税理士法人
加美税理士事務所

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開業融資・節税・法人化…税理士にしかできない支援が、あなたの学習塾経営に安心をもたらします。

税理士が学習塾の開業を支援します。事業計画、融資、帳簿付けの不安も丁寧にサポート。オンライン相談対応、初回無料相談あり。店舗展開や法人化も見据えた支援体制が整っています。会計ソフトなし、経理初心者の方にも安心の税理士法人加美税理士です。

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学習塾の開業を税理士が支援:融資・資金計画・税務手続きを徹底サポート

学習塾(いわゆる塾)を開業するにあたり、資金計画や各種届出、経理・税務など課題は山積みです。こうした「学習塾 開業 支援」において、信頼できるパートナーとなるのが税理士です。私たち税理士法人加美税理士事務所は、学習塾の開業融資や資金計画策定、税務手続きまでトータルにサポートいたします。本記事では、「学習塾 税理士」という視点で、学習塾開業時に税理士に依頼するメリットや、開業までの流れ、個人事業か法人設立の判断ポイント、さらに開業形態別(個人、小規模オンライン塾、アルバイト講師を雇う塾、法人運営の進学塾)の留意点について詳しく解説します。開業前の不安や疑問を解消し、読者の皆様が「今すぐ相談したい!」と思える情報をお届けします。

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学習塾を立ち上げる際、税理士にサポートを依頼すると様々なメリットがあります。税務や資金調達の専門家である税理士は、開業準備から運営開始後まで幅広く力になってくれます。ここでは、学習塾開業時に税理士に依頼する主なメリットを見ていきましょう。

個人で学習塾を開業する場合、税務署への開業届出書(個人事業の開業・廃業等届出書)を提出する必要があります。法律上、事業開始日から1か月以内に提出するのが原則です。提出が遅れても罰則はありませんが、青色申告の適用を受けるには開業から2か月以内に所定の手続きを行う必要があり、初年度から節税メリットを得るためにも早めの届出が望ましいです。さらに、個人事業主の場合は都道府県税事務所への事業開始申告書(地方税の開業届)も提出が必要です。自治体によって提出期限は異なり、例えば東京都では開業日から15日以内、神奈川県や千葉県では1か月以内などと定められています。この届出は提出しなくても罰則こそありませんが、正式には必要な手続きです。

税理士に依頼すれば、これら煩雑な開業時の各種届出をあなたに代わって正確に進めてもらえます。開業届や青色申告承認申請書の作成・提出はもちろん、必要に応じて都道府県への事業開始申告書も代行します。事業形態が法人の場合には、法人設立届出書や社会保険・労働保険の加入手続きなども発生しますが、その点も(社会保険労務士と提携している)税理士に相談すれば漏れなく対応可能です。専門家に任せることで書類不備や提出漏れを防ぎ、役所への手続きをスムーズに完了できます。特に初めて起業する方にとって、これら行政手続きの負担軽減は大きなメリットです。忙しい開業準備期間、書類作成や役所まわりに時間を取られることなく、本業の準備に専念できるでしょう。

学習塾の開業には、教室物件の敷金礼金、内装や設備投資、教材準備、広告宣伝費など様々な開業資金が必要です。その資金計画を立て、不足分を調達する際にも税理士のサポートは心強い味方となります。税理士は創業融資に関する専門知識と実績を持ち、金融機関から資金を借りやすくなるよう多方面で支援してくれます。

具体的には、日本政策金融公庫の創業融資を利用する場合、税理士がいることで審査通過率が格段に高まるといわれています。によれば、一般的な創業融資の全体審査通過率は50~60%程度ですが、税理士のサポートなしでは30~40%程度にとどまる一方、税理士が支援した場合の通過率は90%を超えるとの報告もあります(正式な統計ではありませんが、実務上広く認識されている数値です)。これは、実績ある税理士が説得力のある事業計画書の作成支援を行い、融資先(金融機関)の特徴を踏まえた的確な対策を講じられるためです。さらに税理士経由で申し込むことで、必要書類の準備が効率化され融資実行までのスピードが速まるケースも多くあります。税理士は日頃から財務数値を扱っているため、売上や経費の具体的な計画立案を手伝ってくれ、数字に裏付けられた信頼性の高い事業計画書を作成することが可能です。また融資の面談対策についても、経験豊富な税理士なら「どのような質問が来るか」「どんなポイントをアピールすべきか」といったノウハウを持っており、場合によっては融資面談に同席してもらえることもあります。

創業融資以外にも、国や自治体の補助金・助成金の情報提供や申請サポートも税理士に相談できます。例えば、小規模事業者持続化補助金や雇用関係の助成金など、適用できる制度がないか一緒に検討します。補助金・助成金は公募期間や要件が複雑ですが、税理士であれば最新情報を把握しており、申請書類の作成支援も期待できます。さらに、補助金を受け取った後の会計処理や税務申告についても税理士に相談できるため安心です。

このように、開業資金の調達段階から税理士のサポートを受けることで、資金繰りの不安を大きく軽減できます。事業計画書のブラッシュアップから融資先の選定アドバイス、融資後の資金管理まで、税理士は資金面の良きパートナーとなってくれるでしょう。

開業後、事業を継続していく上で避けて通れないのが日々の帳簿付け(記帳)と経理事務です。実は、規模の大小に関わらず事業を行う人には帳簿の記帳・保存が法律上義務付けられており、これは白色申告者(青色申告をしていない人)であっても例外ではありません。帳簿を付けずに事業所得の申告を行うことは認められず、万一帳簿を作成していないと税務申告ができない(適正に行えない)リスクすらあります。しかしながら、教育事業に情熱を持って塾を始めた方にとって、領収書の整理や複式簿記での帳簿作成は負担に感じられるでしょう。

税理士に依頼すれば、この煩雑な経理作業を大幅に軽減することができます。まず開業時に会計ソフトの導入や勘定科目(科目体系)の設定についてアドバイスを受けられます。特に青色申告を行う場合は、仕訳帳や総勘定元帳といった正式な帳簿を備え付けなければなりません。税理士は適切な会計ソフト(近年はクラウド会計ソフトのfreeeマネーフォワードなどが人気)を紹介し、導入設定をサポートしてくれます。日々の取引についても入力方法を指導してもらえるため、開業時から正しい経理体制を築けます。

さらに、記帳代行サービスを税理士事務所に依頼することも可能です。領収書や通帳コピー、請求書などを渡せば、税理士や担当スタッフが代わりに帳簿入力をしてくれます。これにより経理業務にかかる手間と時間を削減でき、記帳ミスの不安も軽減されます。経理のプロが処理するので正確性が高く、万一税務調査が入っても安心です。また、煩雑な経理作業から解放されることで本業(授業の準備や生徒対応)に集中できるようになります。人を一人雇うよりも安価な料金で済むため、人件費の削減にもつながるというメリットもあります。

帳簿が正確につけられていれば、自身の塾の経営状況もタイムリーに把握でき、適切な経営判断に役立ちます。税理士は月次の試算表などを作成して財務状況を報告してくれるため、「今月は人件費がかさみ赤字だ」「○月は繁忙期で黒字になりそうだ」といった情報を得やすくなります。特に学習塾は季節によって売上の波がありますから、経理データを活かした分析が重要です。こうした経理のアウトソーシングを活用し、オーナーは指導や教室運営に注力できる環境を整えましょう。

事業を開始したばかりの開業期は、節税対策を講じる上でも重要なタイミングです。学習塾のように新規開業の事業では、初年度は設備投資や広告宣伝などで多くの経費がかかり、利益が出にくいかもしれません。しかし、だからこそ早期に適切な税務戦略を立てておくことで、後々の税負担を最小限に抑えることが可能になります。税理士は税法の専門家として、この開業初期に取れる節税策についても的確なアドバイスを提供します。

まず、青色申告のメリットを最大限活用することが基本となります。青色申告の承認を受けて正規の帳簿を備え付ければ、最高で65万円の青色申告特別控除が受けられます(電子申告等一定要件を満たせば65万円、満たさない場合でも55万円、簡易帳簿でも10万円の控除)。また青色申告者は、家族に支払った給与を全額必要経費にできる青色事業専従者給与の制度を使うこともできます。ご家族が学習塾の運営を手伝う場合には、適正な範囲で給与を支給し経費計上することで、所得を分散して節税につなげられます。さらに、もし開業初年度が赤字になっても、青色申告であればその赤字(純損失)を3年間繰り越して翌年以降の黒字と相殺することが可能です。これにより、開業当初の投資による損失を将来の税金で回収でき、事業が軌道に乗るまでの税負担を軽減できます。

次に、開業費の計上もポイントです。開業前に準備のために支出した費用(物件探しの交通費やチラシ試作費用など)は「開業費」として一括で経費に落とすことができます。開業費は繰延資産として扱い、任意の期間で償却(費用化)することも可能です。税理士は状況に応じて「初年度に一括で経費計上して赤字を大きくし、翌期以降の利益と相殺する」か「数年にわたって償却し利益と均衡させる」かなど、最適な処理方法を助言します。また減価償却資産の特例も見逃せません。学習塾ではパソコンや机・椅子、ホワイトボード、教材棚など備品を購入しますが、一般的に10万円未満の少額資産は全額を即時費用計上できます。10万円以上の備品も、一括償却資産の制度を使えば3年間で均等償却することが可能です(一定の要件があります)。さらに30万円未満の資産は年間合計300万円まで即時償却が認められる制度もあります。税理士に相談すれば、こうした節税効果の高い減価償却の方法についても提案を受けられるでしょう。

その他にも、消費税の扱いについて戦略を立てることができます。開業当初は年間売上が1,000万円以下であれば消費税の納税義務が免除されますが(免税事業者)、将来的に事業が拡大し課税事業者となるタイミングを見据えて対策を検討します。例えば、初年度に多額の設備投資をして支払った消費税の還付を受けるために、あえて課税事業者を選択(消費税課税事業者選択届出書の提出)するケースもあります。一方で、生徒から預かる授業料に消費税を上乗せできない状況であれば、免税事業者として期間いっぱい消費税の納税を猶予する方が有利でしょう。税理士はこうした消費税面での有利不利の判断についてシミュレーションを行い、最適なタイミングでの課税事業者化をアドバイスします。ちなみに資本金を1,000万円以上で設立した法人は初年度から消費税課税業者となるため、多くの方は資本金を1,000万円未満に抑えて会社設立をします。この点についても次章以降で触れますが、税理士と相談しながら資本計画を立てると安心です。

このように、開業期は将来の税負担に大きく影響を与える決断が多くあります。税理士に節税アドバイスを受けながら、「使えるものは使う」税制上の特典を漏れなく活用することが肝心です。当税理士事務所では開業時の無料相談も受け付けており、節税対策のポイントについて丁寧にアドバイスしておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

ここからは、実際に学習塾を開業するまでの一般的な流れをチェックリスト形式で解説します。塾の規模や形態によって若干の違いはありますが、多くのケースで共通するステップを1から8まで順に紹介します。開業準備に抜け漏れがないよう、このリストを参考にしてみてください。

まずは塾の基本コンセプト作りからスタートします。どのような学習塾にしたいのか、対象とする生徒層(小学生・中学生・高校生、浪人生など)や指導科目、指導形態(集団指導か個別指導か、対面かオンラインか)、差別化ポイント(例えば「英語に特化」「不登校支援」「プログラミング教室併設」など)を検討します。学習塾業界は競争が激しいため、闇雲に始めるのではなく市場のニーズをしっかりリサーチすることが重要です。開業予定エリア周辺の学校数や子供の人口動向、競合塾の数や特徴、生徒募集の方法などを調べ、自身の塾が地域で求められる存在になれるかを見極めましょう。

例えば、周囲に大手進学塾が多い地域では、大手がカバーしきれないニッチ(例:中学受験ではなく学校の補習に特化、定期テスト対策専門など)を狙う戦略が考えられます。逆に競合が少ない地域では、幅広いニーズに応える総合学習塾として展開する余地があるかもしれません。また、地域の所得水準や親御さんの教育熱にも着目します。高所得層エリアであれば高額でも質の高いサービスが求められますし、共働き世帯が多ければ夜遅い時間帯の需要がある、といった具合です。市場調査は、インターネットで地域の統計データを調べたり、実際に現地を歩いてチラシを集めたり、教育関係者の声を聞いたりして行います。

コンセプト検討段階では、「自分の強みや経験をどう活かせるか」も大切です。たとえば元学校教師の方が開業するなら、その経歴自体が信頼要素になるので前面に押し出す、20代の方なら比較的年齢が近い強みを活かして親しみやすい個別指導塾にする、といった方向性が考えられます。こうして塾の方向性が固まったら、屋号(塾名)の検討に移ります。親しみやすさや覚えやすさ、信頼感のある名前を付けましょう(必要であれば商標調査も)。これらコンセプト作りの段階ではコストはかかりませんが、塾の将来を左右する重要なステップです。税理士に相談すれば、市場調査データの読み解きや事業計画作成の段階でフィードバックをもらうこともできます。当税理士事務所でも、開業前の事業計画立案のご相談を承っていますので、客観的な視点が欲しい方はお気軽にお声がけください。

コンセプトが定まったら、それを実現するための開業資金計画を立てます。具体的には、開業にあたって必要となる初期費用を洗い出し、自己資金でどこまで賄え、不足分をどう調達するかを検討します。学習塾開業の主な費用項目としては、物件取得費(賃貸なら保証金・礼金・前家賃、内装工事費、看板代など)、備品購入費(机・椅子、ホワイトボード、パソコン、プリンター、書籍・教材棚等)、教材費(最初に揃えるテキスト類)、広告宣伝費(チラシ作成・配布、ウェブサイト作成、看板広告など)、人件費(開業前準備段階でスタッフ研修をするならその人件費)、その他諸経費(開業届提出時の交通費や文具費等)が挙げられます。これらをできるだけ具体的に見積もりましょう。また、開業後も当面は毎月経費が発生しますから、運転資金(開業後半年~1年程度の家賃・人件費等)も確保しておく必要があります。

資金計画がまとまったら、不足する資金の調達方法を検討します。多くの開業者が利用するのが、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」です。無担保・無保証人で最大3,000万円(うち運転資金は1,500万円)まで融資可能な制度で、創業時の強い味方となります。上述の通り、事業計画書の出来や創業者の熱意が審査のカギとなるため、必要に応じて税理士等の専門家の力も借りながら準備しましょう。創業融資に強い税理士に依頼すれば、審査の通過率を大きく高めることができるとのデータもあります(税理士関与で審査通過率90%以上とも)。資金調達額が希望より増額できるケースや、融資実行までのスピードアップも期待できます。

融資以外では、自治体の制度融資(信用保証協会付き融資)や民間銀行からの借入も選択肢です。自治体の制度融資は金利優遇や据置期間など有利な条件がありますので、所在地の自治体サイトを確認してみましょう。さらに、各種補助金・助成金の活用も検討します。小規模事業者持続化補助金は販路開拓等の経費について最大50万円(※条件により上限引き上げあり)の補助が受けられますし、業種によっては自治体独自の創業助成金(例:東京都の創業助成事業)などもあります。また、従業員を雇用する場合にはハローワーク経由で雇用関係助成金(例えば教育訓練を行った際のキャリアアップ助成金等)がもらえるケースもあります。これらは要件を満たす必要がありますが、該当しそうなものがあれば申請を検討しましょう。税理士に相談すれば、利用可能な補助金・助成金の情報提供や申請書作成の助言を受けることができます。

