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学習塾経営者の事業承継:中長期の課題に備える重要性
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まず、事業承継の基本から押さえておきましょう。事業承継とは、文字通り事業(ビジネス)を現経営者から次の後継者に引き継ぐことです。引き継ぐ対象は経営権だけでなく、会社の場合は株式、個人事業の場合は事業用の資産や権利、人材、取引先との契約や信用、そして塾の指導方針やノウハウなど多岐にわたります。学習塾の場合、教室の運営ノウハウや生徒・保護者との信頼関係、地域で培った評判といった無形資産も大切な承継対象となります。
学習塾の事業承継には、大きく分けて以下の3つの形態があります:
- 親族内承継:経営者の子供や親族が後継者となるケースです。親族が承継者であれば経営理念の共有や利害関係者(生徒・保護者・講師)の理解も得られやすく、時間をかけて後継者教育ができるメリットがあります。一方で、適任の親族がいない場合や、親族内で事業資産の配分が不公平になるといったデメリットも指摘されます。
- 親族外承継(従業員承継):親族以外の社内人材、例えば長年勤務してきた幹部社員や教室長などに引き継ぐケースです。中小企業では近年増えている形態で、優秀な人材を広く候補に選べる利点があります。学習塾でも、信頼できる講師やスタッフがいれば経営の一体性を維持しやすいでしょう。ただし、従業員が自社株を買い取る資金力の問題や、親族以外が事業を継ぐことへの親族内での軋轢など課題もあります。
- 第三者承継(M&A):親族や社内に後継者がいない場合、外部の第三者に事業を譲渡する方法です。同業他社や教育業界に参入したい企業、あるいは独立開業を目指す個人などに買収してもらう形になります。広く後継者候補を募れるため、後継者問題を根本的に解決できる点がメリットです。現経営者にとっても、株式譲渡により創業者利潤(キャピタルゲイン)を得られるという大きな利点があります。一方で、自社にとって理想的な買い手(希望する経営方針や従業員の雇用維持、納得できる買収価格など)を見つけるのは容易ではなく、生徒や講師など利害関係者への説明や理解を得るのも難しい場合があるでしょう。
以上のように、それぞれの承継方法にメリット・デメリットが存在します。学習塾経営者としては、自社の規模や経営状況、後継者候補の有無などに応じて最適な方法を選択する必要があります。例えば、「自分の子に継がせたいが資質や意思が不安」「信頼できる幹部講師がいるので従業員承継を検討したい」「身内に候補がいないので第三者への事業売却も視野に入れたい」等、それぞれのケースで準備すべきことが異なります。
いずれの場合でも共通して重要なのは、事前の計画と対策です。事業承継は法律・税金・人事など複雑な要素が絡むため、十分な準備期間と専門知識が求められます。次章では、学習塾業界特有の後継者問題や課題について掘り下げ、なぜ早めの対策が必要なのかを解説します。
中小企業全般で後継者不足が問題となっていますが、学習塾業界ならではの事情も存在します。まず、学習塾はオーナー経営者が一人で教室運営の中心となっているケースが多く、経営ノウハウや生徒募集のノウハウが経営者個人に蓄積されがちです。そのため、後継者が決まらないまま高齢となった場合、経営者が引退すると同時に事業の核が失われてしまう恐れがあります。
また、学習塾のスタッフ構成にも特有の課題があります。中小の個別指導塾などでは、非常勤やアルバイトの講師が中心で正社員が少ないことも珍しくありません。優秀な正社員講師が育っておらず、社内に経営を引き継げる人材がいない場合、親族外承継(従業員承継)の選択肢が取りにくいという問題があります。オーナーの子息が塾経営に興味を示さなかったり適性が無かったりすれば、親族内承継も難しくなります。
