開業資金の不安も、帳簿付けの悩みも。一人で抱えず、学習塾の青色申告に詳しい税理士にご相談を。
学習塾・個別指導塾専門の税理士が解説!青色申告ガイド
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学習塾や個別指導塾を営むなら、断然青色申告がおすすめです。最大の理由は、青色申告特別控除による65万円の所得控除を受けられる点です。青色申告を行うと、所得(もうけ)から最高65万円を差し引くことができるため、結果的に所得税や住民税、国民健康保険料まで安くなるという大きな節税効果があります。例えば課税所得に対する税率が20%のケースでは、65万円の控除で約13万円もの所得税が軽減される計算です(さらに住民税も一律10%のため約6万5千円軽減されます)。これは、売上から必要経費を引いた後にさらに65万円を引けるイメージで、塾経営者にとって見逃せないメリットです。
なお、この控除は「税金が65万円安くなる」わけではなく、「所得が65万円減ることで結果的に税金が安くなる」点に注意しましょう。それでも青色申告特別控除65万円は節税対策として非常に強力です。加えて、青色申告には他にも様々な優遇措置があります:
- 家族への給与を経費にできる: 配偶者やお子さんなど、ご家族が塾の仕事を手伝っている場合、「青色事業専従者給与」の届出をして適正な給与を支払えば、その金額を必要経費にできます。例えば奥様に事務を手伝ってもらい月5万円の給与を支払えば、年間60万円を経費計上でき、その分所得を減らせます。
- 30万円までの少額減価償却資産を一括償却: パソコンや教材棚など、塾で使う備品類は通常10万円以上だと資産計上して数年かけ減価償却します。しかし青色申告なら単価30万円未満の設備投資はその年の経費に一括計上可能です(少額減価償却の特例)。例えば20万円のプロジェクターを購入した場合、青色申告者であれば購入年に全額を必要経費にでき、税負担を先送り・軽減できます。塾運営では教材の購入や教室設備の導入も多いでしょうから、嬉しいメリットです。
- 赤字の3年繰り越し: 万一塾の経営が赤字(損失)になってもご安心ください。青色申告なら、その年の赤字を最長3年間繰り越して、翌年以降の黒字所得と相殺することが可能です。開業まもない時期や、生徒数が安定しない年度など赤字になっても、後年に利益が出た際に税負担を軽減できます(白色申告にはこの繰越制度がありません)。
このように青色申告は節税効果の高いメリットが満載です。一方で、これらの特典を受けるためには正式な帳簿作成(複式簿記)や事前の申請手続きが必要となります。しかしご安心ください。塾・スクール業を営む多くの個人事業主が青色申告を選択しており、「帳簿が難しそう…」という心配以上に得られるメリットが大きいのです。次の章から、その青色申告を始めるための準備や具体的な経理ポイントについて詳しく見ていきましょう。
豆知識: 白色申告と青色申告の選択状況
かつては帳簿の簡単な白色申告を選ぶ人も多くいましたが、現在では青色申告者の方が圧倒的に多くなっています。白色申告でも事業所得があれば帳簿付け自体は必要(平成26年以降、白色申告も記帳義務があります)ですが、青色申告には記帳の手間を上回る税制上の恩恵があるためです。「青色申告=お得」と覚えておきましょう。
※さらに詳しい節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。
青色申告のメリットを享受するには、事前の届出と日々の帳簿付けが欠かせません。特に新しく学習塾を開業する場合、開業時点でいくつかの書類提出と準備を行っておくことで、後から「青色申告にしておけば良かった…!」と後悔せずに済みます。この章では、塾開業時に必要な届出と、帳簿・記帳体制の構築について解説します。最初にしっかり準備しておけば、年度末の確定申告もスムーズに進み、65万円控除の節税効果をフルに受けられます。それでは順を追って確認しましょう。
まず、学習塾や個別指導塾を新規開業したら速やかに行うべき届出が2つあります。ひとつは「個人事業の開業・廃業等届出書」(いわゆる開業届)、もうひとつが「所得税の青色申告承認申請書」です。
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書):事業を開始した旨を税務署に知らせるための書類です。税務署への提出期限は開業日から1か月以内とされています。学習塾を自宅やテナントで始めたら、まずこの開業届を提出しましょう。提出自体は義務ですが、仮に多少遅れて提出しても罰則はありません。しかし、各種税務手続きに関連する大事な書類なので、早めに提出するに越したことはありません。
- 青色申告承認申請書:青色申告を行いたい場合、事前に税務署長の承認を受ける必要があります。そこで提出するのがこの申請書です。新規開業の場合、提出期限は少し特殊で、開業日から2か月以内(1月1日~1月15日に開業した場合はその年の3月15日まで)と定められています。例えば4月10日に開業したら6月9日が期限です。この期限を1日でも過ぎると、その年は青色申告ができず白色申告になってしまいます。65万円控除の節税効果を初年度から享受するためにも、忘れず期限内に提出しましょう。開業届と同時に青色申告承認申請書も提出しておけば、提出漏れによる機会損失を防げます。
書類の提出先は納税地(通常は事業所所在地)を管轄する税務署です。提出方法は、窓口への持参のほか、郵送や電子申請(e-Tax)でも可能です。提出自体に費用はかかりませんのでご安心ください。記載内容も氏名や事業概要、会計年度など基本的な項目のみで難しくありません。不安な場合は税理士に相談すれば記入のポイントを教えてもらえます。
内部リンク: 開業に伴うその他の手続きや届出について詳しく知りたい方は、当税理士事務所の「開業支援」ページも併せてご覧ください。
青色申告を始めるにあたり、帳簿(会計記録)の準備も重要です。青色申告では複式簿記による正規の帳簿作成が原則となります。とはいえ、近年は会計ソフトの発達により、簿記の専門知識がなくても比較的容易に帳簿付けができる環境が整っています。以下のポイントを押さえて、無理のない記帳体制を構築しましょう。