ポイント: 開業資金は多めに確保しておくに越したことはありません。特に学習塾は開業直後に生徒数が伸び悩むケースも考えられ、軌道に乗るまで数ヶ月~1年ほどかかることもあります。その間の家賃や人件費を賄えるよう、できれば運転資金に余裕を持った融資額を申請しましょう。また、融資審査では自己資金の額や自己資金比率もチェックされます。手持ち資金が少ない場合は、ご家族からの借入や資本金として拠出してもらうなど、自己資金を増強する工夫も検討します。

なお、資金調達については当税理士事務所の創業融資支援サービスページでも詳しく案内しております。必要資金の洗い出しから融資実行まで、一連のプロセスでお困りの際はぜひ税理士法人加美税理士事務所までご相談ください。

資金の目途が立ったら、次は開業形態を決める重要なステップです。すなわち、「個人事業主」として開業するか、「会社(法人)」を設立して開業するかを選択します。それぞれにメリット・デメリットがあり、事業の規模や将来計画によって最適解は異なります。

個人事業で開業する場合は、手続きが簡単でコストも低く抑えられるメリットがあります。法人設立のような登記費用(登録免許税)や定款認証費用が不要で、税務署への開業届を出せばすぐに事業を始められます。開業後の会計・税務も比較的シンプルで、所得税の確定申告を年1回行うだけです(青色申告を選択すれば65万円控除などの特典あり)。一方でデメリットとして、事業の責任が無限責任であることや、所得が増えると累進課税で高い税率が適用されること、社会保険(健康保険・年金)に事業主自身が国民健康保険・国民年金で加入するため負担が割高になるケースがあることなどが挙げられます。また、対外的な信用面では「株式会社○○」といった法人に比べ劣る場合があり、将来的に事業拡大する際に融資で不利になったり、人材採用で敬遠されたりする恐れも指摘されます。

法人を設立して開業する場合は、会社としての信用力が高まり、取引先や銀行から信頼を得やすいメリットがあります。例えば将来フランチャイズ展開や他社との提携を目指すなら、法人格の方が有利でしょう。また税制面では、法人税率(中小法人の実効税率はおおむね20~23%程度)が所得税の最高税率より低く、利益が大きくなれば個人事業より節税効果が見込めます。さらに、法人にすると給与所得控除を活用できる点も見逃せません。代表者も会社から役員報酬という形で給与を受け取れば、個人所得として給与所得控除(収入に応じた定額控除)が適用され、所得税・住民税の負担を圧縮できます。また家族を役員や従業員にして給与を支給することで、所得分散による節税も図りやすくなります(個人事業でも青色事業専従者給与で同様のことはできますが、法人の方が柔軟です)。デメリットとしては、設立や維持にコストがかかることが挙げられます。設立時に登録免許税(株式会社なら15万円~)や司法書士費用等が必要ですし、毎年法人住民税の均等割(赤字でも7万円前後)が発生します。また会計帳簿の作成や決算申告が個人より複雑で専門知識を要するため、税理士顧問料などの経費もかかりがちです。加えて、法人にすると社会保険(厚生年金・協会けんぽ等)への加入が原則必須となり、会社と従業員双方で保険料負担が増える点にも留意が必要です。

この段階で迷う方も多いですが、事業規模や利益見通しに応じて適切な形態を選ぶことが大切です。一般に「年間利益が500万円を超えるようなら法人化した方が節税メリットが大きい」とよく言われます。実際、個人事業の年間利益500万円以下では法人化による税負担軽減はあまりなく、それ以下なら法人にするとかえって不利(コスト増)とされています。一方、利益900~1000万円を超える規模になると、多くの場合で法人化した方がトータルの税負担が下がります。また、売上が年間1,000万円を超えて消費税課税事業者になるタイミングも一つの目安です。法人設立すると創業から最長2期間は消費税免税になるため(資本金1000万円未満の場合)、売上1,000万円超の事業でも最初の2年は消費税を納めずに済み、消費税分だけ利益を確保できる利点があります。

もっとも、数字上の損得だけでなく、事業の将来展望も考慮しましょう。「いずれ複数校展開したい」「従業員も増やして会社組織にしたい」という明確なビジョンがあるなら、たとえ当初利益が小さくとも早めに法人としてスタートする選択肢もあります。対外的な信用力やブランド構築のしやすさは法人の方が上ですし、開業後に個人から法人に組織変更(法人成り)するのは手間がかかります。最初から株式会社で始めておけば、銀行融資や取引の面で有利に働く場面もあるでしょう。また学習塾の場合、万一生徒や保護者とのトラブル・事故が起きた際に、法人形態であれば賠償責任が会社に限定されオーナー個人の資産を守れるという利点もあります(ただし実際には代表者個人も責任を問われるケースはありますが、少なくとも法律上は区別できます)。

ここでの判断に悩んだら、税理士に相談することをおすすめします。 当税理士事務所でも「個人と法人、どちらが有利か」というご相談を数多く受けますが、売上・利益予測から将来計画まで伺った上でベストなタイミングをアドバイスしています。「今は個人で始めて、利益○○万円を超えたら法人化しましょう」や、「初年度から法人化した方が対外的に信用が得られるでしょう」といった具体的な提案が可能です。決算期の設定や資本金の額など、法人設立時の細かなポイントも含めサポートいたしますので、不安な方はお気軽にご相談ください。

次に、実際に授業を行う教室の準備に取り掛かります。対面形式の学習塾を開業する場合は、まず物件選びが重要です。生徒が通いやすい立地であること、適切な広さ・間取りであること、賃料等の固定費が予算に見合うことなど、様々な観点で候補物件を比較検討します。一般的に、小中学生対象の塾であれば学校の近く住宅街が適していますし、高校生対象なら駅前繁華街近くが好まれます。立地は集客力に直結するため、多少賃料が高くても利便性の高い場所を選んだ方が成功しやすいでしょう。また夜間に子どもが通うことを考えると、治安の良さや人通りの多さも安心材料となります。

物件を選ぶ際は、教室として利用可能かどうかの用途も確認します。オフィスビルの一室やテナント物件であれば問題ありませんが、マンションの一室などを教室に転用する場合、管理規約で禁止されていないか注意が必要です。周囲への防音対策も考慮しましょう。特に集合住宅では、授業中の声が隣室に漏れないよう、防音カーペットや吸音材の設置など工夫が求められます。また、保護者が車で送り迎えする場合は駐車スペースの有無もポイントです。近隣に迷惑をかけない運営ができるかどうか、契約前によく確認しておきましょう。

物件契約後は、必要に応じて内装工事や備品搬入を行います。壁にホワイトボードを取り付けたり、自習室用の机を配置したり、快適な学習空間を整備します。照明は明るすぎず暗すぎず、LED照明で電気代削減も図りましょう。防犯面では、防犯カメラや非常ベルの設置も検討します。特に小学生対象の場合、保護者への安心材料として教室内カメラ設置を公表する塾もあります。机・椅子・書棚などの家具備品は、安全性と実用性を重視して選定します(角の丸い机、長時間座っても疲れにくい椅子など)。コピー機やプリンター、パソコン等のOA機器も準備します。最近はタブレット端末を活用したデジタル教材を導入する塾もあるため、Wi-Fi環境や電源タップの整備も忘れずに。備品類は新品で揃えると高額になりがちなので、中古品の活用やリース契約も検討しましょう。

一方、オンライン塾として開業する場合は物件契約は不要ですが、自宅の作業環境をしっかり整える必要があります。オンライン指導ではパソコン1台で始める方も多いですが、快適に授業を行うには高性能なPC・Webカメラ・マイク・ヘッドセットなどを用意したいところです。特に映像授業の場合、画質や音質が悪いと生徒の満足度に直結するため、可能な範囲で良い機材を揃えましょう。通信環境も重要です。高速で安定したインターネット回線(光回線など)を準備し、予備のモバイル回線もあると安心です。また、自宅の一角を専用オフィススペースにして業務に集中できる環境を作りましょう。背景に生活感が映り込まないよう、バーチャル背景を使ったり、本棚を整えて信頼感を演出するなど工夫ができます。オンライン塾とはいえ、開業届や青色申告の申請は必要ですし、経費計上の際には自宅家賃・光熱費の事業按分など独特の処理も発生します。この点については後述するオンライン塾の節で詳しく触れます。

物件準備や設備投資は、予算と相談しつつ必要十分な範囲で行うことが肝要です。開業前に資金を使い切ってしまわないよう、優先順位を付けて計画的に進めましょう。不安な場合は税理士に相談しながら、どこにどれだけ予算を割くべきかアドバイスを受けるのもおすすめです。特に物件契約に絡む初期費用(保証金や仲介手数料など)は金額も大きいので、資金繰り計画に組み込んで無理のない判断をしてください。

教室の準備と並行して、開業の届出を税務署および自治体に提出します。個人事業の場合、冒頭でも触れた「個人事業の開業・廃業等届出書」を所轄税務署に提出することになります。開業日から1か月以内が提出期限と法律で定められていますので、忘れずに行いましょう(多少遅れても受理はされますが、できるだけ期限内提出を)。この書類には屋号(塾名)や事業の種類、開業日などを記載します。また同時に、「青色申告承認申請書」も提出しておきます。青色申告をすることで65万円控除等の特典が得られるため、学習塾のように継続的な事業であれば必須と言って良いでしょう。青色申告承認申請書は、開業日から2か月以内に提出しないと初年度から青色申告の適用が受けられないため要注意です。例えば4月1日開業なら5月末までが期限となります。

さらに、都道府県税事務所への「事業開始等申告書」(個人事業開始申告)も提出します。これは事業を開始したことを地方税(個人事業税や住民税)担当に知らせる手続きです。提出期限は自治体によって異なりますが、東京都は15日以内、神奈川県・千葉県は1か月以内、大阪府は2か月以内などとされています。正直なところ提出していないケースも多いのですが、将来的に事業税の非課税措置(事業主控除)を適用する際など、この申告をしておいた方が無難です。提出していなくても直ちに不利益はありませんが、税務上の手続きをきちんとする意味でも出しておきましょう。

法人で開業する場合は、税務署に「法人設立届出書」を提出します(設立から2か月以内)。加えて法人の場合も青色申告承認申請書は提出が必要です。法人は設立日から3か月以内(または初事業年度終了日までのいずれか早い日)に青色申告の申請をしないと、初年度から青色が使えなくなります。さらに法人の場合、都道府県税事務所と市区町村役場(東京23区なら都税事務所と都民税担当課)にも法人設立届を提出します。

また、従業員を雇う予定がある場合は、「給与支払事務所等の開設届出書」も税務署に提出します。これは事業所で給与支払いを開始する旨を届け出る書類で、個人事業でも従業員やアルバイトに給与を支払う場合は必要です。多くの場合、個人事業の開業時にはこの届も合わせて提出します。提出後は、給与から預かった源泉所得税を税務署に納付していくことになりますが、従業員が常時10人未満であれば税務署へ申請して源泉所得税の納期の特例(半年分をまとめて年2回納付)を受けることも可能です。資金繰り上、毎月の納付より負担が軽くなるので、該当する場合はこの特例の申請も検討しましょう。

これら一連の手続きを確実に行うためには、税理士のサポートが有効です。書類の書き方で不明な点があれば指導してくれますし、提出代行も依頼できます。当税理士事務所でも開業届の提出代行サービスを行っており、書類作成から提出までワンストップで対応可能です。特に初めての方は見落としがちな書類(先述の給与支払事務所届出や、必要に応じて棚卸資産評価方法届出など)もあるため、プロの目でチェックしてもらうと安心でしょう。

第5のステップと重複しますが、青色申告承認申請書の提出は開業と同時に必ず行っておきたい重要手続きです。個人事業主の場合、繰り返しになりますが開業日から2か月以内、法人の場合は設立から3か月以内(または第1期末までの早い方)に税務署へ提出します。青色申告のメリットは前述の通り多大で、65万円控除や純損失繰越など節税効果が抜群です。未提出だと白色申告(控除なし・損失繰越不可)となってしまい、税制上不利になりますので期限厳守で進めましょう。税理士に依頼していれば、この期限管理もお任せでき、「いつまでに何を出す」というスケジュールを組んでくれます。提出漏れがないようにするのも税理士の大事な役割です。

青色申告を行うには、適切な会計帳簿を備え付けることが条件となります。そこで、開業直後に会計環境の整備を行いましょう。具体的には、会計ソフトの導入と帳簿フォーマットの準備です。最近はクラウド会計ソフト(マネーフォワードやfreee、弥生オンラインなど)が主流で、銀行明細やクレジットカード明細を自動取り込みできるなど便利な機能が豊富です。こうしたソフトを活用すれば日々の経理作業が格段に効率化します。当税理士事務所でもお客様の状況に応じた会計ソフトの選定と初期設定をサポートしております。

仕訳帳・総勘定元帳の作成も重要です。青色申告65万円控除を受けるには、複式簿記で日々の仕訳を記録し、月次で元帳や試算表を作成することが必要です。はじめは難しく感じるかもしれませんが、税理士から指導を受ければすぐに慣れるでしょう。開業当初から正確な帳簿管理を心がけることで、経営状態の把握や確定申告書類の作成もスムーズになります。また2024年現在、青色申告特別控除65万円をフルに受けるためには電子帳簿保存の要件を満たすことや電子申告が必要となっています。クラウド会計ソフトを導入すればこれら要件にも対応しやすくなりますし、税理士に依頼すれば電子申告での申告書提出も代行してもらえます。つまりプロに任せれば青色申告65万円控除のハードルも自然とクリアできるわけです。

会計環境の整備チェックポイント:

  • 会計ソフト導入: クラウド型かデスクトップ型かを選択(クラウド型ならインターネット環境必須)。初期設定で事業形態に合った勘定科目を登録する。消費税の設定(免税or課税事業者など)も忘れずに。
  • 口座・カードの分離: 事業専用の銀行口座やクレジットカードを開設し、公私の資金を分ける。こうすることで取引を後から仕分けしやすくなる。
  • 記帳ルールの策定: 現金売上や立替経費の処理ルールを決めておく(例:現金売上は都度口座入金、現金経費は月末にまとめて領収書精算など)。税理士と相談して、自身に合った簡便な方法を取りましょう。
  • 書類保存方法: 領収書や請求書の保管方法を決める。紙のまま保管するなら年度ごとにファイリング、電子保存する場合はスキャナ保存の手順をルール化(電子帳簿保存法に沿った保存を心掛ける)。

以上のような準備をしておけば、開業後の経理がスムーズに回り始めます。学習塾の場合、毎月の売上(授業料や月謝)管理が肝心ですので、請求・入金管理もシステム化できるとベターです。中には、会計ソフトと連動する請求管理アプリを導入し、未収金の把握や銀行振込データ取り込みを自動化している塾経営者もいます。税理士法人加美税理士事務所では、こうしたITツールの活用についてもご提案可能ですので、興味のある方はご相談ください。

学習塾の形態によっては、スタッフ(講師や受付事務)の採用が必要になります。自分一人で全ての授業を担当する場合は別ですが、特に個別指導塾や科目別担当制の塾ではアルバイト講師を複数名採用するケースが一般的です。開業前に、必要な人員数や役割を洗い出し、採用計画を立てましょう。

