税理士法人加美税理士事務所

税務調査とは、税務署が申告内容を確認し、適正に税金が納められているかを検証するための調査です。調査には大きく分けて2種類あり、通常は事前連絡のうえ納税者の協力のもとで行われる「任意調査」、そして脱税など悪質な疑いがある場合に令状に基づき抜き打ちで行われる「強制調査」があります。強制調査では国税局の査察官が突然来訪し、帳簿や書類を押収して詳細な調査を行います。一方、一般的に調剤薬局を含む多くの事業者に対して行われるのは任意調査で、通常は事前に税務署から電話で連絡があり、調査官が薬局を訪問して帳簿類を確認するという流れになります。

納税義務のある法人や個人事業主であれば、どんな事業者でも税務調査の可能性はゼロではありません。しかし実際には、調剤薬局が税務調査の対象に選ばれやすいのはある程度パターンがあります。調剤薬局という業種特有の事情として、保険調剤収入（非課税）と一般販売収入（課税）が混在するため消費税の計算・申告が複雑であり、その分ミスや不正のリスクが高いと見られています。そのうえで、税務署が特に目を光らせる調剤薬局の特徴は次の通りです。

• 設立から3期以上経過した薬局: 新設の1～2期目に調査が入るケースはほとんどありません。一般に税務調査は過去3年分の申告内容を対象とします。また消費税も前々期の課税売上高が1,000万円を超えたタイミング（設立3期目頃）から課税事業者となるため、設立後3期を過ぎた頃から調査対象に選ばれやすくなります。
• 売上に比べて利益率が極端に低い薬局: 税務署は業種ごとの大まかな利益率を把握しているため、他の調剤薬局と比べて明らかに利益額が少ない場合、不適切な経費計上などで意図的に利益を圧縮しているのではないかと疑われ、調査につながりやすくなります。
• 毎年のように赤字申告が続く薬局: わずかな赤字が何年も続いているような場合も注意です。事業が赤字であれば法人税は課税されませんが、本来赤字が続けば資金繰りが悪化して事業継続が難しくなるものです。それにもかかわらず毎期赤字申告で営業が続いていると、「意図的に赤字を装って法人税を免れているのではないか」と疑われるケースが多く、調査対象に選ばれやすくなります。

上記のような状況に心当たりがある場合は特に注意が必要です。また近年、調剤薬局業界では消費税の還付をめぐる不正事例も報道されています。例えば、ある調剤薬局グループではグループ内で架空の医薬品取引を繰り返し行い、約16億円もの消費税を不正に還付申請していたケースが明るみに出ました。こうした重大事例が発生したこともあり、税務当局は調剤薬局の消費税の取扱いに対して厳しい目を向けています。多忙な調剤薬局経営者の方にとって税務調査は業務上の負担も大きいため、「できれば調査は避けたい」のが本音でしょう。しかし万一調査の対象となっても慌てず適切に対応できるよう、次章では税務調査の一般的な流れと備えについて見ていきます。