- 会計ソフトの活用: 手書きで仕訳帳や総勘定元帳を作成するのは大変です。市販の会計ソフトやクラウド会計サービスを利用すれば、取引内容を入力するだけで自動的に仕訳を切ってくれます。例えば「やよいの青色申告オンライン」やfreee(フリー)、マネーフォワード クラウド確定申告などは、青色申告決算書や申告書類の作成機能も備わっており初心者にも使いやすいです。簿記の知識がなくてもガイドに従って入力すれば確定申告書まで作成可能なので、積極的に活用しましょう。
- 記帳のタイミング: 領収書や売上の記録は溜め込まず、定期的(月次または週次)に記帳する習慣をつけましょう。学習塾経営は授業準備や生徒対応で忙しく、つい経理を後回しにしがちです。しかし一年分を申告直前にまとめて処理するのは膨大な作業になります。例えば毎月末や授業の合間に1時間だけ経理タイムを設け、入出金を記録するようにすると、年度末にも慌てずに済みます。
- 領収書・請求書の保管: 経費の根拠となる領収書やレシート、請求書は必ず保存しましょう。青色申告では原則として保存義務があり、税務調査の際に提示を求められることもあります。紙のまま保管するほか、スキャンして電子データで保存しておけば検索も簡単です(スキャナ保存には一定の要件があります。)。最近はスマホでレシートを撮影してクラウド保存できるアプリもありますので、上手に活用してください。
- 専門家へのアウトソーシングも検討: 「会計ソフトを使ってみたけど仕訳が分からず挫折しそう…」という場合は、記帳代行サービスの利用も検討しましょう。税理士事務所に依頼すれば、領収書や通帳コピーを渡すだけで日々の仕訳記帳から決算書作成まで代行してもらえます。「本業(教えること)に専念し、経理はプロに丸投げ」という選択肢も、忙しい塾経営者にとっては有効です。
青色申告を行うにあたって、日常の経理処理で特に注意したいポイントをまとめます。「経費の仕訳」「家事按分(プライベートと事業の費用按分)」「給与計算と源泉徴収」といった項目は、学習塾のような小規模事業でも間違いやすい部分です。正しく処理することで、経費漏れや申告ミスを防ぎ、結果的に節税にもつながります。それぞれ順番に見ていきましょう。
仕訳とは、一つひとつの取引(お金の出入り)を帳簿に記録する際に、内容を勘定科目に分類して貸方・借方に分けて記録することです。そして勘定科目とは、取引の内容を分かりやすく分類するための項目(科目)のことを指します。青色申告ではこの仕訳作業と科目選択が毎日の経理の基本となります。
学習塾の経営で日常的に発生する取引において、主に使われる代表的な勘定科目を押さえておきましょう(※会計ソフトを使う場合、選択肢として表示されます)。以下に一例を挙げます。
- 売上高(収益): 授業料、月謝、入塾金、教材費収入など、お客様から受け取る授業料等は基本的にこの科目です。月謝を現金で受け取った場合は「(借方)現金/(貸方)売上高」、銀行振込なら「(借)普通預金/(貸)売上高」という仕訳になります。
- 仕入高(費用): 生徒に販売する目的で購入した教材の仕入れ代は「仕入高」で処理します。ただし、生徒に配布するプリント代など販売目的でない教材費は「消耗品費」や「雑費」で計上する場合もあります。
- 地代家賃(費用): 教室として借りている物件の家賃や駐車場代です。共益費や管理費も含めて計上します。自宅兼教室の場合は按分計算後の事業用部分の家賃を計上します(後述の家事按分参照)。
- 水道光熱費(費用): 教室で使用する電気代、水道代、ガス代などです。夏場の冷房費や冬場の暖房費も含めます。自宅と共用の場合は按分計算します。
- 通信費(費用): 電話料金やインターネット利用料、郵便切手代など通信にかかる費用です。最近はオンライン授業のために高速ネット回線を引くケースも多いでしょう。それも事業用であれば通信費として経費計上できます。
- 消耗品費(費用): 文房具、コピー用紙、トナー、雑巾や掃除用具等の日用品、10万円未満の備品購入費などが該当します。学習塾ではホワイトボードマーカーやテキスト、消毒液など様々な消耗品がありますが、それらはまとめて消耗品費で構いません。
- 工具器具備品(資産): パソコン、コピー機、机・椅子、エアコン等、1個10万円以上の備品を購入した場合は「資産」として計上します。これらは耐用年数にわたり減価償却という形で毎年経費計上します(青色申告なら30万円未満は当年一括経費可)。例えば35万円のコピー機はこの科目で資産計上し、耐用年数(例:5年)で割って毎年減価償却します。
- 広告宣伝費(費用): 新聞折込チラシの印刷代・配布代、ポスティング費用、ウェブ広告出稿費、看板制作費など、塾の宣伝にかかった費用です。近年はSNS広告やウェブサイト制作費も増えていますが、いずれも広告宣伝費で処理します。
- 交通費(費用): 業務で移動する際の電車・バス代、講師の通勤手当、出張時の交通費・宿泊費等です。生徒募集のため学校訪問した際の交通費なども含め計上できます。出張手当やガソリン代、高速道路料金も業務用途であれば交通費です。
- 給与手当(費用): 非常勤講師など従業員に支払う給料がある場合は「給与手当」で処理します。毎月のアルバイト講師への給料総額(源泉所得税控除前の額)を計上します。賞与(ボーナス)を支給した場合もここに含めます。
- 外注費(費用): 講師を従業員ではなく業務委託(外注)として雇っている場合の支払報酬は、「外注工賃」や「支払報酬」として計上することもあります。科目名はどちらでも構いませんが、自社スタッフの給与と区別して経理処理します。
- 福利厚生費(費用): 従業員に支給する福利的な費用(お茶やコーヒー代、従業員研修費、健康診断費用など)があれば福利厚生費です。アルバイト数名規模の塾では該当が少ないかもしれませんが、覚えておきましょう。
- 雑費(費用): 他の科目に分類しにくい細かな支出は雑費にまとめます。例えば観葉植物の購入費、ゴミ処理代やクリーニング代など少額で頻度も少ない支出です。あまり何でも雑費に入れすぎると経営分析がしにくくなるので、基本は上記の適切な科目に仕訳し、どうしても当てはまらないものだけ雑費にしましょう。