加えて、少子化による市場環境の変化も無視できません。生徒数の減少や競合他社・フランチャイズ塾との競争激化により、学習塾業界全体が経営努力を迫られています。その中で、事業承継のタイミングで経営の大幅な改革(例えば指導形態の転換やIT導入)を検討するケースもあります。しかし、長年の経営で確立した指導方法を大きく変えることは容易でなく、新たなノウハウ導入には人材や資金の面でもハードルがあります。後継者に代替わりするタイミングで塾の提供サービスを刷新したいと考えても、現経営者だけで対応するのは難しいため、専門家の助言や外部資本の活用(M&Aによる資本参加等)を検討する塾も増えています。
さらに、顧客である生徒や保護者への対応も塾業界特有の注意点です。塾の経営者が変わると聞けば、保護者や生徒は不安を抱きやすく、「経営者交代で今までの先生がいなくなるのでは?」「指導方針や授業料が変わるのでは?」といった心配をされることがあります。これは事業承継全般に言える課題ですが、特に学習塾は顧客との距離が近いため、その影響は大きいでしょう。事業承継時には、生徒・保護者への丁寧な説明やフォローによって安心感を与え、信頼関係を損なわない配慮が必要不可欠です。同様に、講師陣に対しても事前に方針共有し、不安を取り除く努力が求められます。優秀な講師が事業承継を機に離職してしまっては、塾の存続に支障をきたすため、人材流出を防ぐ対策も重要な課題となります。
まとめると、学習塾の事業承継には以下のような特有の課題があります:
- 後継者不足:親族も社内人材も候補が見当たらず、放置すれば廃業リスクが高い。
- 属人化した経営ノウハウ:経営者個人に依存した運営体制を見直し、引き継ぎ可能な形にする必要。
- 業界環境の変化:少子化や教育サービスの多様化に対応するため、事業承継を契機に新サービス導入や業態転換を図るニーズ。
- 顧客・従業員対応:生徒・保護者・講師への周知と理解促進に努め、不安や離脱を防ぐコミュニケーション。
- 税務・法務の専門知識:後述するように、事業承継には相続税・贈与税や契約手続きなど専門知識が伴うため、経営者自身が対応しきれない領域が多い。
こうした課題に直面するからこそ、早めに事業承継に着手することが肝心です。次項では、事業承継対策を先延ばしにせず早期に取り組むことで得られるメリットについて解説します。
事業承継の準備は「いつか引退が見えてきてから考えればよい」と思われがちですが、実際にはできるだけ早期に取り組むことが望ましいです。その理由として、早めの対策がもたらす以下のメリットが挙げられます。
1.選択肢と準備期間を十分に確保できる:事業承継の方法選びから実行完了までには相応の時間と手間がかかります。例えば、親族や社員に継がせる場合、理想的な後継者を育成するには5~10年程度要するとも言われます。比較的スピーディーと言われるM&Aによる承継でも完了までに1年半程度はかかるのが一般的です。早めに着手すれば、それだけ十分な準備期間を確保でき、自社に最適な承継手法を慎重に選択できます。反対に高齢になってから慌てて準備を始めても、体力・気力の衰えも相まって理想の事業承継を完遂できない恐れがあります。将来の選択肢(親族内か第三者か等)を増やすためにも、中長期的視点で計画を練ることが重要です。
2.後継者育成と円滑な引継ぎが可能になる:早めに後継者候補を想定しておけば、経営ノウハウの伝承や人脈の引継ぎを段階的に進めることができます。例えば、子息を大学卒業後に一度外部企業で勤務させ、経営全般の経験を積ませてから塾に戻り継がせる、といった計画も立てやすくなります。あるいは信頼できる講師に管理職を任せ、徐々に経営に関与させることでスムーズなバトンタッチを図ることも可能です。時間的余裕があれば、現経営者と後継者が一定期間ともに経営する「段階的承継」も実現しやすく、周囲の生徒・保護者や従業員にとっても違和感のない自然な引継ぎとなるでしょう。
3.事業価値の向上と承継コストの最適化:計画的に事業承継を準備する過程で、自社の財務内容や経営体制を見直すことは事業価値向上にもつながります。例えば、簿外になっている資産・負債を整理したり、顧客管理や教材開発のノウハウをマニュアル化することで、「見える化」された強い塾経営を実現できます。これは将来の承継時に後継者が引き継ぎやすいだけでなく、第三者に事業を評価してもらう際にも高い評価額につながります。実際、学習塾業界では大手企業による中小塾の買収ニーズも高まっており、経営内容が整備された塾ほど有利な条件でM&A成約しやすい傾向があります。また税務面でも、後述する事業承継税制の特例を活用するには事前計画の策定・認定手続きが必要となり、早めの準備が欠かせません。さらには、中小企業庁等が実施する「事業承継・引継ぎ補助金」など、公的支援策の活用機会も得られます。これら補助金は、事業承継時の専門家活用費用や新たな取り組み(経営革新)の費用を一部補助してくれる制度であり、早期から情報収集し計画しておけば資金面の負担軽減にもつながります。