税務調査が入ることになった場合、その一般的な進行は以下のとおりです。

1. 事前通知と準備: 通常、税務署から事前に電話で調査の連絡が入ります。調査の日時・場所や対象となる税目・期間、そして準備すべき書類が伝えられるので、内容を確認しましょう。指定された必要書類（通常は過去3年分の帳簿類や申告書、領収証のファイルなど）を調査日までに整理・準備します。もし通知内容に不明点があれば、顧問税理士に相談しておくと安心です。日程の都合が悪い場合は、日程変更の相談が可能な場合もあります。
2. 調査当日（実地調査）: 約束した日時に調査官が調剤薬局に来訪し、ヒアリングや帳簿書類のチェックが行われます。調査官は会社概要や事業内容について質問したり、総勘定元帳や仕訳帳、領収証、請求書、契約書、人件費関係の資料（給与台帳や源泉徴収票）など必要に応じて確認します。調剤薬局の場合、在庫の管理状況について質問されたり、帳簿上の数値と実際の棚卸資産が合っているかといった点まで踏み込まれることもあります。一般的な中小規模の薬局であれば、実地調査は1～2日程度で終了します。グループ会社を持つ大規模な調剤薬局では調査項目が多岐にわたるため日数が長引くケースもありますが、個人経営の小規模薬局であれば1日で完了することも少なくありません。
3. 調査後のフォロー: 調査が一通り終わると、調査官から指摘事項の説明があります。問題がなければその場で「申告内容に特に問題なし」と伝えられ調査終了です。一方、申告ミスや修正が必要な事項が指摘された場合、後日「更正通知」等の形で正式に結果が示されます。その際には指摘に従って修正申告を行い、不足していた税額を納める必要があります。修正申告に伴い、期限後に不足分を納付するための延滞税や、過少申告加算税などのペナルティ（附帯税）が課されることもあります。特に悪質な隠ぺいや仮装行為が発覚した場合、重加算税（本来納付すべき税額の35％～40％相当）という非常に重いペナルティが科される可能性もあります。このように、税務調査の結果には税金の追徴が伴うケースもありますので、日頃から適切に申告・納税しておくことが何より重要です。

税務調査を迎えるにあたっては、次のような基本的対応を心がけると良いでしょう。調査官への対応姿勢ひとつで、その後の展開や心証も大きく変わります。

• 顧問税理士に相談し立ち会ってもらう: 税務調査の連絡が来たら、まず顧問税理士にすぐ相談しましょう。顧問税理士がいる場合は、調査当日の立会いも依頼することをおすすめします。実際、税務調査では多くの場合、税理士事務所の担当者が納税者の代理として調査官と対応し、質問への回答や必要な説明を行っています。専門家に立ち会ってもらえれば、専門的な論点も的確に対処でき、経営者ご自身の精神的負担も軽減されます。私たち税理士法人加美税理士事務所でも、税務調査当日の税理士立会いサポートや事前対策のご相談を承っていますので、ご不安な際は遠慮なくお声がけください。
• 誠実かつ冷静な態度で対応する: 調査官に対しては終始ていねいで誠実な態度を保ちましょう。質問には事実に基づき簡潔に答えます。不明な点はその場で無理に答えず、「確認して後ほど回答いたします」として構いません。決して感情的になったり、調査官に対して敵対的・あるいは過度に卑屈な態度をとったりしないことが大切です。調査が長引いても落ち着いて対応し、指摘事項についてはすぐ認めるのではなく必ず税法上の根拠を確認するようにしましょう。冷静で筋の通った受け答えは、調査官との信頼関係構築にも役立ちます。
• 指示された資料のみ提出する: 税務調査では、「調査官に良く思われたい」との気持ちから、必要以上に資料を山積みして待ち構える必要はありません。基本的には事前通知で準備を指示された書類だけを用意すれば十分です。調査官に「何でもすぐ提示できるように」と大量の資料を机に並べても、かえって余計な論点に踏み込まれる可能性があります。求められたものがあれば、その都度提示すれば問題ありません。過剰なアピールよりも、適切な資料を的確に提出することを心がけましょう。
• 公私の支出を明確に分ける: 調査対応以前の基本ですが、会社（法人）の経費と個人の支出は日頃からきちんと区分しておくことが重要です。特に個人事業から法人化した直後は、公私混同が起きがちなので要注意です。経営者個人のプライベートな費用が会社の経理に紛れ込んでいると、不適切な経費計上を疑われる原因になります。日常的に交際費や旅費交通費、通信費などについて「これは業務上必要か？」を自問し、私的な支出は会社の経費に含めないルールを徹底しましょう。公私区分の徹底は、後述する交際費の項目でも触れる通り税務調査上の重要ポイントです。
• 虚偽や隠蔽は絶対にしない: 経営が苦しいと「少しぐらいバレないだろう」とごまかしたくなる誘惑に駆られるかもしれません。しかし、税務調査の場では決して嘘の説明をしたり書類を偽造したりしてはいけません。そうした行為が発覚した場合、重加算税など最も重いペナルティを課されるリスクがあります。調査官は提出書類だけでなく納税者の態度もしっかり見ています。不誠実な対応はかえって疑念を深める結果となりますので、常に真摯な姿勢で臨みましょう。
• 日頃から適切な経理を行う: いざ税務調査となって慌てないためには、平時から会計記録を正確につけておくことが何よりの対策です。日々の取引をタイムリーに記帳し、領収証や請求書も整理・保管しておきましょう。調剤薬局は他業種に比べても在庫管理や消費税処理が複雑なため、可能であれば日常の経理段階で専門家のチェックを受けておくと安心です。例えば青色申告の要件を満たす適切な帳簿付けは節税にも直結します。税理士法人加美税理士事務所は、弥生会計などの会計ソフトを活用した日常記帳の効率化支援から決算・申告書類の作成、節税のアドバイスまで継続的にサポートいたします。正しい経理体制を整えておけば、万一税務調査が来ても必要書類がそろっているため落ち着いて対応できるだけでなく、普段から適法かつ最適な税務処理を行っていることで調査自体を未然に防ぐ効果も期待できます。