講師を採用する場合: 求人媒体に募集を出したり、知人の紹介を頼ったりして人材を集めます。大学生アルバイトを募集するなら大学の求人掲示板やネットのアルバイト求人サイトが有効でしょう。採用時には履歴書や面接で人柄・指導力を見極め、生徒対応にふさわしい人材を選びます。講師研修の計画も立てておくと良いです(教材研究や模擬授業など)。また、高校生指導の場合は学歴や指導経験も重視されますので、採用基準を明確にしておきましょう。

事務スタッフを採用する場合: 規模が小さいうちは必要ないかもしれませんが、生徒数が増えてくると電話応対や事務手続き担当が欲しくなることもあります。アルバイトやパートで受付事務を募集する場合、夕方以降のシフトに入れる方やPC入力が得意な方が望ましいでしょう。

スタッフを採用したら、給与計算の準備を行います。給与計算には、時給制アルバイトなら出勤管理と時給計算、源泉所得税の控除計算、必要に応じて雇用保険料の控除などが含まれます。国税庁の「源泉徴収税額表」に基づき、月々の給与から所得税を天引きしなければなりません。例えばアルバイト講師の場合、給与が月88,000円を超えると源泉徴収が必要(甲欄適用の場合)となります。また、給与支払報告書の提出(毎年1月末までに従業員の前年給与を市区町村へ報告)や、年末調整(年末に年間の税額を再計算して過不足を精算)も必要です。こうした給与計算・源泉徴収業務は慣れないと難しいため、税理士にアウトソーシングするのが安心です。「個別指導塾の給与計算・源泉徴収は税理士にお任せ」と先述の見出しにもある通り、税理士は毎月の給与計算から源泉税納付書の作成、年末調整まで一括して代行できます。特に年末調整は法改正により控除項目が毎年のように変わるため、プロに任せた方がミスなく処理できます。

各種届出も忘れずに。従業員を雇ったら、税務署には「給与支払事務所等の開設届出書」を提出(前述)し、併せて源泉所得税の納期特例の適用を受ける申請も行っておきます。また、ハローワークで雇用保険の適用事業所設置届労働保険(労災保険)の加入手続きを行いましょう。アルバイトでも週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある場合は雇用保険加入が必要ですし、労災保険は従業員を一人でも雇えば全員強制適用です。社会保険(健康保険・厚生年金)については、個人事業の場合は常時従業員5人以上で適用事業所となります(業種によりますが、教育業は強制適用業種ではありません。ただし5人以上なら任意加入も検討可能です)。法人の場合は原則として全従業員が社会保険加入となります。もっとも、アルバイト講師は勤務時間が短いことも多く、週の所定労働時間が20時間未満なら社会保険適用除外となるケースもあります。いずれにせよ、雇用に伴う手続きは煩雑なので、社労士(社会保険労務士)や税理士にサポートを依頼すると良いでしょう。税理士事務所によっては社労士と連携して、こうした労務手続きまでトータルで支援できる体制を整えています。当税理士事務所でも提携社労士がおりますので、人を雇う際の手続きや助成金活用等についてもお気軽にご相談ください。

いよいよ生徒募集を開始し、学習塾としての営業をスタートさせます。良い教室や講師を用意できても、生徒が集まらなければ塾は成り立ちません。ここが開業の山場とも言えるでしょう。

生徒募集の手法としては、チラシ・ポスティングウェブ集客紹介制度イベント開催など様々あります。まず王道はチラシ配りです。開業日の1~2か月前から、対象エリアの住宅にポスティングを行ったり、駅前や学校近くでチラシを手配りしたりして塾の存在をアピールしましょう。チラシには塾の特徴(少人数制、無料体験あり、成績保証など)や開校キャンペーン(入会金無料など)を明記し、問い合わせ先を大きく載せます。デザイン次第で反応率が変わるので、プロのデザイナーに依頼するのも効果的です。

ウェブ集客としては、ホームページやSNSの活用が現代では欠かせません。塾の公式サイトを作成し、ブログで教育情報を発信したり、講師紹介や合格実績などを掲載して信頼度を高めます。SEO対策を施し「地域名+塾」で検索したとき上位に表示されるよう工夫しましょう。またTwitterやInstagram、FacebookなどSNSで塾の日常風景やイベント情報を発信することで、親しみやすさを伝えることもできます。最近ではLINE公式アカウントを開設し、資料請求や問い合わせを受け付ける塾も増えています。オンライン塾であれば、YouTubeで授業動画の一部を公開して集客する手法も考えられます。

紹介制度も強力です。最初の生徒数名が満足してくれれば、その保護者や友人からの紹介で徐々に輪が広がります。紹介者・入会者双方に特典(例えばクオカードや授業料割引)を用意する紹介キャンペーンを実施すると良いでしょう。また、地域の学校の先生やPTAとの関係構築も有用です。チラシを学校に置かせてもらったり、PTA新聞に広告を載せたりできれば効果抜群です。

開業時には無料体験授業教室見学会を積極的に開催しましょう。塾の雰囲気や講師の指導を実際に体験してもらうことで、安心感と納得感を提供できます。体験後のフォローとして、丁寧にカウンセリングを行い、入塾を検討してもらいます。場合によっては期間限定の入会特典(初月謝半額など)も有効です。

晴れて生徒が入塾し、開校日を迎えたら、その日があなたの学習塾経営者としての第一歩です。開業後も、税理士から見れば事業のスタートラインに立った段階に過ぎません。今後、経営を軌道に乗せるためには継続的な計画策定や業績チェックが必要です。私たち税理士は、開業後も月次決算経営相談を通じて塾の発展をサポートいたします。開業して終わりではなく、その先の成長まで伴走支援いたしますので、困り事や悩み事があれば遠慮なくご連絡ください。

以上が、学習塾開業までの基本的な流れ・チェックリストです。もちろん塾ごとに固有のステップや追加の作業もあるでしょうが、大筋はこの通り進めれば大丈夫です。では次に、個人事業 vs 法人の選択についてもう少し詳しく見ていきましょう。

学習塾の開業形態として、「個人事業主として始める」か「法人(会社)を設立して始める」かで迷われる方は多いでしょう。それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、事業規模や将来ビジョンに応じて判断することが大切です。ここでは個人・法人それぞれの場合の利点と欠点を整理し、どういったケースでどちらが適しているか考えてみます。

メリット(個人事業):

  • 開業コストが低い: 登記不要のため、会社設立時の登録免許税や定款認証費用がかかりません。開業届を税務署に出すだけでスタートできます。
  • 手続き・運営が簡単: 法人に比べて事務手続きが少なく、会計処理も簡素です。決算公告も不要で、税務申告も年1回の所得税確定申告のみで済みます。
  • 節税も一定程度可能: 青色申告を活用すれば65万円控除や専従者給与など節税策が使えます。売上規模によっては法人化しなくても十分低税率で運営できます。
  • 社会保険の加入義務が緩い: 5人未満の従業員規模なら厚生年金・健康保険への加入は原則不要(強制適用業種でない場合)。自身は国民年金・国民健康保険で対応でき、社会保険料の会社負担がありません。

デメリット(個人事業):

  • 無限責任: 事業上の債務やトラブルに対して、個人の全財産で責任を負います。法人のような責任区分がないため、万一倒産すれば家計も巻き込まれます。
  • 税率が累進課税: 利益が大きくなると所得税・住民税の累進課税で最大55%(所得税45%+住民税10%)もの高税率が適用され、法人税より税負担が重くなります。
  • 信用力が低い場合も: 銀行融資や取引の際に、個人事業だと「○○さん個人」と見做され、株式会社などに比べ信用面で劣ることがあります。規模拡大時に不利に働く可能性があります。
  • 社会保険が手薄: 事業主本人は国民年金のみで厚生年金に比べ将来受給額が少なく、健康保険も手厚い給付のある協会けんぽ等に比べ保障が限定的です(出産手当金等なし)。
  • 事業承継が煩雑: 個人事業を子息などに引き継ぐ場合、名義変更程度で済みますが、営業権や資産の譲渡で相続税・贈与税の問題が生じることもあります。対外的にも経営者交代の印象がダイレクトに伝わります。

メリット(法人設立):

  • 節税の幅が広がる: 法人税率は中小企業の場合年800万円以下の所得に約15%(令和5年度現在、実効税率約21%)、法人住民税等を含めた実効税率でも最大で約33%と低く抑えられます。利益が高額になるほど個人より有利です。役員報酬を調整して給与所得控除を得るなど、高度な節税策も可能です。
  • 信用力・イメージ向上: 「法人」であること自体が社会的信用につながります。銀行融資でも法人の方が借りやすい傾向がありますし、優秀な人材採用でも「株式会社○○塾」の方が応募が集まりやすいことがあります。
  • 有限責任: 株式会社であれば出資金の範囲内で責任が限定され、万一倒産しても個人資産への直接的影響を抑えられます(ただし金融機関借入では代表者保証を求められるのが一般的ですが…)。
  • 消費税の免税メリット: 資本金1,000万円未満で設立すれば、設立1期目と2期目は自動的に消費税が免除されます。これは売上規模次第では数十万~数百万円の資金流出を防げる大きなメリットです。
  • 社会保険による保障充実: 法人の代表者や従業員は厚生年金・健康保険に加入するため、老後年金額が増え、医療費高額療養費や傷病手当金、出産手当金など給付も手厚くなります。社員にとっても福利厚生向上となり、定着率アップに寄与します。

デメリット(法人設立):

  • 設立・維持コスト: 設立時に少なくとも20万円前後の費用がかかり、運営中も毎年7万円以上の法人住民税均等割がかかるなど、利益ゼロでも発生する固定コストがあります。
  • 事務負担増: 法人の場合、決算申告が複雑(貸借対照表・損益計算書の作成が必要)で、税務申告も法人税・法人住民税・事業税・消費税と複数にわたります。会計帳簿も厳密な管理が要求され、専門知識が必須です。多くの場合、税理士顧問料などの事務コストが個人より高くつきます。
  • 社会保険料の負担: 法人では代表者1名でも社会保険加入が義務付けられるため、会社として健康保険・厚生年金の保険料の半分を負担しなければなりません。人件費総額が増える点はデメリットです。ただし従業員にとってはメリットでもあり、一概に悪いとも言えません。
  • 利益の使途制限: 個人事業なら利益はすべて事業主のものとして自由に使えますが、法人では会社と個人のお金を区別する必要があります。社長個人が自由に引き出すと「役員借入」や「賞与」となり、適切に処理しないと税務上問題となります。会社の利益は基本的に役員報酬か配当という形でしか個人に還元できません。
  • 赤字でも税申告が必要: 法人はたとえ赤字でも税務申告義務があります。赤字が続いても決算書類作成や税理士費用などは発生し、場合によっては資本金が減って債務超過になるリスクもあります。

上記を踏まえると、小規模・低収益のうちは個人事業、ある程度収益が上がる見込みなら法人というのが一般的な目安になります。具体的には、年商1,000万円・年利益500~900万円を超えるようであれば法人化を検討すると良いでしょう。例えば、生徒数20~30名規模で推移し月謝収入が安定している場合、利益も数百万円程度になる可能性があります。そのタイミングで法人化すると、所得税の累進課税を回避し税率を抑えられるメリットがあります。一方、開業当初で生徒数が少なく利益もわずかという段階では、無理に法人にする必要はありません。まずは個人事業として始め、軌道に乗ったら法人成りするのも賢明な戦略です。

ただし、将来の展望によっては早めに法人格を取得しておく選択もあり得ます。例えば「2年以内に2店舗目を出したい」「フランチャイズ展開して加盟募集したい」というビジョンがある場合、法人の方が信用を得やすくパートナーも見つけやすいでしょう。また、事業承継や売却(M&A)を将来考えるなら、法人化して株式という形で譲渡できるようにしておく方がスムーズです。学習塾業界では、地域の有名塾が大手にM&Aで買収されるケースも珍しくありません。法人にしておけば、株式譲渡でスムーズに事業売却でき、オーナーは譲渡益を獲得できます。一方個人事業だと、事業譲渡で一から契約を結び直す必要があり手間がかかりますし、譲渡益に所得税・住民税(場合によっては譲渡所得扱い)を支払うことになります。将来的なオプションとして、法人の方が柔軟性が高いのです。

結論として、現状の利益規模と将来ビジョンを総合的に考慮して決めることが大事です。迷ったら、税理士にシミュレーションを依頼すると数字で比較できます。当税理士事務所でも、個人・法人それぞれの場合の税額試算や社会保険料試算を行い、どちらが有利かをご提案しております。実際に「法人にしたら年間○○万円節税できる」「逆に現状では年間△△万円コスト増になる」など具体的にお示ししますので、判断材料としてご活用ください。

なお、一度個人で始めても法人化(法人成り)はいつでも可能です。その際は、個人事業から法人への資産・負債の引継ぎ方法、開業年度の青色繰越欠損金の取扱いなど注意点がありますが、税理士がいればスムーズに移行できます。逆に、法人から事業縮小して個人に戻すことも不可能ではありませんが少々複雑です。最適なタイミングで最適な形態を選ぶためにも、節目節目で専門家の意見を取り入れてください。

ここでは特に「これから学習塾を開業しようと準備している個人の方」(現時点では会社を設立せず個人で始める予定の方向け)に焦点を当てて、開業支援のポイントをお伝えします。小規模な個人塾ならではの留意点や、経営のコツ、税理士活用のメリットなどについて解説します。

個人で学習塾を開業する方は、税務署への開業届提出青色申告承認申請を必ず行いましょう。これらは先ほどのチェックリストでも述べた通りですが、特に小規模事業者ほど青色申告のメリットは大きいので再度強調します。

開業届(個人事業の開業届出書)を提出することで、正式に個人事業主として税務署に登録されます。法律上は開業日から1ヶ月以内に提出することになっていますが、多少過ぎてもペナルティはありません。ただ、開業日から2ヶ月以内に青色申告の申請をしないと青色の特典が受けられないため、やはり早めに開業届と同時に青色申告承認申請書を出すのが鉄則です。

青色申告のメリットとして、65万円の特別控除(複式簿記+電子申告等で達成)または10万円控除(簡易帳簿)を受けられるほか、赤字の繰越控除(最長3年)や青色事業専従者給与の経費算入などがあります。たとえば年間の純利益(課税所得)が300万円だった場合、青色申告特別控除65万円を差し引ければ235万円にまで圧縮でき、約20万円近い所得税・住民税の節税につながる計算です(税率にもよりますが)。仮に開業初年度が赤字100万円で終わった場合でも、青色なら翌年以降の黒字と相殺して税負担を減らせます。白色申告ではこうしたメリットは享受できません。

また、学習塾を個人で開く方の中にはご家族が運営を手伝うケースもあるでしょう。例えば配偶者が経理や送迎をサポートしてくれる場合、青色事業専従者給与の制度を使えば、その配偶者に払う給与を全額経費にできます(事前に専従者給与に関する届出が必要)。白色申告でも事業専従者控除は一応ありますが金額上限が低く柔軟ではありません。青色申告にして適切な金額で給与を支給すれば、家計内で所得を分散でき節税になるとともに、家族の働きにきちんと報いることもできます。

要注意ポイント: 青色申告をするには、原則として正規の簿記(複式簿記)で帳簿をつける必要があります。しかしこれは会計ソフトを使えば大きなハードルではありませんし、税理士に記帳代行や指導を依頼すれば問題なくクリアできます。帳簿さえ整備すれば、申告書類も税理士が作成してくれますのでご安心ください。当税理士事務所でも多くの個人事業主の方の青色申告をサポートしており、「自分ではとても65万円控除なんて無理だと思っていたけど、税理士に任せたら簡単だった」と喜びの声をいただいています。是非プロの力を活用して、最大限の節税メリットを享受してください。青色申告について詳しくは下記のページをご覧ください。