4.ステークホルダー(利害関係者)の信頼維持:早めに事業承継の方向性を決めておくことで、主要な利害関係者への配慮や根回しを計画的に行えます。例えば、生徒や保護者には「○年後には息子が教室長になります」「将来的に◯◯先生に経営をバトンタッチする予定です」等と予め知らせておくことで、心の準備を促すことができます。重要講師に対しても将来の処遇を早めに相談し、承継後も働き続けてもらえるようモチベーションを維持する策を講じられます。金融機関や取引業者にも事前に方針を共有し協力を仰ぐことで、承継後も取引関係が安定しやすくなります。突然の引退発表で周囲が驚く状況を避け、「計画的な事業承継」として社内外の関係者の理解と協力を得られる点も、早期対策の大きなメリットです。
以上のように、事業承継は「思い立ったが吉日」です。特に学習塾業界では教育サービスの質維持が最優先となるため、経営者交代によるブランクや混乱は極力避けねばなりません。そのためにも、現役でバリバリ働けるうちから将来の承継に向けた布石を打っておくことが肝要です。「まだ先の話」と思われるかもしれませんが、備えあれば憂いなし。次章では、経営者のタイプごとに異なる事業承継の課題と対策について具体的に見ていきましょう。
学習塾経営者と一口に言っても、その置かれた状況や事業規模は様々です。ここでは、学習塾経営者を4つのタイプに分けて、それぞれに特有の事業承継上の課題と対策を考えてみます。ご自身の状況に近いケースを参考に、どのような準備や専門家支援が必要かチェックしてみてください。
≪対象となる経営者像≫:現在まさに学習塾の新規開業を計画している、または開業して間もない個人事業主の方。これから塾を立ち上げる段階で、将来の事業承継まで見据えておきたいと考えるケース。
≪直面する課題≫:開業準備中の経営者にとって、事業承継は遠い未来の話に思えるかもしれません。しかし、開業時の選択や準備が将来の承継を左右する場面は少なくありません。例えば、「開業時に法人化すべきか、個人事業主として始めるべきか」という判断は、その後の事業承継のしやすさに影響します。個人事業としてスタートした場合、事業を第三者に譲渡する際は顧客リストや設備など個別の資産譲渡契約が必要になりますが、法人として開始しておけば会社ごと株式譲渡で引き継げるため手続きが比較的簡便です。また、開業当初から青色申告の届出を行い適切に帳簿を付けておくことで、節税効果を享受しつつ事業の実態を正確に把握でき、将来の承継時に正当な事業評価を受けやすくなります。
≪対策・提案≫:まず、開業段階では事業を軌道に乗せることが最優先ですが、「いつか自分が第一線を退くとき、この塾をどうしたいか」を念頭に置いて経営戦略を立てておきましょう。ご家族に後を任せたいのか、信頼できる教え子や社員に将来譲りたいのか、それともゆくゆくは事業売却も辞さないのか――方向性によって備えるべき施策も異なります。事業計画書を作成する段階で、事業の出口戦略(エグジット)についても一考してみることをおすすめします。具体的には、「〇年後に〇教室まで拡大し、その頃には後継者にバトンタッチする」「将来は大手フランチャイズに加盟して運営を任せる」等、ざっくりとしたイメージでも構いません。こうした将来像が描けていれば、中長期の視点で経営資源の投資配分や組織作りを進められます。
また、創業段階では資金繰りや集客など課題山積ですが、専門家の開業支援を受けることで負担を軽減できます。税務署への開業届提出、青色申告の承認申請、会計ソフトの導入、融資を受けるための創業計画書作成など、税理士事務所では開業時の各種手続きをサポート可能です。当税理士事務所でも開業支援サービスを提供しており、事業の立ち上げ段階から税務・会計面でバックアップいたします。開業支援について詳しくは下記のページをご覧ください。