以上のポイントを押さえておけば、税務調査に対する不安はかなり軽減されるはずです。それでは次に、実際に調剤薬局の税務調査でチェックされやすい具体的な項目について見ていきましょう。

調剤薬局への税務調査では、業種特性に関連して以下のような点が重点的にチェックされる傾向があります。

調剤薬局の税務調査では、法人税の申告内容だけでなく消費税の申告状況も合わせて確認されるのが一般的です。課税売上高が基準を超えて消費税の課税事業者となっている場合、法人税の調査と同時に消費税についても調査官が細かくチェックします。特に調剤薬局は前述の通り課税売上と非課税売上（保険調剤など）が混在するため、仕入れにかかった消費税の扱いが適正かどうかが重要なポイントです。

消費税還付とは、仕入れ等で支払った消費税額が売上にかかる消費税額より大きい場合に、その差額の還付を受ける申告のことです。調剤薬局では設備投資や大量の医薬品仕入れを行った期に消費税の還付申告をするケースがありますが、この還付申告が適正かどうかは調査官の関心事となります。実際、グループ会社間の架空取引で巨額の不正還付を受けていた調剤薬局グループの事例や、過大な還付申告によって数億円規模の追徴課税を受けた事例も発生しています。こうした経緯から、グループ会社を複数抱えるような調剤薬局では特に、消費税の仕入税額控除を正しく処理しているか厳しく調査される可能性が高いと言えます。

また、調剤薬局の消費税に関するミスとしては、非課税売上に対応する仕入れの消費税を誤って控除してしまうケースや、簡易課税制度を利用する際に本来とは異なる業種区分で計算してしまうケースが挙げられます。これらはいずれも結果的に消費税の納税額を少なく見積もってしまう誤りですので、税務調査でチェックされれば追徴課税の対象になりえます。さらに、大きな設備投資を行って多額の消費税還付を受けると、その申告内容について詳しく確認される傾向もあります。調剤薬局の消費税計算は専門的で難しい部分が多いため、顧問税理士と相談しながら適切に申告することが大切です。消費税の課税・非課税区分の基礎や節税のポイントについては、詳しくは下記のページをご覧ください。

人件費の計上漏れや過大計上も、調剤薬局の税務調査で指摘されやすいポイントです。特に役員報酬の扱いには注意が必要です。調剤薬局には、家族経営からスタートしたケースも多く見られますが、その中には実際には業務に従事していない家族を役員に据えて、役員報酬を支払っているケースがあります。役員報酬は一定の要件（定期同額給与など）を満たせば損金算入が認められますが、裏を返せば勤務実態のない家族に役員給与を支給し経費をかさ増しして利益を圧縮するような行為は認められません。