- 事業主貸…事業用の資金や預金をプライベートで使用した場合に使います。例えば事業用口座のお金を生活費に充てて引き出した場合、「(借方)事業主貸/(貸方)現金○○円」として処理します。事業のお金を個人が借りた(貸し付けた)イメージです。事業主貸は損益計算書上は経費ではなく、資産のマイナス(引出)として扱います。
- 事業主借…個人の資金で事業の支払いを立替えたり、事業用口座に個人資金を入れた場合に使います。例えばプライベートな財布から教室備品を購入したら、「(借)消耗品費○○円/(貸)事業主借○○円」と仕訳します。個人が事業にお金を貸した(立替えた)イメージです。これも経費ではなく、貸借対照表上で調整する科目です。
科目選択のコツ: 「備品の購入金額が10万円を超えるかどうか」など、勘定科目の判定基準はいくつかあります。例えば「同じパソコンでも10万円以下なら消耗品費、超えれば工具器具備品(資産)」となります。また一見同じような支出でも科目が違うケースがあります。例として「看板」は種類や設置費用によって「広告宣伝費」になる場合と「建物附属設備(資産)」になる場合があるのです(※後者は高額な電飾看板など)。経理に慣れないうちは迷うことも多いですが、科目に厳密な正解は一つではない場合もあります。大切なのは一貫性を持って正しく分類し、根拠を残すことです。科目選択に迷ったら税理士に相談し、科目設定の方針を決めておくと良いでしょう。
自宅の一部を教室や事務所として使っている塾経営者の方は、「家事按分」という考え方を理解しておきましょう。家事按分とは、プライベートと事業で共用している費用を合理的な基準で按分(分ける)して経費計上することです。具体的には、自宅兼教室の場合に発生します。
- 教室を別に借りている場合:自宅とは別に教室専用の物件を賃借しているケースでは、その物件に支払う賃料や光熱費等は全額が事業経費となります。プライベート利用が一切ないため、按分の必要はありません。
- 自宅を教室として使用している場合:自宅の一部(例: リビングや一室)を教室や塾の事務スペースとして使っている場合は、家事関連費を按分計算して経費に計上します。具体的には、以下のような費用が対象となります。第三者が見ても合理的と考えられる基準で按分しましょう。
- 家賃・住宅関連費:自宅が賃貸の場合、家賃や共益費、更新料、火災保険料等が按分対象です。按分割合は、教室として使う部屋の面積比や部屋数比で決める方法が一般的です。例えば自宅80㎡のうち教室に20㎡使っているなら「20/80=25%」を事業利用割合として、家賃等の25%を経費計上します。なお、敷金(保証金)は預け金であって費用ではないため経費にはできません。
- 水道光熱費:電気代、水道代、ガス代などの水道光熱費も、事業利用分だけ経費にします。按分割合は、先ほどの面積比に加えて使用時間も考慮するとより正確です。例えば日中8時間だけ教室利用し残りは家庭用であれば、面積比×利用時間比で按分します(厳密すぎる必要はありませんが、論理的な説明ができる基準を用いましょう)。エアコン代なども同様です。
- 電話・通信費:自宅の固定電話やインターネット回線を事業と共用している場合も按分が必要です。通話記録や通信の用途から、事業利用の度合いを見積もります。例えば携帯電話を仕事兼プライベートで使うなら、通話履歴から半分は生徒・保護者対応といった具合に利用頻度ベースで按分します。
- 持ち家の場合:自宅が持ち家である場合は、家賃はありませんが住宅の減価償却費や固定資産税等が按分対象となります。例えば持ち家の延床面積の20%を教室利用しているなら、建物の減価償却費の20%・固定資産税の20%を経費計上できます。同様に住宅ローンの利息部分(元金返済は経費不可)や火災保険料なども按分可能です。住宅ローン返済額は元金と利息を分け、利息について事業割合を経費算入しましょう(元金は資産の返済であり経費ではありません)。
按分割合の根拠は人によって様々ですが、「床面積割合」や「使用時間割合」は代表的な基準です。税務調査で確認されることもありますので、算出根拠(間取り図に色分けするとか、簡単な計算メモを残す等)を用意しておくと安心です。「自宅全体が仕事みたいなものだから全部経費でいいだろう」といった無茶な主張は通りませんので注意してください。あくまで事業で使っている部分のみを経費計上するという原則を忘れないようにしましょう。
例:自宅の一室を教室にしている場合の按分計算
50㎡2LDKの賃貸マンションの一室(10㎡の洋室)を教室兼事務スペースに利用している塾経営者Cさんの場合。面積比は10㎡/50㎡=20%。そこで毎月の家賃8万円、管理費5千円、電気代1万円、水道代2千円について、それぞれ20%を事業経費に算入しています。具体的には家賃1.6万円・管理費1千円・電気代2千円・水道代400円が経費です。残りはプライベートな費用として除外します。これにより経費計上額は合理的で、万一確認があっても「契約面積の2割が教室なので、各費用2割を計上しています」と説明できます。
学習塾を運営していると、生徒数の増加に伴いアルバイト講師やスタッフを雇うケースが出てきます。塾長一人ですべての授業を担当するのが難しくなれば、大学生など非常勤の講師を迎えることもあるでしょう。その際に注意すべきが給与計算と源泉徴収の手続きです。
1. 給与支払事務所等の開設届の提出: 従業員(アルバイトを含む)に給与を支払う場合、事業開始時の届出とは別に「給与支払事務所等の開設届出書」を提出する必要があります。これは「うちで給与を支払う従業員がいます」という申告で、給与支払者(源泉徴収義務者)になることを税務署に知らせる手続きです。開設から1ヶ月以内が提出の目安です。この届出により、税務署は毎月の源泉徴収税の納付状況を管理します。
2. 給与計算と控除項目: アルバイト講師とはいえ給与計算は企業の従業員と基本同じです。毎月の勤務時間やコマ数に応じて給与額を計算し、そこから所定の控除を引いて手取り額を支給します。控除項目には源泉所得税と場合によっては雇用保険料(労働保険に加入していれば)等があります。社会保険(健康保険・厚生年金)は一般に正社員や一定の勤務条件を満たすパートに適用されますが、小規模事業で学生アルバイトのみなら対象外の場合も多いでしょう。