開業時に税務のプロと顧問契約を結んでおけば、日々の記帳・申告代行はもちろん、将来的な事業承継に関する相談も継続して行えるため安心です。「最初の一歩から将来の出口まで一貫してサポートできる体制」が整っているのが当税理士事務所の強みでもあり、開業準備中の段階からぜひお気軽にご相談ください。
≪対象となる経営者像≫:オンライン教材・オンライン指導を主力とした学習塾を運営している個人事業主の方。対面教室を持たず、ウェブサイトやアプリを通じて全国の生徒にサービス提供しているケースや、自宅からオンライン個別指導を行っているケースなどが該当します。
≪直面する課題≫:デジタル時代ならではのオンライン塾の事業承継には、従来の対面型学習塾とは異なる観点での対策が必要です。まず、オンライン塾の場合、経営者個人がカリスマ講師・インフルエンサー的な存在となっており、集客の要になっているケースがあります。この場合、経営者=看板講師であるため後継者へ事業を引き継ぐハードルが高くなります。生徒や保護者が「○○先生だから受講している」という状態ですと、経営者交代時に顧客離れが起きるリスクが大きいでしょう。さらに、オンライン塾ではウェブサイトのドメインやYouTubeチャンネル、会員データベース、教材コンテンツの著作権などデジタル資産の承継も課題となります。経営者個人のアカウントで管理しているSNSやプラットフォームがあれば、それらを後継者に移管する手続きも必要です。また、ITシステムやサーバーの運用知識が後継者にないと事業継続が難しいため、技術面でのノウハウ引継ぎも重要な論点です。
≪対策・提案≫:オンライン塾経営者が事業承継を円滑に行うためには、いくつかのポイントがあります。
- ブランドの個人依存度を下げる:経営者個人の名前やキャラクターに依存しすぎないブランド戦略を検討しましょう。例えば、複数の講師を前面に出してチームで指導しているイメージを作ったり、経営者以外の優秀な講師を副代表格として育成・PRするなどです。後継者候補となる人にも徐々に露出してもらい、生徒・保護者との接点を増やしておくことで、交代時の心理的ハードルを下げられます。
- デジタル資産の棚卸と共有:ウェブサイトやSNSアカウント、顧客管理システムなど、オンライン塾が持つあらゆるデジタル資産をリストアップし、現経営者だけが知っているログイン情報や運用方法を見える化しておきます。可能であれば事業用の公式アカウントを用い、個人の私的アカウントに依存しない形に切り替えておきましょう。著作権やライセンス契約がある教材についても契約関係を整理し、後継者に適法に引き継げる状態にしておきます。
- IT運営ノウハウの移転:後継者がITに明るくない場合は、現在利用しているシステムの操作マニュアルを作成したり、外部のITサポート担当者を巻き込んで支援体制を構築することも検討してください。場合によっては、事業承継時に外部のIT企業と提携し、システム保守を委託することで技術面をカバーする方法もあります。
オンライン学習塾は物理的な教室を持たない分、事業譲渡の柔軟性が高く、全国の潜在的な買い手にアプローチできる強みもあります。「オンライン×教育」に関心を持つ異業種企業が事業提携や買収に名乗りを上げてくる可能性もあり、第三者承継(M&A)のチャンスも広がっています。実際、少子化に伴う業界再編の中で学習塾業界ではM&Aが活発化しており、特にITを活用した塾形態に注目が集まっています。こうした動きも視野に入れ、将来的に有利な提携・譲渡ができるよう財務資料や契約類の整備を進めておくと良いでしょう。
なお、当税理士事務所ではオンラインで全国対応の税務顧問サービスを提供しており、遠方のオンライン塾経営者の方にもスムーズに対応可能です(詳細は後述の「オンライン対応で全国どこからでもサポート」をご参照ください)。デジタルに強い税理士が在籍しておりますので、オンラインビジネス特有のご相談も安心してお任せください。
≪対象となる経営者像≫:地域密着型の小規模な個別指導塾を営む個人事業主の方。正社員は経営者本人のみで、その他は大学生アルバイト講師や非常勤講師で運営しているケースが該当します。