個人で小規模に学習塾を始める場合、経理・帳簿管理についていくつかコツがあります。大企業のような専門部署はなく自分で行うことになりますが、ポイントを押さえれば難しくありません。

  1. 公私の区別を徹底する: ビジネス用とプライベート用のお金の流れをきちんと分けましょう。具体的には、事業専用の銀行口座を開設し、生徒からの入金や事業経費の支払いは全てその口座を通すようにします。プライベートの支出(自分や家族の生活費)と混同しないことで、後々帳簿付けが格段に楽になります。クレジットカードも可能であれば事業専用カードを作成し、備品購入やガソリン代など経費決済はそのカードで統一すると良いでしょう。
  2. 現金取引を減らす: 塾の授業料なども振込や口座引落にしてもらい、できるだけキャッシュレス化します。現金収支は記録漏れが起きやすい上、集金の手間もかかります。最近はPayPay等の決済導入を検討する塾もありますが、まずは銀行振込か口座振替で対応すると間違いがありません。支払経費についても、文具類やちょっとした消耗品を除き、極力クレジットカードや振込で支払い履歴が残る形にします。そうすれば通帳やカード明細を見れば記帳できますし、電子取引データとして保存もできます。
  3. 領収書の整理術: 経費の領収書やレシートは月ごとにまとめて保管します。例えばクリアファイルを用意し、「2025年1月」「2025年2月」など月別に入れておくだけでもOKです。あとで帳簿に記入する際、月単位で処理できます。領収書には用途メモを書いておく習慣も付けましょう。例えば本屋で教育書を買った領収書には「◯月◯日、参考書購入」、ガソリンのレシートには「送迎用車の燃料」など簡単にメモしておくと、後から経費科目に分類しやすくなります。
  4. 自宅兼オフィスの費用按分: 自宅の一室を教室や事務所として使う場合、家賃や電気代などの一部を事業経費にできます。ただし適切な按分が必要です。例えば自宅80㎡のうち20㎡を塾スペースとして使っているなら、家賃の25%を経費計上するのが妥当です。電気代・水道代もその部屋で消費した分(面積按分や時間按分)を経費にします。按分率について税務調査で尋ねられることもあるので、根拠(平米数や使用時間割合)を説明できるようにしておきましょう。
  5. 毎月または毎週、定期的に帳簿付け: 溜め込むと大変なので、経理日は定期的に設けましょう。理想は毎日少しずつ記帳することですが、忙しい場合は毎週末毎月○日と決めてまとめて処理します。1ヶ月分なら数時間で終わります。年度末に1年分まとめて…は非常に大変なので避けてください。税理士に領収書を渡して丸投げも可能ですが、日々の数字を把握するためにも、自分でもこまめにチェックする習慣を付けましょう。
  6. 財務状況の見える化: 小規模塾とはいえお金の管理はシビアに行う必要があります。売上や経費、利益が今どのくらい出ているか、損益計算書(PL)を頭の中でもいいので常に更新する意識を持ちます。会計ソフトを使っていればワンクリックで損益の状況が確認できます。また資金繰り表(お金の出入り予定表)を作っておくと、来月の家賃支払いに備えて資金を確保するといった計画が立てやすいです。税理士がいれば月次の試算表を提供してくれるので、それを参考に経営判断していきましょう。

これらのコツを踏まえれば、ひとり塾の経理も怖くありません。最初は苦手意識があるかもしれませんが、一度パターンを掴めばルーチンワークになります。もしどうしても難しい場合は、記帳代行を税理士事務所にお願いするのも一つです(比較的低料金で請け負っています)。大切なのは「帳簿をきちんとつけて数字を把握すること」。それがひいては塾経営の安定と発展につながります。

小規模塾のオーナーは、経営者であると同時に現場の教師でもあります。限られた時間と労力はできるだけ本業(生徒指導や教室運営)に集中させたいものです。そこで、税務・会計といった専門外の業務は思い切って税理士に任せることで得られるメリットについてお話しします。

第一に、時間と手間の節約です。例えば確定申告書の作成は慣れない人にとって大変な重労働ですが、税理士に依頼すれば煩雑な書類作成から解放されます。会計ソフトの入力さえしておけば、あとの処理はプロがやってくれます(領収書類一式を丸投げで作成してくれるサービスもあります)。空いた時間を授業準備や生徒対応に回すことで、塾の質を上げることができます。「経理に追われて肝心の授業クオリティが下がった」では本末転倒です。本業に注力しやすくなる環境を作るのも、税理士を使う大きなメリットなのです。

第二に、ミスや漏れの防止があります。税金計算や申告には専門知識が必要で、素人判断で進めると見落としが生じがちです。例えば経費にできるものを計上し忘れて余計に税金を払ってしまったり、逆に経費にしてはいけないものを入れてしまい指摘を受けたりということも起こり得ます。税理士がいれば、正しい会計処理・申告をしてもらえるので安心感が違います。税務調査が来た際も税理士が対応に入ってくれれば、適切に主張・説明してくれるでしょう。

第三に、経営の相談相手が得られる点です。個人で塾を経営していると、悩みや不安を一人で抱え込んでしまいがちですが、税理士は財務面からのアドバイスをしてくれる頼れる存在です。売上拡大のための投資判断や、費用削減のポイント、資金繰りの改善策など、数字の専門家ならではの視点で提案をもらえます。「売上〇万円で経費が△万円、今はこれくらい利益が出ていますね。講師をもう1人雇うならあと××円利益を増やしましょう」といった具体的な目標設定も可能になります。ただ数字を処理するだけでなく、経営パートナーとして寄り添ってもらえるのは大きなメリットです。

税理士に依頼すると費用がかかりますが、それ以上の価値をもたらしてくれるでしょう。顧問契約の料金は規模にもよりますが、月数万円程度からです。記帳代行や年末調整、決算申告書作成まで含めたフルサポートでも、個人塾であれば年数十万円ほどでしょう。例えば顧問料月2万円・決算申告料10万円だと年間34万円ですが、65万円控除が受けられて税金が20万円浮けば実質費用は14万円です。時間節約効果やミス防止効果まで考えれば、十分元が取れる投資ではないでしょうか。

結論: 「餅は餅屋」です。経理・税務はプロに任せ、先生であるあなたは生徒の指導と塾経営に専念しましょう。当税理士事務所は単なる帳簿屋ではなく、お客様の発展を共に考える伴走者として全力でサポートいたします。

学習塾開業初年度は、売上規模が小さい割に準備経費が嵩み、利益が出にくいかもしれません。しかし、初年度だからこそできる節税のポイントもいくつか存在します。ここでは開業初年度(第1期)に注目して、押さえておきたい経費計上の考え方や節税策をお伝えします。

1. 開業費の活用: 開業に至るまでにかかった費用(物件探しの交通費、内装打合せ費、広告の試作費、開業セミナー受講料など)は「開業費」として処理できます。これは繰延資産という扱いで、好きなタイミングで償却(費用化)できる特典があります。初年度に利益が出た場合は開業費を全額償却して利益を圧縮し節税できますし、初年度が赤字の場合はあえて償却せず繰り越しておいて、黒字になった年に費用計上するという戦略も取れます。自分で判断が難しければ税理士に相談し、最も有利になるよう計算してもらいましょう。

2. 減価償却のタイミング: 備品や設備のうち、高価なものは資産計上して毎年減価償却します。例えば20万円のパソコンは4年、10万円の机は耐用年数が決まっており数年にわたり費用配分されます。ただし少額減価償却資産の特例を使えば30万円未満なら即時償却可能です(年300万円まで)。初年度に利益が多く出てしまった場合は、翌期に買う予定だった設備を前倒し購入し当期に償却してしまうことで利益調整できます。逆に赤字で無駄に損金を増やしても意味がない場合は、あえて購入を次年度以降に見送る手もあります。消耗品費にできるもの(10万円未満のもの)は迷わず初年度に経費化しましょう。

3. 家事関連費の適正按分: 自宅兼塾で運営している場合、先ほど述べた家賃・光熱費の按分を適正に行うことが大切です。これらを経費算入することは重要な節税ポイントですが、按分が過度だと税務上問題視されます。例えば居住スペースの大半を経費にしていると「本当にそれだけ事業に使っているのか?」と疑われます。実態に合った按分率を設定しましょう。青色申告なら家事按分の事業割合が50%以下でも認められるので、遠慮なく事業分を計上すればOKです(白色の場合は厳しい制限があります)。

4. 所得控除・税額控除の活用: 個人事業主として確定申告する際、所得控除や税額控除も節税に寄与します。例えば小規模企業共済に加入すれば掛金(月最大7万円)を全額所得控除できます。これは将来の退職金準備にもなる制度で、小規模事業者の強い味方です。節税と将来の資金形成を兼ねて、利益が出た年は加入を検討しましょう。また、セルフメディケーション税制(一定の医療費控除)やふるさと納税(寄附金控除)も個人ならではの節税策です。事業所得だけでなく総合課税の世界で節税できる余地がないか、広い視野で検討します。

5. 消費税の届出関係: 初年度は売上1,000万円以下なら消費税は免税ですが、設備投資に大きな消費税を払っている場合、あえて消費税課税事業者を選択して還付を受ける選択肢があります。例えば初年度に500万円の内装工事を行い50万円の消費税を支払っていたら、課税事業者になって申告すればその50万円が還付される可能性があります。ただし翌期以降も課税が続くなど慎重な判断が必要です。この届出(課税事業者選択届出書)は原則として適用を受けたい期の前期末(開業初年度はその年度中)までに提出が必要なので、開業初年度に決断する必要があります。多額の投資をした初年度ならではの検討事項なので、税理士と相談して決めましょう。

6. 初年度赤字を有効活用: もし開業初年度が赤字で終わりそうなら、それはそれでチャンスです。青色申告であれば、その赤字は3年間繰り越せるので、次年度以降の黒字と相殺できます。ただ、繰り越すだけでなく、思い切って経費を計上できるものは計上してさらに赤字額を大きくするのも一つの手です。例えば迷っていた備品購入を決行してもっと赤字を増やしておけば、翌年以降の利益を大きく食い潰すことができます(もちろん無駄遣いは禁物ですが、必要なものなら早めに買って損はありません)。赤字は税金という面では大きな武器なので、しっかり記録しておきましょう。なお、もし過年度に黒字があって税金を払っていた場合には、青色申告なら純損失の繰戻し還付という制度で所得税の還付を受けることも可能です。ただし新規開業年度の赤字については前年がないのでこのケースは該当しません。

以上のような視点で、開業初年度を締めくくると良いでしょう。初めての確定申告は不安かもしれませんが、税理士がいれば適切に節税しつつ申告書を作成してくれます。個人塾オーナーの方には「こんなに経費に落としていいんだ!」と驚かれることも多いです。我々は合法的に使える制度は全て使って、少しでも手元に残るお金を増やすお手伝いをしています。初年度の申告で躓くと後々響きますので、ぜひ専門家の知恵を借りて万全の態勢で臨んでください。

現在は個人事業で塾を運営している方も、事業が順調に成長すれば将来的に法人化(会社設立)を検討するタイミングが来るかもしれません。その際にスムーズに移行できるよう、今のうちから備えておくと良いポイントをお伝えします。

1. 預金や資産の名義を分けておく: 法人を設立すると、原則として個人と法人のお金は別物になります。したがって、事業用預金口座を用意しておけば、法人成り後にその口座をそのまま会社資産として移行しやすくなります。逆に、個人名義の口座で売上を受け取っていると、法人化した後はその口座から会社に振り替えるなど手続きが生じます。現在も事業専用口座を使うのは当然ですが、法人成り後も引き続き使う前提で整えておくと良いでしょう。また、事業に使っている車両やパソコンなど高額資産も、誰の名義かを意識しておきます。個人名義で購入しているはずですが、法人に移す際は現物出資や売買契約が必要になります。リース契約の備品なども法人への名義変更ができるか確認しておくと安心です。

2. 信用力を培っておく: 法人化してすぐは実績がない会社となりますが、実は個人事業の信用や実績を引き継ぐことが可能です。具体的には、個人名で取引していた銀行との関係を良好に保っておけば、法人設立後も引き続き融資を受けやすくなります。また、塾としてのブランドや評判も、そのまま法人格に乗せ換える形になります。したがって、個人事業時代から信用第一で経営し、金融機関との取引や周囲からの信頼を積み上げておくことが将来の法人化成功のカギとなります。

3. 適切な法人化のタイミング判断: 前述の通り、利益規模が大きくなってきたら法人化を検討しますが、その見極めは税理士に相談するのが確実です。単年で利益が出たからすぐ法人化というより、今後の成長見込み税制改正の動向も踏まえて総合判断します。例えば消費税のインボイス制度開始(2023年)のタイミングでは、免税事業者で居続けるデメリットが出て法人化する事業者もいました。このように外部環境で判断が変わることもありますので、定期的に顧問税理士と法人化について話し合う機会を作りましょう。

4. 法人化する際の手順を理解しておく: いざ法人化するとなったときに慌てないよう、基本的な段取りを把握しておきます。一般的には、(a)会社設立登記を行い法人を設立、(b)個人事業を廃業して資産・負債を法人に引き継ぐ(現物出資または売却)、(c)税務署等に個人廃業届と法人設立届を提出、(d)必要に応じて従業員の雇用契約を法人へ切り替え、などのステップを踏みます。特に注意が必要なのは、個人から法人への資産譲渡の扱いです。時価で売却したとみなされ譲渡益課税される場合や、消費税の課税問題などあります。事前に税理士としっかり計画を立て、最も税負担の少ない引継ぎ方法を選択しましょう(例えば車や備品は法人に売却せず個人から貸与する形にする等、状況によって工夫します)。

5. 人材・組織づくり: 法人化すると社長1人では運営しきれない場面も増えてきます。あらかじめ信頼できるNo.2(副塾長的な人材)やキーパーソンを育成しておくと、法人化後の組織運営がスムーズです。規模拡大に合わせて人材戦略も考えておきましょう。

最後に、税理士法人加美税理士事務所としてのアドバイスですが、無理に早期法人化を煽ることはいたしません。お客様の事情に合わせ、本当にメリットがある最適な時期をご提案します。当税理士事務所では個人事業から法人への移行支援も数多く手掛けており、登記手続きから税務面までワンストップでサポート可能です。「そろそろ会社にした方がいいのかな?」と思ったら、お気軽にご相談ください。メリット・デメリットを丁寧に説明し、ベストな判断のお手伝いをいたします。

近年はインターネットを活用したオンライン学習塾も増えています。在宅で全国の生徒に指導できるなど魅力的なモデルですが、オンラインならではの税務・会計のポイントも存在します。ここでは、オンライン塾を開業・運営する方に向けた支援内容と留意点を解説します。

オンライン学習塾であっても、事業形態が個人であれば青色申告の手続きは必須です。むしろITに親和性が高いオンライン事業者こそ、電子申告や電子帳簿保存を活用した青色申告65万円控除をフルに享受すべきでしょう。しかし、パソコンに強い方でも税務となると話は別。「経理ソフトの設定や税務署対応は面倒だ」という方も多いと思います。そこは迷わず税理士に任せることをおすすめします。