3. 源泉所得税の計算方法: アルバイトとはいえ給与からは所得税の源泉徴収を行う義務があります。具体的な計算方法は、そのアルバイトが扶養控除等申告書を提出しているか否か、給与額がいくらかによって変わります。
- 扶養控除等申告書を提出済みの場合(多くは塾のアルバイトが本業・メインの収入源となるため提出します): 所得税額は国税庁の「源泉徴収税額表」に基づき給与額と扶養親族の数に応じて算定します。たとえば月額給与が8.8万円以下なら所得税は0円(非課税)です。学生アルバイトで月数万円のケースでは該当することも多いでしょう。給与額が上がるにつれて徐々に数百円~数千円の所得税が引かれる計算になります。
- 扶養控除等申告書が未提出の場合(掛け持ちや副業の場合など): 一律で給与額の甲欄相当分を10.21%の税率で源泉徴収します。10.21%とは所得税10%+復興特別所得税0.21%で、申告書未提出者や二ヶ所以上から給与をもらう人の副業分給与に適用されます。このケースでは給与が少額でも原則税率通り差し引く決まりです(年末調整や確定申告で精算されます)。
4. 源泉徴収した所得税の納付: 給与から差し引いた源泉所得税は、原則として給与を支払った月の翌月10日までに税務署へ納付しなければなりません。例えば4月分給与から天引きした源泉税は5月10日までに納めます。納付方法は所定の振替納付書を使って金融機関から支払うか、e-Taxを利用して電子納税も可能です。これを怠ると、不納付加算税や延滞税といったペナルティが課されることがありますので注意しましょう。
- 納期の特例: 従業員が常時10人未満の事業所であれば、「源泉所得税の納期の特例」の届出を行うことで、源泉税の納付を年2回(1月と7月)にまとめて行うことも可能です。この特例を使うと、1~6月分を7月10日までに、7~12月分を翌年1月20日までに納付すればよくなり、小規模事業者の事務負担軽減になります。学習塾のように少人数で運営している場合は積極的に活用すると良いでしょう。ただし、講師を外部委託(業務委託契約)している場合の報酬にかかる源泉所得税は、この特例の対象外なので毎月納付が必要です。
5. 給与明細と年末調整: アルバイト講師にも毎月給与明細書を交付して、支給額・控除額を明示しましょう。また、その年の最後の給与支払時には年末調整を行います(アルバイト先が1ヶ所のみの場合)。年末調整ではその年の所得税額を再計算し、源泉徴収し過ぎていれば還付、不足なら徴収します。学生アルバイトの場合、扶養内で働いていれば年末調整で全額還付となるケースもあります。年末調整後は「源泉徴収票」を作成し、本人と税務署、市町村に提出します。
ポイント: 給与計算・源泉税処理は毎月発生するうえ、税率表の適用など少し複雑です。誤ると従業員にも迷惑がかかるため、自信がなければ税理士や社労士にアウトソーシングするのがおすすめです。例えば当税理士事務所では、アルバイト講師さんの給与計算や源泉税納付額の算定・納期管理までサポート可能です。給与明細の作成や年末調整・法定調書の提出代行も行いますので、塾長先生は本業に集中できます。
日々の帳簿付けができたら、年度末にはいよいよ確定申告書の作成です。青色申告の場合、提出する主な書類は確定申告書B様式(第一表・第二表)および青色申告決算書(貸借対照表・損益計算書を含む)となります。これらを正しく作成し、申告期限までに提出・納税を行います。学習塾の個人事業主の確定申告概要と、便利な電子申告(e-Tax)について解説します。
1. 確定申告に向けた決算作業: 通常、1~12月分の全取引を集計し決算書を作ります。売上総額、経費総額を算出し、差し引きでその年の事業所得(金額)を確定します。会計ソフトを使っていれば、入力データから自動計算で損益計算書(収支のまとめ)と貸借対照表(年末時点の財政状態)が出力できます。これを基に青色申告決算書という4ページの書類に転記(もしくはソフトが自動作成)します。
2. 確定申告書Bの作成: 決算書で求めた事業所得の金額を、確定申告書B第一表に転記します。他にも社会保険料控除や生命保険料控除など、該当する所得控除額を記入し、最終的な課税所得金額と所得税額を計算します。第二表には事業の種類(「学習塾業」等)や経費の内訳明細、源泉徴収税額、配偶者控除等の詳細を記載します。書き方に不安がある場合、国税庁の確定申告書等作成コーナー(ウェブ上の無料システム)を利用すると対話形式で入力でき便利です。
3. e-Taxによる電子申告の活用: 青色申告特別控除65万円をフルに受けるには、e-Taxで申告を行うことが条件となっています(※もう一つの要件は電子帳簿保存ですが、2024年以降は原則緩和されています)。e-Taxとは国税電子申告・納税システムのことで、インターネット経由で税務申告や納税ができる仕組みです。電子申告を利用すると、以下のような利点があります。
- 65万円控除の適用: 紙で申告書を提出した場合、青色申告特別控除は最大55万円止まりですが、e-Taxで電子申告すると控除額が10万円上乗せされ最大65万円まで受けられます。税制改正により、青色申告者には電子申告が強く推奨されている形です。
- 自宅から提出可能: 税務署に出向いたり郵送したりせず、自宅のパソコンからワンクリックで申告書を提出できます。忙しい塾経営者でも深夜や早朝に送信でき、受付は24時間対応です。郵送事故の心配もなく、提出後は受信通知メールで確認できます。
- ミスの軽減: e-Tax用の入力フォーム(前述の作成コーナーなど)では計算誤りがあればエラー表示されるなど、ヒューマンエラーを防いでくれます。添付書類の提出漏れも、自動チェック機能で防止されます。青色申告決算書の転記ミスなども起こりにくいでしょう。
- 還付がスピーディー: 税金が還付になる場合、電子申告の方が処理が早く、紙申告よりも早期に振り込まれる傾向があります。おおむね1〜2週間程度早まると言われています。
- 過去データの利用: 継続利用すれば前年データを引き継いで入力の手間を省けます。例えば住所氏名や控除の情報を引き継ぎ、修正点だけ直せばよいので効率的です。