≪直面する課題≫:アルバイト講師中心の塾では、経営者である塾長が現場の要です。生徒募集からカリキュラム作成、時には授業まで塾長自ら対応していることも多く、「塾長=塾そのもの」という状況になりがちです。そのため、塾長が引退すると同時に塾の存続が危うくなるリスクがあります。後継者候補となりうる正社員講師がおらず、親族内にも引き継ぎ手がいない場合、廃業か第三者への譲渡かという厳しい選択に迫られることもあるでしょう。
また、アルバイト講師は勤務期間が限定的であることが多く、事業承継のタイミングで主要講師が卒業・就職等で一斉に抜けてしまうケースも考えられます。せっかく後継者を迎えても教える人手が足りなくなっては経営が成り立ちません。人材面の引継ぎという意味でも、個人事業主型の小規模塾は継続性に課題を抱えやすいのです。
≪対策・提案≫:このようなケースでスムーズに事業を引き継ぐためのポイントをいくつか挙げます。
- 身近な人材の中から後継者を模索:まずは現在の講師やスタッフ、あるいはOB・OGの中で、塾運営に関心と適性を持つ人がいないか探ってみましょう。過去の教え子が大学卒業後に母校の塾を引き継いだ例もあります。アルバイト講師の中でも特に熱意があり責任感の強い人材には、将来正社員登用や経営参加の道を提示してモチベーションを高めてもらうのも一計です。半歩先の右腕づくりを意識し、経営者業務の一部(例:保護者対応や広報活動)を任せて経験を積ませることで、いざという時にバトンを渡しやすくなります。
- 引継ぎプログラムの作成:小規模塾とはいえども、業務内容を棚卸して引継ぎチェックリストを作っておくことは有効です。生徒・保護者情報の管理方法、カリキュラム編成のノウハウ、各種帳票類のフォーマット、関係各所(学校やPTA等)との付き合い方など、塾長が長年にわたり培った知見を書き出し、マニュアル化しておきましょう。後継者に口頭で一から説明するのは限界がありますので、文書に落とし込んで渡せる形にしておくと安心です。
- 第三者承継(M&A)も視野に入れる:身近に適任者が見当たらない場合、早めに第三者への事業譲渡も検討しましょう。幸い学習塾業界では、独立希望の講師や競合塾など、事業引き継ぎニーズは存在します。地域密着で良質な運営をしている塾であれば、「自分で一から開業するより、既存の塾を引き継ぎたい」という人が現れる可能性もあります。その際、事業譲渡という形で教室設備や生徒契約をまるごと引き継ぐスキームを取れば、生徒や保護者にとっても授業が途切れず安心です。もちろん譲渡相手とは授業品質や方針が維持されるよう十分に話し合い、従業員の雇用や生徒対応について合意しておくことが大切です。
当税理士事務所では、こうした小規模塾の事業承継についてもきめ細やかにサポートいたします。事業承継計画の策定や必要な契約書の整備、譲渡時の適正な事業評価算定、税務上の手続きなど、税理士として専門的な面からお手伝いいたします。必要に応じてM&A仲介会社や司法書士とも連携し、最良の引継ぎ方法を一緒に考えてまいりますので、「自分の代で塾を終わらせたくないが後継者がいない」とお悩みの方はぜひご相談ください。
≪対象となる経営者像≫:複数の教室(複数校舎)を展開し、組織的な経営を行っている学習塾オーナー経営者の方。法人(株式会社や合同会社など)として塾を経営し、正社員の教室長や多数の講師を抱えている中堅規模以上のケースが該当します。
≪直面する課題≫:複数教室を展開する進学塾ともなると、事業承継には一段と慎重な計画が求められます。規模が大きいだけに、後継者の育成や株式の承継、従業員の処遇、取引先・金融機関との関係維持など、一連の課題も複雑です。社内に有能な幹部候補がいれば親族外承継(従業員承継)も選択肢となりますが、そうでない場合はM&Aによる第三者承継が現実的な戦略となるでしょう。
一方、同族経営でお子様や親族を役員に入れている場合でも、「親族だから適任」と安易に決められないのが難しいところです。大規模化した学習塾では、求められる経営能力も専門的かつ高度になります。親族内で承継するにせよ、継ぐ方の経営手腕を客観的に見極め、必要なら外部人材を招聘するといった判断も必要です。