税理士に依頼すれば、開業届・青色申告承認申請書の提出から帳簿付け、確定申告書作成・電子申告まで一貫してサポートを受けられます。オンライン塾の場合、すべてのやり取りをメールやZoom等で完結させることも可能です。例えば当税理士事務所では、日本全国どこからでもオンラインでご相談いただけますし、資料もクラウド経由で共有するなどデジタル完結型のサービスを提供しています。「オンライン塾の先生にオンラインで税務サポート」というわけです。

特に、2024年以降は電子申告要件を満たさないと青色控除65万円が55万円に減額されるなどのルールがあります。税理士に依頼すれば確定申告は電子申告(e-Tax)で提出してくれるので、満額65万円控除を確保できます。オンライン事業者にとって、税理士のサポートは単に楽になるだけでなく、こうした税制メリットを確実に受けるためにも有用なのです。

また、オンライン塾を始めたばかりの方は副業的に行っているケースもあるかもしれません。例えば会社員をしながら夜や週末にオンラインで家庭教師的な塾をやっている場合などです。そのような場合でも、事業所得としてきちんと申告し、他の所得と損益通算することで節税になる可能性があります。税理士に依頼すれば、本業の給与所得や副業の雑所得等との関係も踏まえて、有利な申告パターンを検討してもらえます。

要するに、オンライン塾でも税務はプロに任せてしまいましょう。 オンラインで全国に生徒を獲得するビジネスは成長性がありますから、その分税金も増えがちです。税理士と二人三脚で節税・納税対策を講じ、利益を最大限手元に残せる運営を目指しましょう。当税理士事務所では「オンライン専門税理士サービス」も展開しており、クラウド会計とZoom面談でスピーディーにご支援いたします。

オンライン学習塾では、経費の内容やお金の流れがリアル塾とは少し異なります。特有の経費として代表的なものを挙げると、以下のようなものがあります。

  • 通信費: 高速インターネット回線の利用料、ポケットWi-Fi代、通信量プランなど。オンライン授業ではネット環境が命ですので、これら費用は必要経費として計上できます。自宅のネット回線を共有している場合も、事業で使う割合を按分して経費にしましょう。
  • 機材費: パソコン、Webカメラ、マイク・ヘッドセット、照明(リングライト等)、デジタルペン、タブレット端末など。これらの購入費用や消耗品(例えばカメラ用ケーブル等)も経費です。高額なものは減価償却となりますが、オンライン塾に必要不可欠な投資として堂々と計上しましょう。
  • ソフトウェア・サービス利用料: Zoom等のオンライン会議システムの有料プラン代、オンラインホワイトボードサービス、電子教材のサブスクリプション、学習管理システムの利用料などが該当します。クラウドサービスの月額料金は一つ一つは小さいですが、積み上がるとそれなりの額になります。これも通信教育の必要経費として漏れなく計上します。
  • プラットフォーム手数料: オンライン塾をプラットフォーム経由(例えば某オンライン家庭教師マッチングサイト等)で提供している場合、売上からシステム手数料を差し引かれることがあります。これも経費です。手数料明細を保存し、会計帳簿上「支払手数料」として処理します。
  • 広告宣伝費(Webマーケティング費用): GoogleやFacebook等へのオンライン広告費、ブログ運営費、SEO対策費などもあり得ます。HPサーバー代やドメイン更新料も忘れず経費にしましょう。

オンラインビジネスの場合、取引の多くが電子上で完結します。受け取る請求書・領収書もPDFやメールで届くことが多く、帳簿管理はデジタル中心になるでしょう。そこで注意すべきは、電子帳簿保存法への対応です。2024年から電子取引データの電子保存が完全義務化されており、メールやWebで受け取った請求書は紙に印刷するだけではダメで、電子データでの保存が必要になりました。オンライン塾のように取引がネット中心だと、この対象になる書類が多いはずです。適切な電子保存(検索機能確保等)が求められます。

この点、クラウド会計ソフトを導入すればかなり解決できます。例えばマネーフォワードやfreeeでは、メール添付の請求書PDFをアップロードして保存し、取引データとリンクさせる機能があります。要件を満たした形で電子保存できますし、スマホ撮影の領収書も取り込めます。オンラインビジネス特有の経費処理は、こうしたクラウドツールを駆使することで効率化しましょう。

なお、収入面ではオンラインならではの注意点として、決済手段の多様さがあります。クレジットカード決済やPayPal、Stripe、銀行振込など様々でしょう。入金タイミングがずれたり手数料が引かれたりするため、売上の管理・帳簿付けが複雑になりがちです。税理士に相談すれば、どのように会計処理すべきか整理してもらえます。例えば「プラットフォームから月末まとめて入金される売上は仮売上で管理しておき、手数料を経費計上する」等、適切な仕訳を組んでくれるでしょう。

まとめると、オンライン塾の経費管理は「デジタル取引を漏れなく記録し、データを正しく保存する」ことが肝心です。税理士法人加美税理士事務所はITツールにも精通しており、お客様に合った効率的な帳簿管理方法をご提案できます。当税理士事務所でも、オンラインビジネスのお客様にはできるだけ自動連携・電子保存を活用した省力化経理をおすすめしています。「経理にもIT活用!」を合言葉に、一緒にスマートな会計環境を構築しましょう。

オンライン学習塾の場合、多くは自宅をオフィス兼スタジオとして活用しているでしょう。自分の部屋で配信授業を行ったり、空き部屋を機材設置場所にしたりと、住居と事業スペースが一体になっているケースが多いはずです。その際にぜひ活用したいのが自宅兼オフィスの経費按分による節税です。

先ほど個人事業主の節で述べた内容と重なりますが、要点を振り返ります。自宅の中で事業に使っている部分があれば、その部分に対応する費用を家事関連費として事業経費にできます。具体的には:

  • 家賃(または持家の減価償却費・ローン利子): 自宅が賃貸なら毎月の家賃のうち事業利用部分の割合を経費化します。面積按分が一般的です。例えば2LDK 60㎡のマンションで、そのうち1部屋12㎡を完全に配信業務に使っているなら、家賃の20%を経費計上します。持ち家ならその部屋に相当する減価償却費や固定資産税相当額、住宅ローン利子分を計算して経費にします。
  • 光熱費: 電気代・水道代・ガス代も、仕事で使った分を按分します。オンライン授業でPCや照明を使うと電気代が増えますから、その増分を事業分として計上できます。例えば電気代1万円/月のうち、PCや照明使用時間が家の他の電力の2倍ぐらいあるなら30%程度を経費にするといった形です。細かく測定するのは難しいですが、合理的な基準で按分すれば認められます。
  • 通信費: 自宅のインターネット回線や電話代です。これも事業使用割合を決めて按分します。オンライン塾ではおそらくインターネット回線は事業目的が大半でしょうから、例えば月5000円のうち80%を経費とする、といったことも考えられます。ただしNetflixなどプライベート利用もあるなら、その分は差し引きます。携帯電話代も、事業連絡に使う比率に応じて按分してOKです。
  • その他自宅関連費: 家の火災保険料、マンション管理費、駐車場代なども按分対象になり得ます。事業で関係するなら忘れずに。

按分比率の決め方は、「面積比」か「時間比」またはその組み合わせが基本です。面積で完全に部屋を区切っているなら面積比、そうでなければ使用時間や用途で案分します。例えばリビングの一角を映像配信に使う場合、日中8時間は事業利用、残りは私用という感じで時間按分するなどです。

按分には客観性が大事ですので、メモを残したり写真を撮っておくと良いでしょう。税務署に聞かれた際、「この部屋です。机や本棚があって、このスペースは完全に仕事用です」と説明できれば十分です。

青色申告なら50%以下の按分でも認められる旨法律に明記されていますので、半分以上プライベートでも大丈夫です。白色申告では一部要件が厳しいですが、青色にしておけば安心して按分計上できます。オンライン塾の場合、自宅電気代やネット代が増えるでしょうから、しっかり経費計上して節税しましょう。

按分による経費計上は塵も積もれば山となります。家賃の20%、光熱費の30%、通信費の80%…と積み上げれば、月々数万円、年間で数十万円の経費拡大になり得ます。その分税引き後の所得が減り、節税効果が出ます。例えば年間30万円按分計上できれば、税率20%として6万円の税金減につながる計算です。オンライン塾の利益率を少しでも高めるため、ぜひ活用したいところです。

税理士に依頼すれば、最適な按分方法のアドバイスも受けられます。「このケースなら◯◯%くらいで様子見ましょう」といった具合に経験値からアドバイスいたします。当税理士事務所でも多くの在宅事業者の経費按分を扱っており、ノウハウがありますのでお気軽にご相談ください。

オンライン学習塾に限らず、現代の事業者にとって避けて通れないのが電子帳簿保存法(電帳法)対応です。特に2022年の改正電帳法施行とその後の猶予期間を経て、2024年から電子取引の電子データ保存が義務化されました。オンラインで授業を提供し、契約や決済も電子的に行う塾では、この電子取引データが数多く発生するため、しっかりとした対応が必要です。

電帳法対応を難しく感じる方も多いですが、クラウド会計ソフトや関連サービスを活用すれば実はそこまで大変ではありません。例えばマネーフォワードクラウド会計やfreee会計は、電子帳簿保存法の要件を全プランで満たしていると公表されています。それらを使うことで、領収書・請求書の画像保存や、電子取引データの検索機能確保など法要件をクリアできます。

具体的には:

  • メールやWebで受領した請求書PDFを会計ソフトのストレージにアップロードし、取引に添付して保存。これで電子取引データの原本保存と検索要件(ソフト上で取引日や金額で検索可能)が満たされます。
  • 紙の領収書等をスキャナ保存する場合も、スマホアプリで撮影してアップロードすれば、タイムスタンプ付与や改竄防止措置もソフトが対応。紙を捨ててクラウド上だけで保管できます。
  • クラウド会計ソフト自体がネット上に帳簿データを保存し、いつでも閲覧・ダウンロード可能なので、帳簿書類の電子保存としても機能します。

つまり、クラウド会計ソフトを“正しく”使うことで、電子帳簿保存法の基本要件を自動的に満たすことができるのです。自力でフォルダ管理して…というより格段に楽で確実でしょう。

税理士法人加美税理士事務所でも、お客様にクラウド会計導入を推奨し、電帳法対応をサポートしています。「何をどう保存すればいいの?」という疑問に、一件一件具体的にお答えし、一緒に設定を進めます。ITが苦手な方にも丁寧に使い方をレクチャーいたしますのでご安心ください。

また、クラウド会計の活用は電帳法対応のみならず、オンライン事業との親和性が抜群に高いです。銀行明細やクレジットカードの連携で自動仕訳したり、売上を管理したりと、先進的な経理手法が実現します。リアルタイムに数字を把握できるので、経営判断もスピーディーになります。オンライン塾をされている方はデジタルリテラシーが高いことが多いので、クラウド会計をフル活用してみてください。おそらくすぐに使いこなせるでしょう。

まとめ: オンライン学習塾の開業・運営では、税理士法人加美税理士事務所はITツールを駆使したバックオフィスの効率化とコンプライアンス確保の両面でお役に立てます。電帳法などの新しい法制度にもキャッチアップし、お客様に最適なソリューションをご提供します。ぜひテクノロジーと専門家の力を借りて、煩雑な事務に煩わされないスマートな経営を実現してください。

次に、アルバイト講師を雇用する個別指導塾のケースについて見ていきましょう。学生アルバイト等を活用して運営する個別指導塾は、多くの学習塾で採用されている形態です。このモデル特有の経営上のポイントや、税務・労務面のサポート内容について解説します。

アルバイト講師型の個別指導塾は、オーナー(塾長)が全科目を教えるのではなく、科目や生徒グループごとにアルバイトの大学生等が講師となって指導するスタイルです。例えば数学はA先生、英語はB先生といった具合に担当を分けたり、1人の講師が2~3名の生徒を受け持つ個別指導を行ったりします。このスタイルの特徴と留意点は次の通りです。

  • 授業の質の管理: アルバイト講師は指導経験が浅かったり、教える技術にばらつきがあったりします。塾として授業の質を均一に保つには、教え方の研修や教材の共有化、定期的なミーティングによる情報交換が重要です。オーナーは全体の指導クオリティの監督役に徹しなければなりません。「塾の核となる指導力をアルバイト任せにしているといずれ破綻する」という指摘もあります。アルバイト任せにし過ぎず、塾長自らが模範を示し、必要に応じて自分でも授業を持つなどの姿勢が求められます。
  • 講師の採用・定着: 大学生アルバイトは卒業や就職で数年で辞めてしまうものです。常に一定数の講師を確保するため、採用と育成を継続的に行う必要があります。求人の出し方(大学のキャリアセンターや求人サイト活用)や、働きやすい環境づくり(シフト柔軟対応、研修充実、明るい職場雰囲気)など工夫しましょう。講師が辞めると生徒にも影響が大きいので、定着率を高めることも大切です。評価制度や昇給、やりがいの提供(表彰制度等)でモチベーションを維持しましょう。
  • 人件費が主な経費: 個別指導塾では売上の多くをアルバイト講師の給与が占めます。人件費率(人件費/売上)が50%~60%にも達することは珍しくありません。利益を出すには、この人件費率の管理がカギです。生徒から頂く月謝と講師給与のバランスを常にチェックし、無駄なコマ配置がないかなど調整する必要があります。「人件費を抑えるためにアルバイトをたくさん採用しすぎると、教育コストが増えかえって負担になる」という指摘もあります。必要な人数を適正な給与で雇うことが重要です。
  • シフト管理の煩雑さ: 講師それぞれの授業コマを割り振るシフト管理はパズルのようでなかなか大変です。時間割作成ソフトを導入したり、講師間のスケジュール調整にICTを使うなどの工夫で効率化しましょう。税理士は直接は関与しませんが、IT導入補助金等でこういったシフト管理システムを導入する際の相談などにも乗れる場合があります。

このように、アルバイト講師型の塾は人の管理が肝要であり、同時にそれが経営成否を分けます。税理士としては、そうした人件費管理や採用費用なども含めて事業計画を綿密に立てるお手伝いができますし、労務管理面では社労士等と連携して支援できます。

アルバイト講師を雇うと、毎月の給与計算源泉徴収という事務作業が発生します。具体的には、各講師の勤務コマ数に応じて給与(時給×時間など)を計算し、所得税を天引きし、講師への支払いを行い、税務署へは預かった源泉税を納付する、といった流れです。これを講師人数分かつ毎月繰り返す必要があります。

個人塾の場合、こうした給与計算・源泉税管理は税理士にアウトソーシングするのが賢明です。税理士事務所では給与計算代行サービスも提供しており、従業員数が少なくても対応しています。「たかがバイトの給与計算くらい…」と思われるかもしれませんが、以下のようなメリットがあります。

  • 正確で遅れのない支払い: 人為ミスを防ぎます。特に源泉徴収額は税額表を見て計算しますが、扶養控除等申告書の有無で税率が変わる(甲欄・乙欄)など、慣れないと間違えがちです。税理士なら間違いなく計算し、給与明細書も作成してくれます。講師への支払遅延もなくなるでしょう。
  • 源泉税の納付管理: 毎月(または納期特例で年2回)源泉所得税を納付する必要がありますが、忘れると延滞税や不納付加算税といったペナルティがあります。税理士に任せれば、納付額を知らせてくれ、場合によっては納付書の記入代行やe-Tax納付の設定もサポートします。納期限管理を確実にしてもらえるため、うっかりミスによるペナルティを防げます。
  • 年末調整も対応: アルバイトとはいえ、年末に在籍していれば年末調整が必要です(掛け持ちの場合は原則不要ですが、メイン収入先なら実施)。これも税理士が一括して処理します。講師に扶養状況などを確認し、源泉徴収票を発行し、過不足税額を精算する作業は意外と煩雑です。プロに任せましょう。
  • 給与関連法令の遵守: 最低賃金改定への対応、残業代計算、有給休暇の管理など、雇用に関する法令は多岐にわたります。税理士・社労士と組むことで、労基法等に反しない適切な給与計算・労務管理が実現します。例えば残業代未払いがないか、源泉徴収票を期限内に交付しているか等、きめ細かくフォローします。