e-Taxの始め方: 利用にはマイナンバーカードとICカードリーダライタ、もしくは税務署で発行するID・パスワード方式の利用登録が必要です。マイナンバーカード方式なら自宅PCからオンラインですべて完結します(カード取得とパスワード設定は事前に役所で行います)。ID・パスワード方式は税務署窓口で身分証を提示し発行してもらえば、こちらも自宅からネット送信できます。最近はスマートフォンからもマイナンバーカードを使って申告可能になり、ますます便利になっています。
4. 申告期限と納税: 個人事業主の確定申告期限は毎年3月15日です(3月15日が土日祝の場合は翌平日)。この日までに申告書を提出し、所得税の納付も済ませます。納税もe-Tax連携でインターネットバンキングやクレジットカード払い、またはコンビニ納付など様々な方法が選べます。青色申告の方は所得税だけでなく、住民税や事業税の申告も別途必要ですが、これらは確定申告書の情報が自治体に回るため改めて手続きする必要はありません(住民税は6月、事業税は8月以降に自治体から納税通知が来ます)。
5. 書面提出の場合: どうしても紙で提出したい事情がある場合は、控除額が55万円に減額となる点に留意しましょう。書面提出の場合でも、確定申告書Bと青色申告決算書の用紙一式を揃えて期限までに提出します。提出は窓口のほか郵送(消印有効)でも可能です。郵送提出の際は控えにも切手を貼った返信用封筒を同封すれば、受付印を押した控えを返送してもらえます。
プロからのアドバイス: 初めての青色申告では、e-Taxの設定や申告書の書き方に戸惑うかもしれません。事前に国税庁HPの「作成コーナー」で練習したり、税理士に相談してチェックしてもらうのも良いでしょう。税理士法人加美税理士事務所でも確定申告書の作成代行やチェックサービスを提供していますので、「65万円控除を確実に受けたいけど自信がない…」という場合はお気軽にご相談ください。e-Taxでの提出も含めフルサポートいたします。
生徒数が順調に増え経営が軌道に乗ってくると、次のステップとして事業拡大を検討する塾オーナーの方も多いでしょう。具体的には「教室を増やして店舗展開したい」「個人事業から法人化して会社組織にしたい」といった展望です。こうした段階では、これまでとは異なる税務戦略が必要になります。
個人事業の青色申告で培った経理体制や節税ノウハウは、もちろん今後も役立ちます。しかし、事業規模拡大に伴い新たに考慮すべき税務ポイントが出てきます。例えば、売上増により消費税の課税事業者になるタイミング、法人化による税率構造の変化、従業員増加による人件費管理や社会保険の適用、将来の事業承継まで視野に入れた計画などです。一つひとつ見ていきましょう。
個人で運営してきた塾を法人(株式会社や合同会社)にすることで、税務面・経営面に様々な変化があります。主なポイントは以下の通りです。
- 税率面の変化: 個人事業の所得税・住民税は利益が増えるにつれ超過累進税率(最大55%程度)で負担が重くなります。一方、法人税・地方法人税は中小法人なら年間利益800万円までは約15~19%、800万円超部分も約23%程度のフラットな税率です。法人住民税等を加味した実効税率でも約33%程度です。したがって、事業利益がある程度大きくなると法人の方が税負担が軽くなる場合があります。一般に「課税所得が年間500~900万円を超えると法人化メリットが出やすい」と言われますが、状況により異なります。塾の場合、教室数や生徒数が増え利益が拡大したら、一度税理士に法人成りのシミュレーションを依頼すると良いでしょう。
- 所得分散と経費枠の拡大: 法人化すると、経営者(元個人事業主)は会社から役員報酬という給与を受け取る形になります。役員報酬は法人の経費となるため、その分法人の利益を圧縮できます。さらに法人に家族を役員や従業員として迎えて給与を支払えば、家族への給与も法人の経費になります(個人事業でも専従者給与で経費化できますが、法人では金額や対象人数の制限が実質ありません)。例えば夫婦で学習塾を運営する場合、法人にしてご主人と奥様それぞれに給与を支給すれば、所得が分散され両者の所得税・住民税負担が軽減される効果が期待できます。
- 社会保険への加入: 法人になると、経営者自身も含め社会保険(厚生年金・健康保険)への加入が必須となります。個人事業では従業員5人未満なら社会保険は任意でしたが、法人は一人でも社員がいれば適用されます。社会保険料は会社と本人で折半負担となり、法人にとっては人件費増(経費)となります。社会保険加入により従業員の福利厚生は手厚くなりますが、コスト面では負担増となる点に注意が必要です。
- 経理・税務の手間: 法人化すると決算書や税務申告の内容が高度化します。法人税の申告は勘定科目も増え、損金不算入項目や減価償却の細かな規定など専門知識が必要です。また決算は年1回必ず行い、赤字でも法人住民税の均等割(7万円程度)が発生します。ただ、逆に言えば青色申告の延長でしっかり経理していれば問題なく対応可能ですし、税理士に顧問を依頼すれば煩雑さは格段に軽減されます。当税理士事務所でも100社以上の法人化支援実績がありますので、スムーズに会社設立~会計体制移行ができるようサポート可能です。
- 信用力や事業スケール: 税務直接の話ではありませんが、法人化することで銀行融資が受けやすくなったり、採用面で信用が高まるといったメリットもあります。事業承継(後述)もしやすくなるケースがあります。一方で代表取締役として法律上の責任も伴いますので、メリット・デメリットを踏まえて判断しましょう。
法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。
教室を2つ3つと増やす店舗展開を行う場合、経理上は部門別管理や資金繰り計画が重要になります。売上や経費を教室ごとに把握し、採算の良し悪しを分析することで的確な経営判断ができます。例えば「本校は黒字だが新規開校の分校は家賃負担で赤字」といった状況を早期に把握し、テコ入れ策を検討するといった具合です。会計ソフトにも部門別集計機能がありますので、店舗ごとに売上・経費を入力すると自動で教室別損益が出せます。
また、教室が増えると支出も増えますから、資金計画をしっかり立てる必要があります。新規物件を借りる際の敷金礼金や内装工事費、広告宣伝費など初期投資も発生しますし、講師を増員すれば人件費もかかります。これらを踏まえて事前に銀行から融資を受ける、補助金を活用する、自社利益を積み立てておく等の対策を検討しましょう。節税ばかり優先して現預金が減りすぎていると、いざという時の出店資金が不足する恐れもあります。税理士と相談しつつ利益とキャッシュフローのバランスを考えた節税策を実行することが大切です。