株式を後継者に譲渡・相続する際の自社株評価額も大きな問題です。進学塾を運営する法人が蓄積してきた利益や資産が多いほど、株式の評価額(相続税評価額)は高額になります。例えば、純資産が大きい企業はその分株価も高く算定されるため、代表者の相続の際に莫大な相続税が発生し、事業継続を圧迫する恐れがあります。この事業承継税負担への対策が、大規模法人の事業承継では避けて通れない課題です。
≪対策・提案≫:複数教室を展開する法人塾のケースでは、経営戦略と財務戦略を一体で考えた事業承継計画が必要です。
- 後継者候補の早期選定と育成:社内昇格か社外招へいかを含め、少なくとも経営交代の数年前には後継者を決め、引継ぎ準備を開始しましょう。後継者には現経営者と共に経営課題に取り組ませ、取引先や主要顧客(学校関係者など)への引き合わせも進めます。企業理念や教育方針を十分に共有し、二人三脚で経営移行する期間を設けることで、承継後のギャップを小さくします。
- M&A戦略の検討:後継者不在の場合や、事業を更に飛躍させるために外部資本を導入したい場合は、M&Aも前向きに検討しましょう。幸いなことに、教育産業全体では後継者問題を背景にM&Aが活発化しており、大手企業が中小の学習塾を買収する動きも増えています。M&Aにより得られるメリットとして、後継者問題の解決や事業存続はもちろん、生徒・講師を維持したまま経営移行できる点、買い手企業のノウハウやシステムを導入することで教育サービスの質向上や新サービス提供が期待できる点が挙げられます。現経営者にとっても、株式売却益を得て創業者利益を手にするとともに、従業員の雇用も守られる可能性が高まります。もっとも、買収側の意向によっては組織再編や人員整理が行われるケースもあり得るため、譲渡条件の交渉では自校の教育理念が尊重されるよう求めることが大切です。当税理士事務所では学習塾のM&A支援実績も豊富で、信頼できるM&A仲介会社とのネットワークもございますので、初期段階のご相談からぜひお声がけください。
- 事業承継税制や節税策の活用:資産規模の大きい法人では、後継者への株式承継に莫大な税金が伴う可能性があります。そこで活用したいのが事業承継税制の特例措置です(詳細は後述)。特例を使えば、一定条件下で株式にかかる相続税・贈与税の納税が猶予され、最終的に全額免除も可能となります。この制度を利用するには事前の計画策定や都道府県への申請が必要なため、早めに専門家に相談しましょう。また、事業承継前に会社の資産構成を見直す節税策も考えられます。例えば、社内留保金(内部留保)が多い場合は事前に役員退職金の支給や設備投資に充てて資産規模を圧縮する、複数ある関連事業を分社化して承継対象から外す等、株価引下げの対策も一案です。ただし、行き過ぎた資産移転は事業承継後の会社運営に支障が出かねませんので、税理士と十分相談の上で最適な方法を検討しましょう。
大規模な学習塾の承継には、税理士・公認会計士・弁護士等のチームで取り組むことが多くなります。当税理士事務所(税理士法人加美税理士事務所)では、他士業や金融機関との連携によるワンストップ支援体制を整えております。経営全般から財務・税務まで見据えた包括的な事業承継対策をご提案可能ですので、「自社に合った専門家チームで承継準備を進めたい」という法人経営者の方もぜひご相談ください。
事業承継を進める上で、税制面やM&Aに関する知識も欠かせません。特に、中小企業の円滑な事業承継を支援するための事業承継税制という特例制度が設けられており、条件を満たせば相続税・贈与税の大幅な軽減が可能です。また、株式や事業用資産を承継する際の一般的な税金対策、第三者承継(M&A)のメリットや税務上の留意点、さらに節税も織り込んだ事業承継計画の考え方について、順に解説します。
事業承継税制とは、中小企業の事業承継に伴う相続税・贈与税の負担を大幅に猶予・免除する特例制度です。学習塾を含む中小企業の経営者が後継者に株式や事業用資産を贈与・相続する際、この制度を活用すれば本来発生する多額の税金の納付を将来に先送りしたり、一定条件下で最終的に税金をゼロにすることができます。