特に、源泉所得税の扱いは経営者が最もミスしがちなポイントです。アルバイトの中には年末調整対象外(Wワーク等)の人もいますが、その場合は乙欄控除で高めの税率で源泉し、各自確定申告してもらう必要があります。これを知らずに甲欄計算で足りない源泉しかしていないと、後で一括徴収なんてことにもなりかねません。税理士がいれば、各講師に適切な手続きを案内し、源泉区分を決定してくれます。もちろん、給与支払報告書の提出(毎年1月末、各市区町村別)などの事務も代行可能です。

当税理士事務所でも、アルバイト講師を多数抱える塾様の給与計算・源泉税業務を丸ごと請け負っております。「本当に全部任せていいの?」と思われるでしょうが、はい、全部お任せください。毎月の出勤データだけご提供いただければ、あとは正確に処理します。オーナー様は安心して教務と生徒募集に注力できます。専門的な計算や手続きを任せることで、時間も確保でき精神的負担も軽減されるはずです。

アルバイト講師を雇用すると、税務署や労働基準監督署、ハローワークなどへの各種届出も必要になります。主なものを整理すると:

  • 給与支払事務所等の開設届出書(税務署): 事業所で給与の支払いを開始したら1ヶ月以内に提出します。これにより税務署は源泉所得税の納付管理を行います。既に提出済みなら不要ですが、新規に人を雇った時は要チェックです。
  • 源泉所得税の納期の特例申請(税務署): 従業員が常時10人未満なら、源泉税を半年に1回まとめて納付できる特例を申請できます。資金繰りと事務負担軽減のメリットが大きいので、該当すれば提出をおすすめします。これも税理士が代行可能です。
  • 労働保険(労災保険・雇用保険)関係の届出(労基署・ハローワーク): アルバイトでも1人でも雇えば労災保険は適用事業となり、労災保険関係成立届を労基署に提出、労災保険に加入します。さらに週20時間以上かつ31日以上雇用見込みの講師がいれば雇用保険被保険者となるため、雇用保険適用事業所設置届被保険者資格取得届をハローワークに提出します。雇用保険料の天引き・納付も必要です。なお、アルバイト講師が学生であっても、週20時間以上なら雇用保険加入が必要です(学生の雇用保険加入は可。ただし昼間学生は失業手当受給できない制約はあります)。
  • 社会保険(健康保険・厚生年金)関係の届出(年金事務所): 個人事業の場合、従業員5人未満なら加入任意(特定業種除く)ですが、5人以上または法人なら強制適用となります。適用事業所の場合は新規適用届被保険者資格取得届を提出し、従業員を健保・年金に加入させます。アルバイトでも週の所定労働時間が正社員の3/4以上であれば社会保険加入対象です。最近は特定適用拡大で週20時間・月収8.8万円以上・学生でない等の要件で501人以下企業でも対象になります。学習塾は法人なら原則全員加入ですし、個人塾なら従業員少ない場合多いですが、もしフルタイム近いアルバイトが複数いるなら注意が必要です。
  • 労働条件通知・36協定届等(労基法関係): アルバイトとはいえ雇用契約書や労働条件通知書で条件明示が必要です。有給休暇の付与義務もあります。時間外労働をさせる場合は36協定を労基署提出しないと違法になります。塾は夜遅くなることもあり得るので残業抑制しつつ、協定の提出も忘れずに。社労士と連携してこうした遵法体制も整えましょう。

かなり多岐にわたりますが、税理士と社労士がバックアップすれば問題ありません。税理士は税務署関連(開設届・納期特例)、社労士は労働社会保険関連(適用届、労働契約書整備等)を担当します。当税理士事務所では提携社労士と共に、雇用開始時の役所届出から就業規則作成までトータル支援が可能です。「そんなの自分でできる」と思われるかもしれませんが、手続き漏れや記入ミスがあると後々面倒ですので、専門家に任せる安心感は大きいです。

特に大事なのは、給与支払事務所開設届労災保険加入です。労災は万一講師が通勤途中や授業中にケガをした場合に補償する制度で、未加入だと事業主が全額補償しなければならなくなります。また、給与にかかる源泉税は事業主が代理徴収して納める義務があり、怠ると罰則もあります。こうした法定の義務は確実に履行しましょう。

税理士法人加美税理士事務所では、「雇用スタートアップパック」のような形で、初めて従業員を雇うお客様向けに必要な手続きを一式ご案内するサービスも検討中です。雇う前にご相談いただければ、「何をすれば良いか」をリスト化して提供し、一つずつフォローいたします。人を雇うのは責任も増えますが、それ以上に塾として成長するチャンスです。我々も全力でサポートしますので、安心して人材活用に踏み切ってください。

アルバイト講師を雇用する個別指導塾において、人件費の管理と資金繰りは経営の生命線です。ここでは、人件費負担を踏まえた資金計画や、健全な運営のためのポイントを考えてみます。

1. 人件費の予算設定: まず、事業計画の段階で人件費に充てられる予算を明確にしておきます。売上の何割まで人件費に使って良いか目安を決め、それ以内で講師数・給与水準を設定します。例えば売上の50%を人件費上限とするなら、月謝収入50万円のとき講師給与総額は25万円まで、という具合です。もしそれを超えるようなら受け入れ生徒数と講師数のバランスを見直します。このように、人件費率を常に念頭に置いて経営することが重要です。

2. 資金繰りのタイミング: 学習塾では、一般に月初に月謝収入があり、講師へは月末や翌月払いで給与支払いという流れが多いでしょう。つまり収入が先、支出が後になります(前受金的な構造)。これは資金繰り上は有利ですが、例えば夏期講習で一時的に講師増員し支払いが増えるとか、逆に新学期前に宣伝費がかさむなど時期的ズレが起きます。毎月のキャッシュフローを把握し、支出の多い月に備えて余裕資金を持っておきましょう。人件費は固定費的要素が強いので、生徒が減ってもすぐには削減できません。売上減少時でも2~3ヶ月は耐えられる資金クッションを確保しておくことが健全運営の秘訣です。

3. 融資の活用: アルバイト講師型の塾は、人件費先行で利益が出にくい立ち上げ期を経て徐々に生徒増→利益増となるパターンが多いです。その間の運転資金が不足しないよう、創業融資や事業性融資を活用しましょう。日本政策金融公庫の創業融資なら、事業計画に人件費をしっかり計上し、軌道に乗るまでの人件費を賄える融資額を申請するとよいです。税理士法人加美税理士事務所は融資審査を説得力ある数字でサポートできますので、資金繰り計画に人件費を組み込んだ上での融資調達をぜひご相談ください。

4. 人件費削減の工夫: 給与そのものを削減するのは講師の士気に関わるので安易にやるべきでないですが、効率化により人件費負担感を下げることは可能です。例えば、空き時間の有効活用や講師1人当たりの担当生徒数の最適化、講師研修の内製化などで教育コストを抑える等です。また、生徒数が増えてきたら正社員講師を採用して、アルバイトでは対応しにくい業務(カリキュラム作成や保護者対応等)を任せ、アルバイト数を適正化することも考えられます。その際は給与体系や社保加入コストも変わりますので、税理士・社労士とシミュレーションしましょう。

5. 健全な労務管理: 人件費に関連しますが、講師の健康とモチベーションも健全な運営に直結します。過重労働や不当な待遇は結局早期離職を招き、人件費の無駄(採用・研修コストも無駄に)になります。適切な休憩や労働時間管理、報酬の公正さを確保してください。税理士から見ても、毎月の給与が安定していて離職率が低い塾は、長期的に収益性が高い傾向があります。人を大切にすることが利益につながると心得ましょう。

6. 緊急時の備え: 講師が急に辞めた、病欠が出た等でシフトが回らなくなると生徒対応に穴が空き、売上減にもつながります。多少のコストはかかっても、登録講師をプールしておいたり、オーナー自身がカバーに入れる余裕を残しておいたりすることも必要です。リスクマネジメントとして、人件費に多少バッファを持たせる運営が望ましいです。

最後に、税理士としてできる支援は、人件費を含む経営数値の定期チェックと改善提案です。例えば月次試算表を見て「人件費率が高まっているので要注意」「講師1人当たり生徒数がこの数値だと利益出てますね」などフィードバックします。数字で客観視することで、オーナーが気づいていない改善点が見えてくることもあります。当税理士事務所は単なる計算係ではなく、経営アドバイザーとしてこうした提案も積極的に行いますので、「顧問税理士をつけて良かった」と感じていただけるはずです。

健全な運営とは、適正な利益を確保しつつ、関わる全ての人がハッピーである状態と言えます。オーナーの方が安定収入を得て満足し、講師も働きやすく、生徒・保護者も質の高い指導に満足する。そんな理想を実現するため、私たちも財務面から全力でサポートいたします。

最後に、法人(会社)を設立して運営する進学塾の場合の開業支援・財務戦略について解説します。規模が大きく、本格的な進学塾(高校・大学受験等)を法人運営するケースでは、求められる税務・財務管理も高度になります。税理士の視点から、法人塾の開業時に押さえるべきポイントと、成長戦略・将来展望まで見据えた財務支援内容を述べます。

まず、法人で進学塾を開業する際の税務手続きを整理しましょう。個人開業よりも届出書類が増えますが、一つ一つ確実に行う必要があります。主なものは以下の通りです。

  • 法人設立届出書(税務署): 会社設立から2ヶ月以内に、本店所在地を所轄する税務署へ提出します。定款や登記事項証明書のコピーを添付し、資本金額や事業内容等を届け出ます。これにより法人税・法人住民税の納税地登録がされます。
  • 青色申告承認申請書(税務署): 設立初年度から青色申告を希望する場合、原則設立日から3ヶ月以内(または初事業年度終了日の前日までの早い方)に提出します。これは必ず期限内に提出し、65万円控除等の特典を享受しましょう。
  • 源泉所得税関係の届出(税務署): 役員や従業員に給与を支払う場合、給与支払事務所等の開設届出書を提出します(法人設立時に従業員がいるなら1ヶ月以内)。また従業員が常時10名未満なら源泉税納期の特例申請書も提出すると良いです。
  • 消費税関係の届出(税務署): 資本金1,000万円以上で設立した場合は初年度から消費税課税業者なので、消費税課税事業者届出書を提出します。資本金1,000万円未満なら原則2期免税ですが、あえて課税選択する場合は課税事業者選択届出書を設立初期に提出します。逆に簡易課税を選ぶ場合は簡易課税制度選択届出書を事前に提出します。進学塾の売上は基本課税売上なので、消費税戦略も重要です。
  • 法人事業概況説明書(税務署): 設立後最初の決算申告時に提出しますが、事前に各種届出とともに出す場合もあります。事業の概要を書く書類です。
  • 地方税関係の届出(都道府県・市区町村): 本店所在地の都道府県税事務所と市区町村役場(東京23区なら都税事務所)へ法人設立届出書を提出します。提出期限は自治体により概ね1~2ヶ月以内。法人住民税・事業税等の申告用です。
  • 社会保険新規適用届(年金事務所): 法人設立から5日以内(実務上もう少し後でも可)に、健康保険・厚生年金の新規適用手続きをします。これで役員や従業員が社会保険加入となります。同時に労災・雇用保険の届出も行います(ハローワーク等)。
  • 登記関連: 事業目的に「学習塾経営」等を入れているはずですが、例えば有料職業紹介業等を兼ねるなら別途許認可が必要です。通常の塾営業なら資格・免許は不要ですが、地域によっては学習塾の届出制度があるので確認しましょう(防犯目的で都道府県公安委員会等への届出を要する場合があります)。

以上を税理士・司法書士・社労士が連携してこなすイメージです。進学塾ほどの規模だと、最初から税理士顧問契約を結んでおくのがおすすめです。開業時から関与してもらえれば届出漏れもなく安心です。

特に消費税について触れておきます。進学塾の授業料収入は課税売上ですので、年商が1,000万円を超えると2期目以降消費税納税義務が発生します。ただ、新設法人は資本金1,000万円未満なら2期免税ですので、戦略として資本金をあえて1,000万円未満に抑えることがあります。しかし、売上規模が大きく初年度から控除対象仕入税額(設備投資等)が多いなら、免税期間にせず課税事業者選択した方が有利な場合もあります。例えば開校準備で1,000万円投資し100万円の消費税を払っていたら、課税事業者になれば還付を受けられます。この判断は税理士と事前にシミュレーションして決めると良いでしょう。

また、法人は設立1期目が短い(例えば10月設立で初年度12月決算など)と、青色申請期限が3ヶ月以内でも実質1期目末までになるケースもあります。このような細かい部分も税理士がいれば確実に管理できます。

まとめ: 法人塾の設立時は、税務署・自治体への届出を漏れなく行い、青色申告・消費税など各制度の選択を適切にすることが肝心です。税理士法人加美税理士事務所では、これら一連の手続きを開業支援パッケージとしてサポート可能です。書類作成から提出までお任せいただければ、煩雑な手続きから解放され、本業準備に集中できます。特に創業間もない忙しい時期に、こうした手続きをアウトソーシングするメリットは大きいと考えます。

法人運営の進学塾では、法人ならではの経理体制を早期に構築することが成功の鍵となります。個人事業と比べてお金の流れ・帳簿管理の複雑さが増すため、しっかりした仕組み作りが必要です。

1. 帳簿と会計ソフト: 法人では複式簿記が前提であり、決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成義務があります。したがって、早めに法人向け会計ソフトを導入し、日々の取引を記帳する体制を整えましょう。複数教室がある場合は、支店ごとに部門管理できる会計ソフトを使うと便利です。クラウド会計でも、部門別損益を出せるものがあります。科目体系も塾業界に合わせてカスタマイズすると良いです(例えば「講師給与」「教材仕入」「模試費用」等、詳細な内訳科目を設定)。税理士法人加美税理士事務所ではこれら初期設定からサポートできます。

2. 内部牽制と職務分掌: 社員を雇う規模なら、お金の管理を一人に任せきりにしない内部統制が必要です。例えば現金出納は2人でチェック、銀行口座振込も複数承認、という具合に不正防止の仕組みを取り入れます。また、経理担当者と経営者(または税理士)が月次残高を突合するなど、定期的な監視も行います。規模が大きくなれば、経理部門スタッフを配置し、請求・支払・記帳の役割分担も決めましょう。税理士は顧問という立場でこの内部統制を支援し、必要に応じて記帳代行や月次監査に入ることで信頼性を高めます。

3. 資金管理: 法人塾では銀行口座も複数(本店・各校舎分や授業料引落用等)になり、資金移動も発生します。資金管理表を作成し、各口座の残高と資金用途を明確にします。また、売掛金(授業料未収)や前受金(先取り月謝)の管理もしっかり行いましょう。規模によってはキャッシュフロー計算書も作成し、資金の流れを把握します。税理士はこうした資金繰り表の策定や予実管理もサポートします。