店舗展開について詳しくは下記のページをご覧ください。
事業が拡大すると忘れてはいけないのが消費税の問題です。個人事業主の場合、2年前の課税売上高(簡単に言えば年間の売上)が1,000万円を超えると、その翌々年から消費税の納税義務が生じます。学習塾・スクール業も例外ではなく、生徒数増加で年間売上が1,000万円を超えれば、やがて消費税の課税事業者として申告・納税が必要になります。
例えば、2023年の売上が1,200万円に達した場合、2025年分(2026年春申告分)から消費税を納める義務が発生します。消費税率は現在10%(一部8%)ですので、生徒からお預かりした授業料の中に含まれる消費税相当額を税務署に納めなければなりません。ただし、同時に自分が支払った経費に含まれる消費税(仕入税額)は控除できます。納める額=受け取った消費税-支払った消費税という計算です。塾の場合、人件費などの経費は非課税・不課税だったり消費税を含まないものもありますので、思った以上に納税額が大きくなるケースもあります。早めに試算し、必要なら受講料の値付けを見直す、経費計上を適切に行うなどの準備をしておきましょう。
また、令和5年10月から始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)にも触れておきます。インボイス制度とは簡単に言えば、「適格請求書(所定の項目を記載した請求書)」を発行・保存している場合のみ仕入税額控除を認める新しい制度です。適格請求書を発行できるのは消費税課税事業者として税務署に登録した事業者に限られます。では、学習塾の場合インボイスへの対応はどうなるでしょうか。
- 生徒(顧客)が消費者の場合: 学習塾の授業料は生徒や保護者という一般消費者が支払うのが通常です。この場合、相手方はそもそも消費税の仕入控除とは無縁(消費者は税を負担するだけ)なので、インボイス発行事業者でなくても取引上問題は生じません。極端に言えば、売上1,000万円以下で免税事業者のままなら、生徒側から「インボイスが欲しい」と言われるケースはまずないでしょう。
- 取引先が法人・事業者の場合: 例えば企業から社員研修の講習を受託する、大手予備校の下請けで講座を担当する、といったBtoB取引がある場合は注意が必要です。取引先は自社が払った費用の消費税を控除したいため、こちらがインボイス発行事業者かどうかを気にします。免税事業者のままだと適格請求書を発行できず、取引先にとって仕入税額控除ができない=コスト増になります。その結果、「インボイス発行事業者でない塾とは取引しない」となる可能性もゼロではありません。事業者相手の取引がある塾経営者の方は、売上規模に関わらずインボイス登録を検討した方が良いでしょう。
- 免税事業者から課税事業者になる際の特例: インボイス開始に伴い、免税事業者が課税事業者になるケースも増えています。ただ、課税事業者になると消費税納税の負担が急に増すため、2割特例などの救済措置も用意されています。たとえば簡易課税制度選択時において売上税額の2割だけ納税すれば良いという特例(2023~2025年適用)がそれです。学習塾はサービス業なので簡易課税の業種区分は第五種(みなし仕入率50%)ですが、2割特例を使えば納付税額をかなり抑えられます。インボイス対応で課税事業者を選択する場合、こうした制度も活用しましょう。
- 経費側の対応: 塾が自社で支払う経費についても、相手がインボイス発行事業者かどうかで扱いが変わります。例えば教室物件の家賃に消費税がかかっており、大家さんが免税事業者(インボイス未登録)だと、その家賃の消費税相当額は控除できません。講師に業務委託で報酬を払っている場合も、講師が個人で未登録なら同様です。ただし2029年までは経過措置があり、段階的に控除可能額が減る仕組みです。いずれにせよ、自分が支払う側についても取引先のインボイス対応状況を把握し、必要に応じてコスト計算を見直しましょう。
以上のように、事業拡大局面では消費税とインボイスへの対応準備が欠かせません。特に売上1,000万円前後の方は、「まだ免税だから関係ない」と油断せず、早めにシミュレーションしておくと安心です。税理士法人加美税理士事務所では、塾経営者の方へ向けて消費税申告やインボイス制度の相談も受け付けています。「うちは登録すべき?」「価格設定をどうすれば?」など疑問があればお気軽にご相談ください。
消費税やインボイス制度の詳細については消費税の解説ページでも取り上げていますので、ぜひご覧ください。制度の基礎や具体的な対応策について詳しく説明しています。
ここまで青色申告のポイントから塾経営の税務戦略まで解説してきましたが、「結局、自分で全部やるのは大変そう…」「専門家に任せたい!」と思われた方もいるかもしれません。そんな方に朗報です。税理士法人加美税理士事務所では、学習塾・個別指導塾専門の税務相談サービスを提供しており、青色申告の手続きや日々の経理、確定申告から税務戦略までトータルでサポートしています。しかも全国対応・フルリモートOKですから、どなたでもお気軽にご利用いただけます。
「税理士に相談するなんて敷居が高い…」と感じる方もご安心ください。“気軽に相談できる税理士”をモットーに、チャットやZoom等を活用して皆さまをサポートいたします。ここでは当税理士事務所のサービス特徴と強みを、学習塾経営者の方目線でご紹介します。
税理士法人加美税理士事務所は全国どこでも対応可能です。東京・銀座の事務所を拠点に、インターネット会議システム(ZoomやGoogle Meet等)やメール、チャットツールを駆使して日本全国のクライアントとやり取りしています。実際、地方で授業を営む方や、海外在住で会社を運営する方まで、さまざまなお客様とリモートで繋がっています。