事業承継税制には、法人版(会社の株式を承継する場合)と個人版(個人事業の事業用資産を承継する場合)があります。学習塾経営者の場合、会社組織で塾を運営していれば法人版、個人事業主として運営していれば個人版の適用を検討することになります。法人版では、2018年度税制改正で導入された特例措置により非常に有利な制度設計となっており、一定の条件を満たせば全株式に係る相続税・贈与税の100%猶予(実質ゼロ免除)が受けられます。例えば、自社株評価額が1億円で本来数千万円の相続税がかかるケースでも、この制度を使えば納税を全額猶予・免除でき、後継者が税金の心配なく事業を引き継げる可能性があります。
ただし、事業承継税制を利用するには満たすべき要件や踏むべき手続きがあります。主な要件としては、「会社規模が中小企業基本法上の中小企業であること」「後継者が会社の経営を継続すること(役員就任や5年間の雇用維持等)」「先代経営者と後継者が一定期間内に株式の譲渡や廃業をしないこと」などが定められています。特例措置を受けるためには、事前に特例承継計画(法人版)または個人事業承継計画(個人版)を作成し、都道府県知事の確認を受けておく必要があります。この計画には、承継時期や後継者、承継方針などを記載し、基本的には税理士等の認定支援機関の指導助言を受けた上で提出します。
期限にも注意が必要です。2025年の税制改正により、事業承継税制の適用期限は法人版が2027年12月末、個人版が2028年12月末まで延長されています。一方で、先述の特例承継計画等の提出期限は2026年3月末と定められており、これを過ぎると特例の適用が受けられなくなるため要注意です。つまり、学習塾の経営者がこの恩恵を享受するには、遅くとも2026年3月までに計画策定・提出を済ませておかなければなりません。計画作成には一定の時間がかかる上、専門的な判断も必要となるため、できるだけ早く税理士に相談して準備を進めることをおすすめします。
要件さえ満たせば非常に強力な節税効果を発揮する制度ですが、一方で「後継者が一定期間会社を継続しなければ猶予税額を納める必要がある」「制度利用後に事業承継計画から逸脱した事態が起きるとペナルティがある」などのリスク面も理解しておく必要があります。例えば、承継から5年以内に会社を畳んでしまった場合や、後継者が株式を他人に譲渡してしまった場合などは、猶予されていた税金を一括納付しなければならなくなる可能性があります。従って、事業承継税制を使う際は、承継後も含めた長期的な経営見通しを立てた上で判断することが大切です。
(※2025年6月に執筆した記事であることに留意してください。事業承継税制の適用期限が今後も延長される可能性はあります。)
事業承継時には、株式や事業用資産を後継者に移転することになりますが、その方法として生前贈与と相続(死亡承継)の2パターンがあります。それぞれ税金の仕組みが異なるため、適切な対策を講じる必要があります。
- 株式の承継(法人の場合):学習塾を会社組織で運営している場合、現経営者が保有する株式を後継者にどう渡すかが大きなテーマです。生前に株式を贈与すれば贈与税が発生し、相続(経営者の死亡)による承継なら相続税の課税対象となります。基本的に相続税の方が税率構造が緩やか(基礎控除もある)ですが、一度に多額の株式評価額を相続すれば高率の税負担は避けられません。また、他の相続人との財産分割の問題も絡みます。例えば、長男に会社株式(事業)を継がせ、長女には自宅と現預金を遺すといった場合、それでも株式評価額が高ければ長男ばかりが多額の相続税負担を負う不公平が生じることもあります。そのため、事前贈与と相続を組み合わせ、少しずつ株式を後継者に移転していく戦略も考えられます。毎年110万円までの贈与税非課税枠(暦年贈与の基礎控除)を活用してコツコツ贈与する方法や、相続時精算課税制度(特定の親子間で生前贈与2,500万円まで非課税、ただし相続時に精算)を利用する選択肢もあります。もっとも、近年の税制改正で贈与税と相続税の一体化が進み、相続前3~7年以内の贈与加算期間延長なども予定されていますので、最新の制度動向を踏まえて計画する必要があります。 先述の事業承継税制(法人版)を適用すれば、贈与税・相続税そのものを猶予・免除できますが、同制度を使わない場合でも税負担を和らげる策はあります。例えば、経営者の生前退職金を支給することも有効です。経営者が勇退時に会社から受け取る退職金は、法人にとって損金計上できるため会社の資産を減少させ株価引下げ効果がありますし、受取側(経営者)も退職所得控除という税優遇が受けられます。