税務調査では、支払われている役員報酬が本当にその役員の職務内容・貢献度に見合ったものかや、従業員給与が適正に計上され源泉徴収なども漏れなく行われているかといった点がチェックされます。とりわけ小規模な調剤薬局では家族従業員が多い傾向にあり、「名目上の役員」に対する過大な報酬や、不自然な賞与の支給タイミングなどがあれば注意が必要です。税務署もその点を念入りに確認します。

適正な人件費計上は、調剤薬局の健全経営に直結します。役員報酬の金額設定は節税対策としてよく検討される項目ですが、ルールに反した操作は禁物です。私たち税理士法人加美税理士事務所では役員給与の適正な設定や給与所得控除の活用など、調剤薬局の健全な節税策についてアドバイスを行っています。節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

人件費は適正に計上し、公私の区別を明確にして、税務調査に臨みましょう。

調剤薬局にとって医薬品の在庫管理は、税務上も非常に重要なポイントです。様々な処方に対応するため、調剤薬局では実に多くの医薬品を棚に抱えています。近年は後発医薬品（ジェネリック）の増加もあり、取り扱う品目数は拡大傾向にあります。厚生労働省の資料によれば、令和3年時点で調剤薬局の医薬品在庫品目数の平均は約1,100種類にも上るとのことです。これだけ多種多様な医薬品を備蓄しているため、在庫管理は非常に煩雑になります。

問題は、在庫数量や評価額が薬局内部で完結してしまうことです。言い換えれば、帳簿上の在庫数をある程度操作できてしまう余地があるということでもあります。例えば、本来廃棄すべき期限切れ医薬品を帳簿上残っていないことにして売上原価を多く計上したり、逆に在庫評価額を意図的に下げて利益を圧縮したりといった不正も理論上は可能です。税務署が調剤薬局の在庫を念入りにチェックするのは、このような不正の余地を封じるためでもあります。

税務上、医薬品の棚卸在庫は「棚卸資産」に区分され、期末には税務署に届け出ている在庫評価方法で評価する義務があります。具体的な評価方法には先入先出法や総平均法などいくつかありますが、いずれにしても事前に届出をしていない方法は認められません。万一届け出た方法と異なる方法で在庫を評価していた場合、法定の評価方法により計算をやり直す必要が生じ、結果として売上原価や利益額が変動して過少申告を指摘される可能性があります。実際、在庫評価方法の違いによって利益操作を行う手口は過去の税務調査でも問題視されてきました。

調剤薬局では常時1,000種類以上の薬をストックし、「患者さんが処方箋を持ってきたときに必要な薬をすぐ出せる状態」にしておく必要があります。そのため、期末棚卸での在庫数量の把握漏れや評価間違いがあると、納税額に大きな影響を及ぼすことになります。税務調査でも、在庫資産の評価方法が届出通りか、在庫計上の時期（期末に売上原価に振り替えているか）に誤りがないかなどが重点的に確認される傾向があります。

在庫管理について指摘を受けないためには、日々の適切な棚卸と期末処理が不可欠です。在庫台帳と実際の棚卸結果を突き合わせてズレを修正しておくことはもちろん、期末の在庫評価も税法に則って正確に行いましょう。複数店舗を展開して在庫規模が大きくなる場合には、さらに厳格な管理体制が求められます。税理士法人加美税理士事務所では新規出店や店舗拡大時の経理体制の整備についてもアドバイスを行っています。多店舗展開について詳しくは下記のページをご覧ください。