4. 在庫・教材管理: 進学塾では教材や問題集を販売したり、自社でテキストを制作することもあります。これら在庫は決算時に棚卸資産として計上しなければなりません。教材在庫の管理は経理面からも重要で、無駄な在庫は資金を圧迫するため適正在庫を維持する必要があります。税理士と相談し、棚卸評価方法(原価法or低価法)を届出したり、不要在庫の処分による損金計上も検討します。

5. 経理規程の整備: ある程度の規模になれば、経理規程(会計方針)を作っておくと良いです。減価償却の方法、引当金の基準、費用処理のルールなどを社内規程化し、経理のブレをなくします。塾業界特有のものでは、例えば模試など外部試験の費用の処理(生徒から徴収した模試代と支払模試料の対応)などが挙げられます。税理士が経験に基づき適切な処理を提案できます。

6. クラウドシステムの活用: 多教室展開する場合はクラウド型会計で本部と各教室間でデータ共有すると効率的です。また、給与計算や請求管理もクラウド人事システム・学習塾管理システムを導入し、経理ソフトと連携させると手間が大幅に省けます。税理士はIT導入についても助言可能で、IT導入補助金を活用したシステム構築なども支援します。

法人塾では経理体制の構築=経営基盤の強化に直結します。正確な数字が把握できなければ経営判断を誤りますし、不正やミスがあれば信頼失墜にもなります。税理士法人加美税理士事務所は、単に帳簿をつけるだけでなく、お客様の組織規模やニーズに合わせた経理体制の整備をお手伝いします。必要ならば社員向けの経理研修を行うことも可能です。強い組織には強い経理あり——私たちはその信念で、塾経営の縁の下を支えます。

法人運営の塾では、毎期末に決算業務法人税等の申告が必要です。これはかなり専門性が高く時間もかかる業務なので、税理士のサポートは不可欠と言えるでしょう。税理士がどのように関与し、何をサポートしてくれるのか具体的に説明します。

  • 月次決算と決算前検討: 税理士は毎月または四半期ごとに帳簿をチェック(巡回監査)し、決算に向けて早め早めに問題点を洗い出します。例えば経費の計上漏れはないか、損益は予測通りかなどを確認します。決算前に節税策(備品購入や賞与支給のタイミング等)を提案し、決算対策を実施します。
  • 決算整理仕訳の計上: 決算期になったら、減価償却の計上、貸倒引当金や賞与引当金の設定、売上の計上漏れや経費見越しの計上など、決算整理仕訳を行います。これは税務知識がないと難しい部分で、税理士が的確に処理します。進学塾特有のものでは、翌年度の授業料前受金や、返金不要の入学金の収益計上タイミングなどがありますが、これも正しく計上します。
  • 法人税・地方税の申告書作成: 決算数字が確定したら、法人税申告書、法人事業税・住民税申告書を作成します。税額計算では各種別表を作成し、損金不算入項目の調整や税額控除の適用、地方税の税率区分判定など行います。税理士はここが専門ですので、塾特有のもの(教育研修費の扱い等)も含め最適に計算します。例えば中小企業向けの所得拡大促進税制や交際費の損金算入の特例など、適用漏れがないようにします。
  • 消費税の申告: 一定規模以上になれば消費税申告も毎期発生します。税理士は売上・仕入に対する消費税計算を行い、控除漏れがないかチェックします。塾の場合、外注講師への支払いや設備購入にかかる消費税は控除対象ですので、正確に処理します。また、簡易課税を選択している場合でも税率区分をチェックし正しい税額を算出します。
  • 税務署・自治体への申告代理提出: 税理士は電子申告により税務申告を代理提出します。これにより納税者の負担は大きく軽減します。申告期限も管理し、延長申請(例えば決算期を1ヶ月延長する申請)が必要な場合も代理で行います。
  • 決算報告・分析: 税理士は作成した決算書を経営者に説明します。単なる数字の羅列でなく、売上増減や費用構造、利益率、経営指標などを分析・報告します。「講師人件費率が昨年より5%上昇、利益率低下」「生徒数当たり広告費は適正」など具体的にフィードバックし、次年度の改善点を提案します。また納税額も説明し、資金繰りを確認します。必要ならば納税猶予制度や分割納付の相談にも乗ります。
  • 税務調査対応: 規模が大きくなると税務調査も入る可能性があります。その際、税理士が立ち会い、経理担当と一緒に調査官の質問に答えます。塾業界では売上の漏れ(授業料の現金徴収等)をチェックされやすいですが、税理士が帳簿の整合性を説明し、問題なければ是認となります。万一指摘があった場合も、税理士が間に入って円滑に是正処理を行います。

このように、税理士の決算申告サポートは単なる作業代行ではなく、経営パートナーとしての役割も果たします。経営者にとって決算は会社の成績表を見る大切な機会です。その機会を最大限有効にするために、税理士の客観的視点や専門知識が役立ちます。

当税理士事務所も多くの法人顧問先で、決算報告会を実施し、次年度へのアクションプランを一緒に考えています。特に進学塾のように競争が激しい業界では、経営のPDCAが重要です。決算分析はPlan-Do-Check-Actの「Check」に相当します。それを税理士と共に行い、「では次はこうしよう」というActを決めていく。これにより年々強い財務体質と安定成長が見込めます。

法人塾の経営者様には、ぜひ税理士を頼っていただきたいです。節税はもちろん大事ですが、それ以上に会社を良くするための財務戦略を一緒に描くことができます。我々の成功はお客様の成功ですので、忌憚のない意見・提案もさせていただきます。「こんなことまで言ってくれるとは」と驚かれるぐらい踏み込んだサポートを提供しますので、信頼してなんでもご相談ください。

進学塾を法人で運営する場合、規模が大きくなるにつれて資金計画の重要性が増します。教室展開や広告投資、人件費増などで支出も多額になるため、綿密な資金繰り管理と改善策が不可欠です。税理士法人加美税理士事務所がどのように関与できるか、具体策を挙げながら説明します。

1. 長期資金計画の策定: まず中長期の視点で、事業計画に基づく資金計画を策定します。例えば3年後に新校舎を開く、そのために自己資金〇円と融資〇円が必要、といった計画です。税理士は売上・利益予測から内部留保(利益剰余金)の推移を試算し、いつどれだけ外部資金が必要になるかを経営者と共有します。開業支援だけでなく、開業後の増床・新教室開設等のフェーズも見据えて資金戦略を練るのです。

2. 融資の活用と交渉: 資金需要に応じて、銀行融資や公的融資制度を活用します。税理士は融資申込に必要な事業計画書・試算表の作成を支援し、金融機関との交渉でもアドバイスします。塾業界では生徒数や契約期間等が安定性の指標となり、銀行は慎重になりがちですが、税理士が数字の裏付けを示し説得します。例えば「前年対比生徒数10%増、安定成長中」等をアピールし、運転資金貸付や設備資金を有利な条件で引き出せるようサポートします。

3. 資金繰り改善策: 資金繰りに余裕を持たせるため、入出金のタイミング調整コスト削減の提案を行います。具体的には:

  • 授業料の前払い期間を長くしてもらう(例えば年払コースを設け割引する)ことで、手元資金を先に得る。
  • 家賃交渉や仕入先との支払条件見直しで、支払いを遅らせるor減額する。
  • 閑散期に集中して出て行く費用(例:春の新入生募集広告費)に合わせ、融資や内部資金のブリッジ計画を事前に練る。
  • 不要な固定費の見直し(電気代プランの変更、備品リースの契約見直し等)。
  • 税金の予測と積立(法人税・消費税は後払いなので、利益が出たらその分を別口座に積んでおく)。
    税理士は数字を分析して、「ここを改善すれば月△△万円キャッシュが増えますよ」という具体策を提示します。

4. 収益性の分析: 資金繰り改善には根本的には収益性向上が必要です。税理士は校舎別・コース別の収支分析を行い、儲かっている部門とそうでない部門を見極める手助けをします。例えば高校部門は黒字だが中学部門は赤字などの情報が得られれば、経営者は戦略を練り直せます。不要な部門を縮小して資金を本業に集中させるなどの決断も支援します。

5. 緊急時対応: コロナ禍など想定外の事態で一時的に資金難に陥る場合もあります。その際は、税理士が素早くセーフティネット貸付助成金の情報を提供し、申請手続きをサポートします。またリスケジュール(返済条件緩和)の銀行交渉にも同席し、適切な折衝を行います。塾業界もオンライン化対応などで資金繰りに苦労した事例がありましたが、我々はその都度きめ細かく支援してきました。

6. 内部留保の最適化: 会社にお金を残しすぎても将来のM&Aや事業承継で課税リスクが出ます。かといって取り崩すと投資能力が落ちます。税理士は内部留保の適正水準を一緒に考えます。例えば2ヶ月分の経費は常にプール、その上は将来投資か役員報酬で分散、など社長個人の資産形成とバランスを取る提案をします。

進学塾の運営は、人件費や広告費など重いコストがかかる分、当たれば大きな利益も出ます。稼げるときに稼ぎ、守るときは守る資金計画が肝心です。税理士法人加美税理士事務所は、数字に強い参謀としてこの資金面を常にモニタリングし、先手先手のアドバイスを行います。「もっと早く相談しておけば良かった」という声を頂戴することもあります。資金は事業の血液、その健全な流れを維持するために、ぜひ積極的に税理士を活用してください。

進学塾を法人で成功させたら、次のステップとして多店舗展開(多教室展開)を目指す方も多いでしょう。2校舎、3校舎と増えていくと、組織も大きくなり、財務管理や内部統制の重要性が飛躍的に増します。そのフェーズでの税理士の支援内容について解説します。

1. 部門別採算と管理会計: 校舎が増えると、部門別の収益管理が必須です。税理士は各校舎の損益を算出し、どこが稼ぎ頭でどこが苦戦しているかを見える化します。例えば「A校舎は定員の8割で黒字、B校舎は5割で赤字」などデータを示し、経営者が的確な判断をできるようにします。必要に応じて、不採算校のテコ入れ策(宣伝強化、責任者交代)や、場合によっては閉鎖の決断を下す材料も提供します。管理会計としてKPI(生徒数、稼働率、講師1人当たり売上等)を設定し、毎月報告する仕組みも導入します。

2. 本部機能と内部統制: 多店舗化すると、本部(本社)機能の充実が必要です。経理・人事・総務を集約して効率化しつつ、各校舎への監督を強めます。税理士は、本社経理部のスタッフと連携し、社内ルールの策定を助けます。例えば「校舎での現金管理ルール」「請求書承認フロー」「予算実績管理」といった内部統制施策です。塾長が各校舎にいますが、会計面では本社経理が一括管理、二重チェックする体制を築きます。税理士は経理部門への内部監査的な役割も果たし、帳簿の正確性を定期的に監査します。

3. 予算制度の導入: 多店舗展開期には、年度予算を立て各校舎ごとに目標を設定するのがおすすめです。税理士は過去実績と成長率から妥当な予算を策定し、経営者と調整して決定します。各校舎には売上目標・経費枠を示し、月次で予算対比をモニタリングします。達成度に応じた賞与制度などインセンティブも設計できます。税理士は予算実績差異の分析により、「どの校舎がどの科目が未達か」「原因は何か」をデータで示し、経営改善につなげます。

4. 人事労務と社保管理: 人数が増えると人件費・社会保険料の負担も大きくなります。そこで、勤務シフト管理、時間管理、残業抑制など労務管理もしっかり行う必要があります。税理士と社労士が協力して、36協定や就業規則の整備、給与テーブルの設計などを支援します。また、社員のメンタルヘルスや離職率低減策といったソフト面も含め、専門家ネットワーク(産業医紹介等)でバックアップします。人材が命の進学塾ですから、内部統制の一環として人事評価制度や教育研修制度の導入も検討します。税理士はこれらの費用対効果を数字で示しつつ、必要投資と考えられる部分は積極的に提言します。

5. ITシステム統合: 店舗が増えるほど、IT活用が不可欠です。会計、顧客管理、学習管理、勤怠管理などシステム統合して効率化・情報共有を図ります。税理士はITに明るければその選定にも関与し、生産性向上に寄与します。最近では学習塾専用の統合システムも多く、そこからデータを抽出して会計分析する仕組みも構築できます。当税理士事務所でもITアドバイザリーサービスで、クライアントのDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援しております。

6. ガバナンス(統制)の強化: 多店舗になると、現場任せではなく統一ルールで会社全体を管理するガバナンスが求められます。税理士は経営会議にオブザーバー参加したり、取締役会資料作成を補助したりして、経営陣の意思決定をサポートします。内部統制報告制度の対象規模ではなくても、上場企業さながらの統制を敷くことで、不祥事や無駄のない組織運営ができます。経理面では二重承認、監査手続きがそれに当たります。税理士は会社の良心として、時に耳の痛いことも申し上げますが、それが結果的に会社を守ることになると信じて業務に当たります。

多店舗展開は大きなチャンスであると同時に、経営管理の難易度が格段に上がる局面です。属人的経営から仕組み経営へ移行するタイミングとも言えます。税理士法人加美税理士事務所は、そうした成長段階のお客様を数多くサポートするためのノウハウがあります。経理・財務はもちろん、他士業とも連携して総合的なコンサルティングも行いますので、頼れるパートナーとしてぜひご活用ください。「お金と内部統制のことはプロに任せて、本業の教育に集中する」という状態を作り出すことが理想です。我々はその実現に向け全力を尽くします。

最後に、法人運営の進学塾が更なる発展や将来の出口戦略として直面しうる、M&A(合併・買収)事業承継について触れます。近年、学習塾業界でも中小塾を大手が買収したり、オーナーが高齢化に伴い事業承継するケースが増えています。税理士はこれらの局面でも重要な役割を果たします。

1. 事業拡大のM&A: 自社で教室を増やすだけでなく、他社の塾をM&Aで傘下に収めることがあります。その場合、税理士は財務デューデリジェンス(DD)で対象塾の帳簿を精査し、隠れ負債や粉飾がないか確認します。生徒数・講師数などのKPIから将来収益性も評価します。買収後のシナジーや統合コストも試算し、経営者に助言します。また、買収スキームによって税務が変わるので(株式譲渡か事業譲渡か、のれんの償却可否等)、最適な方法を提案します。例えば株式譲渡なら買い手側にのれん計上で償却損が出せないが、事業譲渡ならのれん償却できる等の違いです。税理士の関与で税負担を最小化した買収が可能となります。

2. 売却(譲渡)のM&A: オーナーが塾を手放して引退・他事業専念などを考える場合、M&Aで第三者に売却することがあります。その際、税理士は株式価値の算定を行い、適正な売却価格を見極めます。また、譲渡益にかかる税金(所得税20%)の概算を計算し、売却後手取り額をシミュレーションします。株式ではなく資産譲渡とした方が有利な場合も検討しますが、進学塾はノウハウ・人材が価値なので株式譲渡が一般的です。税理士は売却交渉段階でアドバイザーの一員として参画し、条件面の調整を支援します。税務上有利な条件(のれん代の分割払い、役員退職金の活用等)を引き出すための知恵も提供します。最終的に、オーナーが納得のいく金額を手にし引退できるようお手伝いします。

