保険に加入する必要があります。従業員の福利厚生が充実する反面、法人として毎月負担する保険料のコストが増加します(個人事業でスタッフが5人未満の場合、社会保険加入は任意でした)。また、法人を維持するために毎年最低でも一定額の法人住民税均等割(地方税)を支払う必要があるなど、利益が出ていない場合でも発生する固定費用があります。
  • 事務手続きの煩雑化: 法人運営になると、個人事業に比べて会計・税務・法務の手続きが増えます。毎年の法人税申告に加え、決算公告や登記変更手続き、理事会・社員総会の運営など、守るべきルールが多岐にわたります。医療法人の場合、都道府県知事宛ての各種届出や報告も必要で、事務負担はどうしても増加します。専門知識のある事務長を雇用するか、外部の専門家(税理士・社労士・司法書士等)の力を借りて体制を整えることが求められます。
  • 利益の処分に制約: 前述のとおり、医療法人では剰余金の配当が禁止されています。クリニックが生み出した利益は法人内部に留保するか、役員報酬や設備投資、スタッフへの賞与など適切な形で支出する必要があります。個人事業のように自由に利益を引き出して私的に利用することはできません。また、法人を一度設立すると簡単に解散・清算することはできず、廃業するにしても一定の手続きを要します。安易に法人化すると、かえって身動きが取りづらくなる点には注意が必要です。

こうしたメリット・デメリットを踏まえ、クリニックの規模や院長先生のライフプランに照らして法人化すべきか否かを判断することになります。もちろん、タイミングや判断に迷った際は税理士に相談するのが得策です。数字に基づいたシミュレーションや、他の医療機関の事例を参考にアドバイスを受けることで、最適な選択が見えてくるでしょう。法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

医療法人の設立には、事前準備から各種書類作成・行政への申請まで、多くのステップがあります。当事務所では、クリニックの法人化支援に豊富な実績があり、次のようなサポートを提供しています。

  • 法人化の初期相談とシミュレーション: まずは法人化すべきかどうか、タイミングはいつが適切かといった点について、現在の財務状況や将来計画を踏まえシミュレーションいたします。節税効果だけでなく、社会保険料負担や設立コストも考慮した総合的な判断材料を提供します。
  • 設立手続きフルサポート: 医療法人設立に必要な定款や設立趣意書、事業計画書などの書類作成から、所轄庁(都道府県)への認可申請、登記手続きまで一貫してサポートします。複雑な申請プロセスも、当事務所が窓口となって進めますので、院長先生は診療に集中しながら手続きを進めることができます。
  • 法人化後の税務・会計フォロー: 医療法人設立後も、引き続き法人の会計処理や税務申告をサポートします。法人化に伴って会計ソフトを法人用に移行したり、決算期を新たに設定したりといった実務も伴いますが、経験豊富なスタッフが伴走いたします。初年度の決算はもちろん、その後の税務調査対応や節税アドバイスまで継続してサポートいたします。

加美税理士事務所では、全国のクリニックの法人化支援を行っており、オンラインを活用して遠方の医療機関でも迅速に対応可能です。医療法人設立に関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

加美税理士事務所では、場所にとらわれないフルリモート対応を実現しています。東京都内はもちろん、北海道から沖縄まで全国のお客様をサポートしており、遠方の先生でもオンラインでスムーズにご依頼いただけます。打ち合わせはメールや電話、ZoomなどのWEB会議で行えますし、領収書や請求書類もスキャンデータやクラウドストレージで共有いただければ十分です。

来所や訪問の手間を省き、日々ご多忙な医師の先生方にも効率的かつ迅速に対応いたします。また、近年増えているオンライン方式の税務調査(電子データでの書面確認やリモートヒアリング)にも対応可能です。全国対応・リモート対応の体制を整えておりますので、所在地を問わず安心してご相談ください。

当事務所には医療業界の会計・税務に精通した経験豊富な税理士が在籍しており、産婦人科クリニックをはじめ数多くの医療機関をサポートするためのノウハウがあります。各クリニックの状況やニーズに合わせて柔軟にサービスを提供できるのも強みです。具体的には、次のような点で先生方を幅広くサポートいたします。

  • 経理業務をまるごと代行可能: 開業直後で経理に手が回らない場合は、日々の記帳から確定申告書の作成・提出まで丸ごとお任せいただくことが可能です。一方、院長先生ご自身で会計ソフト入力を行っている場合には、チェックや節税アドバイスに特化してサポートするといった部分的な関与も柔軟に対応いたします。
  • 会計ソフトへの精通(弥生会計に強い): 当事務所は弥生会計の活用経験が豊富で、医療機関で導入の多い弥生会計について熟知しています。データ共有や仕訳入力の代行もスムーズに行えます(freeeやマネーフォワードクラウド会計など他のソフトにも対応可能です)。貴院の現在の経理体制に合わせて、最適なツールで支援いたします。
  • 安心のリーズナブルな料金: 料金設定も良心的で、業務ボリュームやクリニックの規模に応じて無理のないプランをご提案いたします。「税理士に依頼すると高そう」という心配をお持ちの先生にもご利用いただきやすい、リーズナブルで柔軟な料金体系を整えております。

税務や経営のことでお困りの際は、親しみやすく話しやすい加美税理士事務所までぜひご相談ください。先生方の心強いパートナーとして、二人三脚でクリニック経営をサポートいたします。

よくあるご質問

FAQ

開業1年目ですが、青色申告は今からでも間に合いますか?