在庫は調剤薬局の生命線でもありますから、税務の面でも万全の管理を心がけたいところです。

交際費とは、取引先や地域社会との付き合いのために要した経費のことで、業務上必要な範囲であれば会社の経費（損金）として計上できます。例えば、調剤薬局を新規出店する地域の町内会で開催された懇親会への参加費用などは、事業に関連した支出として交際費に計上することが認められるでしょう。一方で、経営者自身の個人的な友人との食事会の費用は業務とは無関係ですから交際費とはなりませんし、家族や知人への私的な贈答品の購入費用も同様です。要は、その支出が会社の事業運営上どうしても必要な交際か否かがポイントです。

法人成り直後の調剤薬局などでは、経営者個人の支出と法人の経費との区別があいまいなケースも散見されます。たとえばプライベートな飲食費をうっかり会社の経費で落としてしまったり、個人旅行の費用を接待交際費名目で処理してしまったりというミスです。税務調査では、この交際費に私的な費用が紛れていないかが詳しく調査されます。調査官は交際費の明細（どの店で誰と何の目的で使ったのか等）や領収書の内容もチェックし、明らかに業務と無関係な支出が混在していれば指摘の対象となります。

こうした問題を防ぐには、日頃から公私の経費区分を明確にしておくことが重要です。経営者やご家族のプライベートな会食・レジャー費用は事業と切り離し、会社の口座・カードを私用に使わない徹底が求められます。もし「これは経費に計上していいのか判断が迷う…」という支出があれば、その場で顧問税理士に相談すると良いでしょう。

なお、交際費は税法上一定の損金不算入枠（中小企業等の交際費課税）がありますが、逆に言えば上限までは経費にできるメリットもあります。しっかりと公私を分けたうえで、有効な交際費の使い方については専門家の助言を仰ぐと節税に繋がるケースもあります。法人化直後の方はこうした点に戸惑うことも多いと思いますので、私たち税理士法人加美税理士事務所では調剤薬局の法人化に際して知っておくべきポイントも別途まとめております。法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

調剤薬局の経営者にとって、税務調査に臨む際に顧問税理士のサポートを受けられるかどうかは結果を大きく左右します。特に法人化直後で税務対応の経験が浅い方や、店舗数拡大に伴い多店舗経営で経理管理が煩雑になっているケースでは、税務調査に備えて専門家の支援を受ける意義が大きいでしょう。また、親族への事業承継を見据えて「自分の代で税務上の不安を解消しておきたい」とお考えの方にとっても、顧問税理士の存在は心強い味方になります。以下では、税理士が税務調査に同席することによるメリットや、税務調査をきっかけに経理体制を見直す重要性について解説いたします。

税務調査の現場に税理士が同席しているだけで、調査官との交渉や質疑応答が格段にスムーズになります。税理士は税法の専門家であり、調査官からの質問に対して適切な根拠をもとに回答できるため、納税者である経営者ご自身が法律知識不足から不利な判断を下されたり、不当な指摘を受けたりするリスクを減らせます。税務の世界では解釈の違いによって意見が分かれるケースもありますが、税理士が立場に応じた正当な主張を行うことで、見解の相違による不必要な追徴課税を避けることが可能です。また、調査官に指摘された論点についてその場で適切に反論・説明できるため、調査が長引かず早期に終わらせることにも繋がります。

さらに、税理士はこれまでの実務経験に基づき税務調査で見られやすいポイントを熟知しています。調査の事前連絡が来た段階で、過去の申告書類や帳簿を確認し、不備がないかチェックしてくれますし、想定される質問と回答のリハーサルを行って万全の準備を整えてくれます。いざ当日を迎えて「何を聞かれるかわからない」という不安を和らげ、心に余裕を持って調査官を迎えることができるのも大きなメリットです。万が一申告書類や帳簿に見落としやミスがあった場合でも、税理士が経営者の代理人として調査官に状況を説明し、適切な対応策を講じてくれるため非常に心強いでしょう。専門家がそばにいる安心感により、経営者の精神的負担は大幅に軽減されます。