- オンライン相談の気軽さ: 「税理士に直接会いに行く時間がない」「近所に塾業界に詳しい税理士がいない」という場合でも、当税理士事務所ならPCやスマホからすぐに相談できます。例えば日中は授業で忙しい塾長先生でも、夜にZoomミーティングを設定して相談と資料共有を行うことも可能です。チャットツール(Chatwork、LINE等ご希望に合わせます)なら、ちょっとした疑問もテキストで気軽に質問でき、タイムリーに回答いたします。
- フルリモートでも安心感: 「顔が見えないと不安では?」と思われるかもしれません。しかし当税理士事務所では経験豊富な税理士が直接対応しますので、オンライン越しでも質の高いコミュニケーションを保証します。画面共有で帳簿を一緒に確認したり、クラウドストレージで資料の受け渡しをするなど、対面と遜色ないサポートを実現しています。むしろ「移動時間が省けて助かる」「困ったときにすぐ連絡できる距離感が良い」とご好評をいただいております。忙しい学習塾経営者様にピッタリの相談スタイルです。
「青色申告にしたはいいものの、帳簿付けも申告書作成もやっぱり苦手…」という方もご安心ください。当税理士事務所では記帳代行から決算・確定申告書の作成提出代行まで、一貫してお引き受け可能です。いわば経理・申告業務を丸ごとアウトソーシングできるサービスです。
- 記帳代行サービス: 日々の領収書整理や仕訳入力をすべて税理士事務所が代行します。お客様には月次で試算表などのレポートをお渡しし、経営状況を報告。例えば、「〇月は生徒募集の広告費が先月より〇万円増えましたが、このペースでも黒字を維持できています」など、数字に基づくアドバイスもいたします。青色申告特別控除を受けるための複式簿記もプロに任せれば完璧です。
- 確定申告サポート: 年度末の決算整理や減価償却計算、青色申告決算書・確定申告書の作成もすべてお任せいただけます。提出前に税理士が内容をしっかりチェックし、e-Taxでの電子申告まで代行します。もちろん65万円控除にも対応済みです。「毎年ギリギリになって焦っていた確定申告から解放された」「税務署からのお知らせが来ても怖くなくなった」といったお声もいただいています。
- 丸投げOK: 学習塾の先生方は教務や生徒対応で多忙です。経理・申告業務はプロに丸投げして本業に集中することが、結果的に塾の成長にも繋がります。特に青色申告初年度は不明点も多いでしょうから、無理に自力で抱え込まず、ぜひ専門家の力を活用してください。当税理士事務所はリーズナブルな料金体系でサービスを提供していますので、「相談したいけど費用が心配…」という方も安心してご利用いただけます。
前述の通り、アルバイト講師の給与計算や源泉徴収税額の管理は手間がかかり神経を使う業務です。税理士法人加美税理士事務所では、給与計算代行や年末調整手続きのサポートも行っています。具体的には、毎月のタイムカードやシフト表をご提供いただければ各講師の給与支給額と源泉所得税を算出し、給与明細を作成。源泉税の納付額と納付期限も管理しますので、うっかり未納でペナルティ…という事態を防げます。
- 源泉納付のフォロー: 納期の特例を適用している場合でも、1月と7月は半年分をまとめて納付しなければなりません。こうしたスケジュールも税理士が把握していますので、「◯月◯日までに○○円を納付してください」と事前にお知らせします。必要に応じて納付書の記入サポートもいたします。税務署への源泉所得税の届け出や各種変更届も代行可能です。
- 年末調整・法定調書: 年末のアルバイトさんの扶養控除申告書の回収から年末調整計算、源泉徴収票の発行、法定調書合計表の提出まで一連の業務をお任せいただけます。普段経理担当者がいない学習塾では、この年末調整事務がかなり負担になります。当税理士事務所がサポートすることで、漏れなく確実に処理し、アルバイト講師の皆さんにも適正な控除適用がなされます。
- 給与計算ソフト連携: 既に市販の給与ソフトや勤怠システムをご利用中であれば、そのデータを活用して効率よく計算します。初めて給与計算を行うという場合でも、当方で適切なシステムをご提案し導入支援することも可能です。
このように、人事労務の税務面まで含めたトータルサポートにより、個別指導塾の経営者様は安心して教室運営に集中できます。生徒募集や指導クオリティ向上など本業に注力し、煩雑な事務作業はプロに任せましょう。
会計ソフトの操作に不慣れな方もご心配なく。当税理士事務所の税理士・スタッフは主要な会計ソフトに幅広く対応しています。具体的には、弥生会計や勘定奉行などの定番デスクトップ会計ソフトから、freee(フリー)やマネーフォワードクラウドなど最新のクラウド会計まで、様々なソフトの経験・知識があります。
- 今お使いのソフトをそのまま利用: すでに自力で弥生会計などに入力している場合、「顧問を頼んだらソフトを変えないといけないの?」と不安かもしれません。当税理士事務所なら現在お使いのソフトを継続利用したままサポート可能です。データ共有の方法も、バックアップデータのやり取りからクラウド経由のリアルタイム共有までお客様のご要望に合わせます。「やよいの青色申告オンライン」で招待していただければ当方でもログインして確認・修正ができますし、freeeやMFクラウドでも税理士招待機能がありますのでご活用いただけます。
- ソフト導入のアドバイス: これから会計ソフトを導入する方には、事業規模やパソコンスキルに応じて最適なソフト選びをアドバイスします。「パソコンが苦手だからクラウドよりインストール型がいい」「Macしか持っていないのでクラウドにしたい」など、ご要望を伺い、操作方法も丁寧にサポートします。弥生会計などは使い方セミナーも開催経験がありますので、基本操作からお教えできます。
- 会計以外のIT活用もフォロー: クラウド会計と連動する経費精算アプリや売上管理システム等についての相談も歓迎です。例えば「月謝管理をExcelでやっているが効率化したい」「入出金を自動連携したい」等あれば、一緒に方法を考えましょう。塾専用の管理ソフトとのデータ連携についても柔軟に対応いたします。
ITに強い税理士が身近についていることで、経理のDX(デジタルトランスフォーメーション)もスムーズに進みます。クラウド会計を導入すれば領収書のスキャン保存や銀行明細の自動取り込みで劇的に業務効率が上がります。最新ツールを積極的に活用しつつ、煩雑な設定や初期登録は我々専門家が代行・支援しますので、安心してデジタル化に取り組んでください。