3. 親族内承継: お子さんなどに事業を引き継がせる場合、事業承継税制の活用を検討します。一定要件の下、株式の相続税・贈与税が猶予・免除される制度です。税理士は適用要件を満たす計画策定を支援し、都道府県知事の認定申請書作成に携わります。認定支援機関として、事業承継計画書を一緒に作ることも可能です。こうした税負担を抑えた親族承継により、後継者は財政面で無理なく事業を続けられます。一方、承継時の株価評価にも注意し、できるだけ株価を下げてから承継するテクニック(配当政策や役員退職金で純資産圧縮等)も駆使します。税理士はまさに事業承継の司令塔として、5~10年スパンで承継準備を進める役割を担います。

4. 組織再編: M&Aや事業承継に絡み、会社分割や合併などの組織再編を行うこともあります。例えば不動産管理会社と塾事業を分離する、新旧会社を合併する等です。税理士は組織再編税制を駆使し、課税を繰り延べながら再編を実現させます。適格要件を満たすスキーム設計や、株主への説明資料作成なども行います。

5. 個人保証・資産管理: オーナー社長の個人保証債務をどう外すか、退任後の年金代わりに会社からどう資金を引き出すか、といった課題もあります。税理士は銀行と協議して個人保証解除を交渉したり、退職金の金額シミュレーションと税額計算をしたりします。代表者の財産保全も大切な仕事です。

このように、塾経営の最終局面においても税理士は不可欠な存在です。むしろ出口戦略まで見据えて長期で伴走してきた税理士だからこそ、オーナーの意向をよく理解し、ベストな形で引継ぎを完了させることができます。税理士法人加美税理士事務所には、事業承継案件を成功に導くためのノウハウがあります。「自分の代で終わりではなく、次世代にバトンタッチしたい」「良い条件で会社を売りたい」といったご希望に、専門知識でお応えします。

進学塾のような人材ビジネスは、事業承継が難しい業種と言われます。しかし、早めに準備を始めれば決して不可能ではありません。税理士と二人三脚で、従業員・生徒にも迷惑をかけず、スムーズに世代交代・オーナーチェンジを成し遂げましょう。それもまた、開業支援から続く長いお付き合いの総仕上げといえる仕事です。最後まで責任をもってサポートいたします。

以上、学習塾の開業準備から運営、発展、そして将来の承継まで、税理士の視点で詳細に解説してきました。税理士法人加美税理士事務所は、これら一連のプロセスをワンストップで支援できる体制とノウハウを持っています。

私たちは、税理士としての専門知識はもちろん、教育業界に精通したスタッフが在籍し、塾経営者様の良きパートナーとなることをお約束します。開業時の創業融資サポートや各種届出代行は当たり前、日々の記帳指導から決算・申告、節税対策に至るまで丁寧に対応します。「税務相談だけでなく経営相談まで乗ってくれる」と多くのお客様から信頼を頂いております。

特に資金調達力節税提案力には自信があります。融資交渉や補助金申請にも強みを発揮します。また、クラウド会計や電子帳簿保存法への対応などITにも強く、オンライン学習塾の方へのデジタル税務サポートも万全です。

当税理士事務所自身、東京・銀座を拠点に個人事務所からスタートし、その後に法人化して税理士法人として成長してきました。その経験から、組織運営や内部統制、人材育成のノウハウも持ち合わせています。これはそのまま塾経営にも通じるものがあります。単なる税務処理に留まらず、経営全般のご相談にワンストップでお応えできるのが私たちの強みです。

さらに、税理士法人加美税理士事務所には司法書士・社会保険労務士・行政書士などのネットワークもあり、会社設立や助成金、許認可手続き、労務管理までフルサポート可能です。学習塾開業に関わるあらゆる課題をワンパッケージで解決いたします。

今まさに開業準備中で不安を抱えている方、あるいは開業後しばらく経って「経理や税金が心配」「融資を受けたいが書類が作れない」とお悩みの方、ぜひ一度私たちにご相談ください。初回のご面談・ご相談は無料で承っております。親しみやすさも大切にしており、専門用語は噛み砕いて分かりやすく説明いたします。「こんな初歩的なこと聞いてもいいのかな?」という質問も大歓迎です。私たちはお客様の発展が自分事のように嬉しく、逆にお困り事は放っておけない性分です。

学習塾の先生方は日々生徒さんのために全力投球されています。その陰で税務や経理の悩みを抱えて疲弊してほしくありません。税理士法人加美税理士事務所が全面バックアップしますので、安心して本業に打ち込んでください。「数字のことは税理士法人加美税理士事務所に任せよう」と思っていただければ、これ以上の喜びはありません。

最後になりますが、この記事をご覧になったのも何かのご縁です。もし少しでも「頼りになりそうだ」「詳しく相談したい」と感じていただけましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。当税理士事務所スタッフ一同、皆様の学習塾開業・経営の成功を心より応援しております。学習塾の開業支援なら、ぜひ当税理士事務所にお任せください! あなたの夢の実現を、私たちが全力でサポートいたします。

よくあるご質問

FAQ

学習塾の開業にあたって、税務署に提出すべき書類は何ですか?

個人事業として開業する場合は、「個人事業の開業・廃業等届出書(いわゆる開業届)」を税務署へ提出する必要があります。あわせて「青色申告承認申請書」を提出することで、最大65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。提出は原則として開業日から1か月以内、青色申告承認申請書は2か月以内が目安です。税務署への届出は、事業の信頼性確保にもつながる重要な一歩です。

開業準備中ですが、創業融資を受けるにはどのような準備が必要ですか?

創業融資を受けるためには、日本政策金融公庫などの制度を活用するのが一般的です。その際には、自己資金の確認、詳細な事業計画書の作成、開業資金や運転資金の明確な内訳提示が求められます。当税理士事務所では、事業計画のブラッシュアップから融資面談のアドバイスまで、税理士の視点で支援体制を整えています。資金調達を成功させたい方は、ぜひお早めにご相談ください。

帳簿付けに不安がありますが、税理士に任せられますか?

はい、帳簿付けが苦手な方でもご安心ください。当税理士事務所では、クラウド会計ソフトの導入支援から記帳代行サービスまで対応しております。領収書や通帳コピーをお送りいただくだけで、仕訳入力や帳簿作成を代行いたします。開業直後は特に本業に集中したい時期ですので、経理はプロにお任せいただくのが得策です。

青色申告は必ずした方がいいのでしょうか?

はい、基本的に青色申告は強くおすすめします。65万円控除の適用や赤字の繰越、専従者給与の経費算入など節税面での恩恵が大きいからです。特に学習塾などの小規模事業者にとっては、開業初年度から申請しておくことで今後の税負担を抑える大きなメリットになります。青色申告について詳しくは下記のページをご覧ください。

学習塾の開業資金はどこまで経費として計上できますか?

開業前に使用した費用のうち、事業に直接関連する支出は「開業費」として計上できます。たとえば物件探しの交通費、チラシのデザイン費、開業セミナー参加費などが該当します。これらは繰延資産として任意の期間で償却可能です。初年度に一括費用化することで節税効果を高める方法もあります。

減価償却の対象になる備品にはどのようなものがありますか?

一般的に10万円以上の机や椅子、パソコン、ホワイトボード、プリンターなどが減価償却の対象になります。中小企業者であれば30万円未満の資産について即時償却できる特例もありますので、開業初年度の設備投資には特に注意が必要です。節税につながる減価償却の具体例は、以下のページをご覧ください。

学習塾を開業したばかりでも、税理士に相談してよいのでしょうか?

もちろん可能です。当税理士事務所では開業前後の個人事業主の方を対象に、税務・経理・資金計画に関するご相談を歓迎しています。初回は無料相談も実施しており、会計ソフト未導入でも問題ありません。開業初期だからこそ、税務の土台作りが重要です。

税務調査が不安です。個人の学習塾でも調査対象になりますか?(★子ページリンクあり)

はい、個人事業であっても売上の規模や帳簿内容によって税務調査の対象になることがあります。特に青色申告をしている場合や収支に不自然な点がある場合などは注意が必要です。当税理士事務所では税務調査に備えた帳簿指導から、万が一の際のオンライン立会まで体制を整えています。税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

日本政策金融公庫の創業融資で税理士がサポートできることは?

税理士は事業計画書の作成支援、資金使途の明確化、面談対策のアドバイスなどを通じて、融資通過率の向上に貢献できます。当税理士事務所では、金融機関が重視する財務指標や数値根拠の整理も支援可能です。特に公庫融資では、税理士の関与によって信頼性が高まると評価されることが多くあります。

開業してまだ間もないのですが、法人化は検討した方が良いですか?

法人化には節税や信用力強化といったメリットがある一方で、コストや事務負担も伴います。利益が一定水準を超えた段階や、複数教室展開・雇用拡大を見据えるタイミングでの検討が有効です。法人化の判断ポイントやタイミングについては、以下の解説ページをご参照ください。

会計ソフトは何を使えばよいですか?初心者にもわかりやすいものはありますか?

初心者の方には、直感的に操作できるクラウド型の会計ソフト(例:マネーフォワード、freee)がおすすめです。当税理士事務所では特に弥生会計に精通しており、お客様のニーズに応じて最適なソフトの選定と初期設定をサポートしています。手書き帳簿やExcelでの運用も対応可能です。

開業初年度に赤字が出た場合、税務上の不利はありますか?

青色申告をしていれば、初年度の赤字(純損失)は翌年以降3年間にわたり繰り越すことができ、将来の黒字と相殺することで節税効果が得られます。つまり、赤字が必ずしも不利とは限らず、戦略的な経費計上も可能です。当税理士事務所では赤字の活用方法も含めた節税アドバイスを行っています。

開業したばかりで経理に自信がありません。丸投げでも大丈夫ですか?

はい、ご安心ください。当税理士事務所では、領収書や通帳コピーなどの資料をお預かりし、記帳から申告書作成まで一括で対応する「経理丸投げプラン」もご用意しています。会計ソフトを使わずとも、コストを抑えた効率的な方法をご提案可能です。

学習塾でも消費税の納税義務があるのですか?

通常、課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者となり、消費税の納税義務が生じます。初年度は免税でも、特定期間や資本金に応じて例外もあります。また、課税事業者をあえて選択して還付を受けることも可能です。消費税について詳しくは下記のページをご覧ください。

オンライン専門の学習塾でも税理士のサポートは受けられますか?

もちろん可能です。当税理士事務所は完全オンライン対応のため、全国どこからでもZoom面談やクラウド共有を通じて税務・経理をサポートできます。電子帳簿保存法やe-Taxなど、ITリテラシーの高い事業者様にも対応した体制を整えています。

オンライン塾の経費にはどんなものが含まれますか?

通信費、ソフトウェア利用料、配信機材の減価償却費、自宅の家事按分(電気代・家賃)などが挙げられます。オンライン事業ならではの経費処理には特有の論点もありますので、ぜひ専門家にご相談ください。節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

オンライン塾で使っている部屋の家賃や光熱費は経費になりますか?

自宅の一部を事業用に使用している場合、使用面積や時間に応じて家賃・電気代などを「家事按分」して経費計上できます。按分比率の根拠を明確にしておくことで、税務調査時にも適切に説明可能です。青色申告であれば按分率が50%以下でも認められるため、節税効果も期待できます。

オンライン塾の売上管理や帳簿付けはどうすれば簡単にできますか?

クラウド会計ソフトを活用すれば、売上や経費の入力が自動化され、取引の可視化が容易になります。特に決済手段とも連携できるソフトを選ぶことで、オンライン特有の入金管理もスムーズに行えます。当税理士事務所では、導入から日常的な使い方までサポートしています。

アルバイト講師を雇った場合、給与計算はどう対応すればいいですか?

アルバイトを雇用した場合、出勤管理と時給計算に加えて、源泉所得税の計算・納付が必要です。当税理士事務所では、給与計算ソフトの導入支援や源泉税の納付スケジュール管理、年末調整まで一括対応できる体制を整えています。講師が多い個別指導塾様には特に好評です。

講師に支払う報酬の源泉徴収の方法がわかりません。

原則として、アルバイト講師に給与を支払う場合には源泉所得税の控除が必要です。月額給与や扶養の有無によって、源泉税額表に基づく控除額が異なります。計算誤りはペナルティにつながる可能性があるため、慎重な対応が必要です。税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

給与明細は自分で作らないといけませんか?テンプレートなどはありますか?

給与明細は支払い内容を明示する義務があるため、正確に作成する必要があります。当税理士事務所では、給与計算ソフトの導入支援や、Excelを活用した明細テンプレートの提供も行っています。人数が少ない場合は無料ツールでの対応も可能ですので、状況に応じてご相談ください。

個別指導塾の店舗展開を考えています。税理士にできるサポートはありますか?

店舗展開にあたっては、資金計画・人件費試算・採算分岐点のシミュレーションなど多面的な検討が必要です。当税理士事務所では、財務分析に基づく展開プランの検討や、将来的な法人化に向けた準備支援も行っています。店舗展開について詳しくは下記のページをご覧ください。

講師の雇用契約書は税理士にも相談できますか?

雇用契約書の法的整備は社労士の専門分野ですが、給与計算・税務上の適正処理の観点から、税理士として確認・助言できる点はございます。当税理士事務所では、提携する社労士と連携し、雇用契約と給与計算の整合性を確保する体制を整えています。

人件費と利益のバランスが悪く、手元に資金が残りません。改善策はありますか?

売上に対する人件費率や固定費の比率を可視化することで、無駄な支出や過剰雇用がないかを把握できます。当税理士事務所では、月次試算表を活用したキャッシュフロー管理や、節税と利益配分の見直し支援を行っております。節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

法人で進学塾を経営していますが、複数教室の経理管理はどのようにすべきですか?

教室ごとに部門別会計を導入することで、収益性やコスト構造を明確に把握できます。クラウド会計ソフトを活用すれば、教室別の月次損益や財務状況をリアルタイムで確認できます。当税理士事務所では、組織規模に応じた経理体制の整備や導入支援も対応可能です。

将来的な事業承継を見据えて、今からできることはありますか?

早期から事業承継計画を立てておくことで、税務・法務・財務の観点からスムーズな引き継ぎが可能になります。株式の評価や相続税対策、後継者への段階的な権限移譲などを含め、長期視点での準備が大切です。事業承継について詳しくは下記のページをご覧ください。

M&Aによる塾の事業譲渡を検討しています。税理士に相談できますか?

はい、税理士はM&Aに関する財務・税務デューデリジェンスや株価算定、譲渡益課税の試算などを担当できます。当税理士事務所では、中小企業M&Aの支援に対応する体制を整えており、弁護士などの専門家との連携も可能です。早期の相談が成功の鍵です。

M&Aで得た譲渡益にかかる税金はどれくらいですか?

譲渡形態や保有期間により異なりますが、原則として株式譲渡益には約20%(所得税15%+住民税5%)の税率がかかります。事業譲渡の場合は法人税等が適用され、売却スキームによっては課税額に大きな差が出ることもあります。事業承継について詳しくは下記のページをご覧ください。

顧問契約を結ぶ場合、相談は毎月必要ですか?頻度は自由に決められますか?

顧問契約のご相談頻度は、お客様のニーズに合わせて柔軟に設計可能です。毎月のZoom面談を基本とするプランから、四半期ごとのチェックイン、チャットベースの対応を主体としたライトなプランまでご用意しています。事業の成長段階やお困りごとに応じて最適な形をご提案いたします。

税理士を変更したいのですが、引き継ぎはスムーズに行えますか?

はい、現在の税理士からの資料引き継ぎも含めて、当税理士事務所が丁寧にサポートいたします。過去の帳簿や申告データを確認し、スムーズに業務を引き継げるよう対応いたします。税理士変更に不安のある方も、まずは無料相談で状況をお聞かせください。

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