税務調査の当日、調査官との質疑応答や書類の受け渡しといった窓口対応は、税理士が代行することが可能です。税理士は税務署とのやり取りに慣れており、調査官の質問の意図を正しく汲み取って的確に答えることができます。経営者ご自身が対応する場合、「この支出は何ですか？」「この取引の相手先は？」など突発的な質問に咄嗟に答えられず焦ってしまったり、あるいは必要以上の情報を口に出してしまったりすることも考えられます。しかし税理士が同席していれば、そうした場面でも冷静に対処し、聞かれたことに対して必要十分な回答をしてくれます。

特に、個人事業から法人になったばかりのケース（法人化直後）では、経営者の方が法人税や消費税の調査対応に不慣れなことが多いため、税理士が間に入ってコミュニケーションをサポートする意義は大きいです。また、複数店舗を展開する規模の大きな調剤薬局では確認すべき帳簿書類も膨大になりますが、税理士がいれば必要書類を整理して提示したり、各店舗のデータをまとめて調査官に説明したりといった対応もスムーズに行えます。調査中、経営者は本業である薬局運営に専念しつつ、専門家に税務対応を任せられるため、調査対応による営業時間への影響も最小限に抑えられるでしょう。

税務調査が入ると、帳簿類の準備や調査官への対応などに多くの時間と労力を割かなくてはなりません。私たち税理士法人加美税理士事務所にご依頼いただければ、事前準備から当日の質疑応答まで専門家がサポートするため、経営者様ご自身の負担は最小限で済みます。調査期間中も経営者様は薬局運営に専念でき、本来業務への支障を抑えられる点は大きなメリットです。必要書類の整理や調査官への説明対応も税理士が代行しますので、「何をどう答えればいいのか…」と悩む心配もありません。このように、調査対応の重荷を肩代わりし、通常業務が滞らない体制づくりを全面的にサポートいたします。

税理士への依頼というと顧問契約が前提と思われがちですが、税理士法人加美税理士事務所ではスポット（単発）での税務調査対応にも柔軟に対応いたします。普段顧問税理士がいない薬局経営者様でもご安心ください。こちらで過去の申告書類や帳簿類を迅速に把握し、調査当日までに必要な対応策を講じます。長期の契約がなくても「今回だけ頼みたい」というご要望にお応えできる体制を整えております。もちろん、調査対応をきっかけに継続的な顧問契約をご希望される場合には、経営状況を深く理解した上で引き続きサポートさせていただくことも可能です。

税務調査の結果、申告誤りが見つかった場合には修正申告（追加納税のための申告）や更正の請求（納めすぎた税金の還付申請）といった手続きが必要になることがあります。私たち税理士法人加美税理士事務所では、これら一連の書類作成から税務署への提出まで、すべて代行対応いたします。税務署との交渉や連絡も税理士が前面に立って行いますので、経営者様が直接やりとりをする必要はありません。例えば、追徴税額の納付方法や期限について相談・調整する場面でも、専門家が適切に対処いたします。複雑な税務用語や調査官との折衝に悩まされることなく、安心してお任せいただけます。

税理士法人加美税理士事務所には経験が豊富な税理士が在籍しており、薬局特有の会計・税務上の論点を熟知しています。例えば、保険調剤報酬（公的医療保険を使った処方薬の売上）は消費税非課税のため、それに対応する仕入れの消費税控除計算には細心の注意が必要です。当税理士事務所ではこうした調剤薬局ならではの消費税計算のポイントを把握しており、事前に適切な処理・チェックを行います。

また、薬剤の棚卸資産（在庫）管理については、税務調査で帳簿上の在庫数と実際の棚卸数が一致しているかチェックされる傾向がありますが、経験に基づく対策で問題点を洗い出し是正します。さらに、調剤技術料など薬局特有の勘定科目についても理解していますので、調査官から専門的な質問があっても的確に説明・対応が可能です。業界に特化した知識があるからこそ、一般的な税理士では見落としがちな点までカバーでき、万全のサポートにつなげています。