はい、原則として開業日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を提出すれば、その年から適用が可能です。ご不安な場合は加美税理士事務所にて期限確認と書類作成をサポートいたします。

帳簿作成が不安です。どこまで税理士に任せられますか?

記帳代行から確定申告書類の作成・提出まですべてお任せいただけます。当事務所は弥生会計など会計ソフトにも対応し、丸投げプランもご用意しています。

青色申告の65万円控除を受けるにはどんな条件がありますか?

複式簿記による帳簿作成と貸借対照表の提出が必要です。また、期限内の申告とe-Tax利用または電子帳簿保存も条件に含まれます。

配偶者が受付を手伝っていますが、給与を経費にできますか?

青色事業専従者給与として届出をすれば、業務内容に応じた金額まで経費計上が可能です。届出の時期や内容についても丁寧にサポートいたします。

医療機器の購入費用は青色申告でどのように扱われますか?

一括で30万円未満の備品は即時償却可能です。それ以上は減価償却資産として計上します。初年度の節税を意識した設備投資のタイミングについてもご相談いただけます。

青色申告でも税務調査はありますか?対応に不安です。

はい、申告内容によっては青色申告でも税務調査の対象になります。当事務所はリモート立会による税務調査対応にも精通しておりますのでご安心ください。税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

青色申告の赤字繰越制度とは何ですか?

青色申告をしていれば、最大3年間の赤字(純損失)を繰越し、翌年以降の黒字と相殺可能です。開業初期の経営安定に役立ちます。

消費税の申告も必要になりますか?青色申告とは別ですか?

消費税は青色申告とは別の制度で、売上や課税売上割合に応じて対応が必要です。消費税について詳しくは下記のページをご覧ください。

青色申告の申請を忘れてしまいました。白色申告でも問題ないですか?

白色申告でも申告は可能ですが、特別控除や赤字繰越などの恩恵は受けられません。次年度から青色申告できるよう準備をおすすめします。

節税のために他にできることはありますか?

青色申告以外にも多様な節税対策があります。節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

会計ソフトを使っていないのですが、青色申告できますか?

はい、問題ありません。当事務所では会計ソフト未使用のお客様向けにも、安価で簡便な経理代行プランをご提供しています。

将来的に法人化も検討中です。青色申告との関係はありますか?

はい、青色申告で記帳・決算を整えておくことは、法人化時のスムーズな移行に直結します。法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

親からクリニックを引き継ぐ予定です。青色申告はどうなりますか?

承継後に新たに開業届と青色申告承認申請書を提出する必要があります。承継の税務も含めたご相談はお早めにどうぞ。

承継時の税務や資産移転についても相談できますか?

はい、事業承継時の税務や相続対策、資産管理まで対応可能です。事業承継について詳しくは下記のページをご覧ください。

税務調査が来た場合、過去の青色申告内容は見直されますか?

はい、特に帳簿の整合性や専従者給与などが重点的に確認されます。当事務所では税務調査対応に強く、オンライン立会にも対応しています。税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

法人化後も青色申告制度は利用できますか?

はい、医療法人でも新たに申請書を提出することで青色申告を選択することができます。ただし申告形式や必要書類が異なるため、法人用の会計処理に切替が必要です。

青色申告の特典を最大限に活かすにはどうしたらよいですか?

記帳の正確性と期限厳守が重要です。当事務所では節税シミュレーションや事業計画の策定までトータルでサポートいたします。

青色事業専従者の範囲には誰まで含められますか?

原則として、配偶者または生計を一にする親族で、常時その事業に従事している方が対象です。勤務実態の証明も重要です。

資金繰りが厳しいときでも税理士に依頼する価値はありますか?

はい。むしろ資金管理や節税戦略が重要な局面です。当事務所は費用を抑えたプランや無料相談もご用意していますのでお気軽にご相談ください。

節税対策として保険や設備投資を検討しています。相談できますか?

もちろん可能です。節税のタイミングや導入の可否を事業計画に合わせてご提案いたします。節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

途中で税理士を変更する場合、引き継ぎはスムーズにできますか?

はい、可能です。現行の帳簿や申告書類をもとに丁寧に引き継ぎ、スムーズな再スタートをサポートいたします。

医療法人化すると青色事業専従者給与制度は使えなくなりますか?

はい、法人化後は役員報酬や給与制度に切り替わりますが、適切な所得分散による節税効果を得ることが可能です。

青色申告でよくあるミスにはどのようなものがありますか?

帳簿の記載漏れや控除額の誤算、申告期限の遅れなどが代表例です。当事務所では事前のレビューや提出代行でミスを防止します。

青色申告を途中から白色申告に変更することはできますか?

可能ですが、節税メリットが大きく減少します。税務署への変更届が必要となり、事前にデメリットを十分ご確認ください。

資産管理も含めた長期的な財務戦略を相談できますか?

はい、当事務所では資金繰り表の作成や将来的な資産承継計画まで、医療専門の税務顧問として包括的にご支援いたします。

青色申告を活用しながら事業の拡大も視野に入れています。相談可能ですか?

もちろんです。青色申告の継続とともに、将来的な医療法人設立支援や節税戦略も視野に入れたアドバイスを行っております。

将来の税務調査に備えた準備もしておくべきですか?

はい。帳簿の整備と証憑書類の保管が重要です。当事務所では税務調査対策としての事前レビューも承っています。税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

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