税理士に依頼するメリットは、単に帳簿を付けてもらうだけではありません。毎月の業績をタイムリーに把握し、節税や資金繰りまで見据えた経営アドバイスを受けられる点にあります。当税理士事務所では、記帳代行や顧問契約をいただいたお客様には月次試算表を作成して提供し、必要に応じてオンラインミーティング等で内容をご説明しています。
- 月次試算表で早めの対策: 月次試算表とは、その月までの累計の売上・経費・利益をまとめた損益計算書と、貸借対照表の概況を示す資料です。これを毎月見ることで、「今期は順調に利益が出ているから節税対策を考えよう」「昨年より広告費が増えているが売上につながっているか?」など、経営判断に役立つ情報が得られます。塾経営では新学期や長期休み前後で売上に波がありますが、月次で把握していれば資金繰りの計画(例えば閑散期前に融資枠を用意する等)も立てやすくなります。
- 節税対策のご提案: 月次の段階から利益予測を行い、効果的な節税策をアドバイスします。例えば「このままだと当期の利益がかなり出そうなので、年内に設備投資や必要経費を計上して税負担を抑えましょう」といった具体案をお伝えします。青色申告の65万円控除はフルに活用しつつ、さらに小規模共済や倒産防止共済への加入による所得控除、利益が大幅増なら法人化のタイミング検討など、経営者の状況に応じた節税策を検討します。短期的な節税と長期的な資金計画のバランスも重視し、将来の設備投資資金を貯めるためにあえて利益を出して納税する選択肢も含めてアドバイスします。
- 資金繰り・融資サポート: 学習塾の運営には教室物件の保証金や教材仕入費用などまとまった資金が必要な場面があります。当税理士事務所では顧問先の財務状況を把握していますので、金融機関から融資を受ける際の事業計画書作成支援や試算表・決算書のスムーズな提出サポートも行います。税理士から見て融資審査で評価されやすいポイントを押さえつつ、金融機関との円滑なコミュニケーションを後押しします。
- 経営全般の相談窓口: 数字にまつわることだけでなく、経営者の良き相談相手として寄り添います。「講師を社員登用すべきか悩んでいる」「新しい地域に進出すべきか」「将来的にフランチャイズ展開は可能だろうか」など、ぜひ気軽にご相談ください。私たちは税務・会計の専門家であると同時に、多くの中小企業経営者を支援してきた経験から、様々な視点でアドバイスが可能です。特に学習塾業界に精通しておりますので、業界特有の課題も踏まえて一緒に考えます。
税理士法人加美税理士事務所では、事業の始まりから成長、そして次世代への引継ぎまで一貫してサポートできる体制を整えています。学習塾専門を謳うだけあって、塾経営に関連するあらゆる局面で頼りになる存在でありたいと考えています。
- 法人化・会社設立支援: 前述の法人化メリットを踏まえ、いざ法人化する際にはワンストップで会社設立支援を行います。提携する司法書士と連携し、会社の定款作成から法務局への登記申請までスムーズに進めます。税務署や都道府県・市区町村への法人設立届、青色申告承認申請、給与支払事務所開設届なども漏れなく対応します。これまで100社以上の法人化支援実績がありますので、安心してお任せください。適切な法人化のタイミングや会社形態(株式会社か合同会社か)についてもアドバイスいたします。
- 税務署対応(税務調査含む): 長く事業を続けていると、税務署から税務調査(いわゆる査察・チェック)が入ることもありえます。個人の学習塾でも、売上規模が大きかったり経費計上が多岐にわたる場合には調査対象になる可能性があります。しかし、税理士がついていればいざという時も心強いです。当税理士事務所は税務調査の豊富な対応実績があり、事前のリスクチェックから調査当日の立会い、事後のフォローまでフルサポートします。遠方の場合でもオンライン会議システムで税務調査に立ち会うことも可能です。日頃から帳簿の整備状況をチェックしていますので、「ここは指摘されるかも」というポイントも事前にお伝えし、修正すべきは修正して臨みます。調査官とのやり取りも税理士が窓口になるため、経営者の心理的負担も大きく軽減されます。「もしもの税務調査が怖いからプロに任せている」というお客様も多いほど、税務署対応まで含めて任せられる安心感は税理士利用の大きなメリットです。
- 事業承継・相続対策: 学習塾を長年営んでこられた方の中には、「将来は息子に塾を継がせたい」「高齢になったら事業を畳むか売却したい」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。そうした事業承継の場面でも、税理士がお役に立てます。後継者へのスムーズな事業引継ぎのための財務整理、株式(法人化していれば)の評価・移転対策、相続税対策など総合的にサポートします。塾という事業の特性上、顧客(生徒・保護者)や講師との信頼関係を保ちながらの承継が重要です。単なる税金計算だけでなく、円滑なバトンタッチと承継後の経営安定まで見据えてアドバイスいたします。
- その他トータルサポート: 新規開校時の助成金・補助金情報提供、設備投資時の減税措置の活用、分校閉鎖や業態転換時の損失処理、廃業時の手続きなど、経営のライフサイクル全般にわたりフォローします。どんな些細なことでもまず税理士に相談していただければ、適切な専門家(社労士・司法書士・弁護士等)と連携して問題解決に当たります。「経営者の良きパートナー」として寄り添うのが当税理士事務所の信条です。
以上、学習塾・個別指導塾の経営者様向けに青色申告ガイドから税務戦略、税理士活用のメリットまで幅広くお伝えしました。塾運営において、税務・会計は確かに専門的で煩雑な部分ですが、本記事がお役に立ち「青色申告にチャレンジしてみよう」「税理士に相談してみよう」という前向きな一歩につながれば幸いです。私たち税理士法人加美税理士事務所は、皆さまのビジネスの強い味方としていつでもご相談をお待ちしております。「ちょっと聞いてみたい」という段階でも大歓迎ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。一緒に学習塾経営の発展をサポートさせていただきます!
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