日々の記帳方法や経理処理についても、私たち税理士法人加美税理士事務所は調剤薬局に最適化された手法を把握しています。売上や経費の科目設定ひとつを取っても、薬局業界の実態に合わせた会計処理を行うことで、帳簿の信頼性が高まります。例えば、保険調剤と市販薬販売で科目や消費税区分を分けて記帳することで、後から見直す際にも誤りを発見しやすくなります。当税理士事務所ではこのような最適な記帳フローの構築を支援しており、万一調査で修正が必要な箇所が見つかった場合でも、適切な修正仕訳や追加書類の作成までスムーズに実行可能です。また、2023年施行のインボイス制度（適格請求書保存方式）への対応など、新しい制度変更にも柔軟に適応した経理サポートが可能です。単なる助言にとどまらず、実務面で手を動かすサポートができる点も当税理士事務所の強みとなっています。

税務調査が無事に終了した後も、私たち税理士法人加美税理士事務所のサポートは続きます。調査で明らかになった課題や改善点を踏まえ、今後の節税対策や経営改善につながるアドバイスをご提供します。例えば、これまで見落としていた経費の計上漏れを是正したり、交際費・役員報酬の適切な見直しによる節税余地を検討したりと、調査後だからこそできる最適策を一緒に考えます。また、在庫管理や収支バランスの改善など、調剤薬局の事業運営面でプラスとなる提案も行います。税務面に限らず経営全般を視野に入れたトータルサポートを受けられる点も、当税理士事務所に依頼する大きなメリットです。

税理士法人加美税理士事務所は東京（銀座）に拠点を置いておりますが、フルリモート対応により全国どちらの地域の薬局経営者様でもサポート可能です。Zoom等のオンライン会議システムやクラウドストレージを活用し、距離を感じさせないスムーズなコミュニケーションを実現します。実際の税務調査においても、必要に応じてオンラインでの調査立会いに対応しており、遠方のお客様でも安心してご依頼いただけます。移動の手間が不要なぶん日程調整もしやすく、「忙しくて時間が取れない」という経営者様からも好評です。全国各地からのご相談に対応してきた経験を活かし、地域を問わず質の高いサービスをご提供いたします。

私たち税理士法人加美税理士事務所には、医療・調剤業界の税務に精通した税理士が在籍しており、調剤薬局専門税理士として蓄積した豊富なノウハウがあります。個人開業の小規模薬局から多店舗展開する調剤チェーンまで、様々な規模・形態の薬局を支援するための体制が整っており、それぞれのケースに合わせた対応力を培ってきました。医療系の制度や薬局経営の特殊性（調剤報酬の仕組みや保険請求の流れなど）についても理解が深いため、税務面でも安心してお任せいただけます。業界に特化した専門知識と経験に裏打ちされたアドバイスにより、どんなご相談にも的確に対応できる点が、当税理士事務所のサポートが選ばれる大きな理由の一つです。

税務調査では、経費の過大計上や私的費用の混同など、さまざまなポイントが指摘対象になり得ます。税理士法人加美税理士事務所はそうした税務リスクを熟知しているため、事前に決算書や帳簿類を細かくチェックし、問題となりそうな箇所を洗い出します。例えば、他の薬局と比べて利益率が異常に低くないか、在庫の評価方法に不備がないか、役員給与やご家族への給与設定が適正な範囲か、といった点を総合的に点検します。事前の対策によって税務署からの指摘を未然に防止できるのはもちろん、万一調査官から質問や指摘を受けた場合にも、充分な準備に基づいて適切な説明・資料提示を行うことで、不当な経費否認や追徴課税を避ける確率が高まります。税務リスクを踏まえたアドバイスにより、安心して経営に臨める環境を整えます。

複数店舗を展開されている場合でも、私たち税理士法人加美税理士事務所なら各店舗ごとの支店別会計データやグループ全体の財務状況を正確に把握したうえで調査対応が可能です。店舗ごとの売上・経費・在庫データを整理・分析し、調査官から店舗別の詳細な質問があっても迅速に対応できます。多店舗展開の薬局では帳簿や書類の量も膨大になりますが、経験豊富な税理士がポイントを押さえて必要資料を過不足なく準備しますので、複雑な財務分析も万全です。むしろ、店舗ごとの採算や経費構造を把握することで、調査対応のみならず経営改善のヒントも得られるでしょう。こうした対応力の高さにより、全国でチェーン展開する薬局経営者様にも安心してサービスをご利用いただいています。

多店舗展開について詳しくは下記のページをご覧ください。

調剤薬局では弥生会計など市販の会計ソフトを使って経理を行っているケースが多く見られます。税理士法人加美税理士事務所は弥生会計をはじめ、勘定奉行といったデスクトップ型ソフトから、freee・マネーフォワードクラウドといったクラウド会計ソフトまで、あらゆる会計ソフトに対応可能です。そのため、お客様がお使いのソフトから過去の会計データをスムーズに確認・抽出でき、税務調査時に求められる資料提出も迅速に行えます。実際に、総勘定元帳や仕訳帳のデータ出力、証憑類のスキャン保存データの準備などもお任せいただけます。ソフトの操作に不慣れな方でも心配不要で、現在の経理体制をそのまま活かした形でサポートできる点も当税理士事務所の強みです。

税務調査で追徴課税が発生し修正申告を行った後は、予想外の納税負担によって資金繰りが苦しくなるケースもあります。税理士法人加美税理士事務所では、そのような場合にもキャッシュフローの改善や資金繰りの見直しについてしっかりとサポートいたします。急な納税に対応するため、税務署への延納や分割納付の申請手続き、必要に応じた金融機関からの融資検討など、経営を安定させる具体策をご提案します。また、将来の納税に備えた資金計画の立案や、節税効果のある設備投資の検討支援など、中長期的な視点でのアドバイスも可能です。税務面だけでなく「お金の流れ」全体を踏まえたコンサルティングにより、調査後も安心して事業を継続していただけます。

私たち税理士法人加美税理士事務所は、調剤薬局の開業支援や法人化支援にも力を入れており、開業時の各種届出提出から会社設立手続きまで幅広くサポートしています。その後の税務顧問や決算申告業務はもちろん、いざ税務調査となった際にも同じ担当者が一貫して対応できるため安心です。事業のスタートから成長過程、そして調査対応まで、継続して関与している税理士だからこそ会社の状況を把握した上で最善の対策を講じることができます。例えば、個人事業から法人成りをされたケースでも、その経緯を理解して帳簿の引継ぎや税務上の留意点を管理していますので、後々調査が入っても戸惑うことがありません。ワンストップかつ一貫体制でサポートできる当税理士事務所の総合力も、調剤薬局経営者様に選ばれる理由の一つです。

法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

私たち税理士法人加美税理士事務所では初回無料相談を実施しておりますので、税務調査の有無にかかわらず調剤薬局の税務・経営に関するお悩みを気軽にご相談いただけます。「まだ調査は来ていないが今のうちに備えたい」「自分の経理処理に不安がある」といった段階でも遠慮なくお問い合わせください。無料相談にて現在の状況やお困りごとを丁寧にヒアリングし、必要な対策やサービス内容をご提案いたします。もちろん、ご相談いただいたからといって必ず依頼いただく必要はございませんので、情報収集の場としてお気軽にご活用ください。経営者様に寄り添ったこのような体制も、当税理士事務所が多くの方に選ばれる理由となっています。

なお、私たち税理士法人加美税理士事務所では明確で良心的な料金体系を採用しておりますので、費用面でも安心してサービスをご利用いただけます。まずは無料相談にて、調剤薬局の税務に関するお悩みをお聞かせください。税務調査に強いパートナーとして、皆さまの調剤薬局経営を全力でサポートいたします。