さらに、経営者に万一のことがあった場合に備え生命保険に加入し、死亡保険金で相続税支払い原資を確保するのも典型的な対策です。保険契約の形態によっては法人が支払う保険料を損金算入しつつ、後継者が受け取る保険金で株式買取や納税資金に充てるプランニングも可能です。 親族内承継の場合、経営を継がない相続人との公平にも配慮しましょう。事業に関わらない子供がいる場合、後継者に会社株式(事業)を集中させると、その子には他の財産を多めに遺すなどバランスを取る必要があります。相続開始後に揉めて株式を手放すような事態になると事業継続に支障が出ます。遺言書の作成や生命保険金の活用などで、円満な財産承継を図ることも大切な経営判断です。
- 事業用資産の承継(個人事業の場合):個人事業主として学習塾を営んでいる場合、教室の建物や土地、教材や什器備品、会員名簿など事業用の資産一式を後継者に引き継ぐことになります。これらを生前贈与すれば贈与税が、死亡時に相続させれば相続税が課税される点は株式と同様です。個人事業の承継において注目すべきは、小規模宅地等の特例です。被相続人が事業に使っていた土地(塾の校舎敷地など)を後継者が相続して事業を継続する場合、一定面積まで土地評価額を80%減額できる制度で、相続税額を大幅に圧縮できます。学習塾は貸教室ではなく自前の建物で運営しているケースも多いため、この特例適用の条件(承継後も事業継続など)を満たせるよう計画しておくと良いでしょう。 また、個人事業主の場合でも、先述の事業承継税制の個人版が2019年に創設されています。これは事業用資産(土地・建物・償却資産)の相続税・贈与税について納税猶予・免除を認めるものです。法人版ほど範囲は広くありませんが、学習塾で高額の自社物件を所有している場合などには大きな節税効果を発揮します。こちらも適用には事業承継計画の都道府県提出などが必要なため、早めに専門家に相談しましょう。 個人事業をまるごと後継者に引き渡す方法として、事業用資産を現物出資して法人化し、その株式を承継するというステップを踏むケースもあります。生前に法人なり(法人成り)しておけば、前述した法人版のスキームに乗せることが可能になるためです。もっとも法人化には別途設立コストや、その後の法人維持費用などもかかりますから、事業規模や後継者の意向を見極めて判断する必要があります。当税理士事務所では学習塾の法人化支援も行っておりますので、適切な時期やメリット・デメリットについて知りたい方はお気軽にご相談ください。法人化について詳しくは「法人化の特集ページ」をご覧ください。
近年、後継者不在の中小企業の救済策としてM&A(企業の合併・買収)が注目されています。学習塾業界でも、オーナー経営者が高齢で引退を考える際に、自社を他の会社に売却するケースが増えてきました。M&Aによる事業承継にはどのようなメリットがあるのか、また税務面で注意すべきポイントは何かを押さえておきましょう。
≪M&Aのメリット≫:第三者への事業譲渡を選択する最大のメリットは、後継者問題の解決と事業の存続です。後継者が見つからず廃業すればゼロになってしまう事業が、M&Aによって新たなオーナーの下で継続されれば、これまで培った教育ノウハウや地域の学習インフラを次世代に繋げられます。また、買い手企業にとっては生徒や講師といった人的資産を一括で引き継げるメリットがあります。ゼロから新規開校するよりも、既存塾を買収した方がスムーズに事業展開できるため、教育業界への新規参入手段としても学習塾M&Aは注目されています。売り手経営者側から見れば、会社や事業の売却対価を得られるため引退後の資金的な安心が得られますし、従業員の雇用も新オーナーに引き継がれるケースが多いため従業員や講師陣の生活を守れるという社会的意義も大きいです。
さらに、買い手の企業規模やノウハウによっては、学習塾のサービスレベル向上や教材開発の高度化、新しい教育サービスの導入など、事業シナジー効果が期待できる点も見逃せません。例えばITに強い企業が買収した場合、オンライン学習システムを取り入れて生徒満足度を高めたり、他地域とのネットワークを活かして有名講師の派遣を実現したりといった、単独では成し得なかった展開も可能になります。現経営者にとって、自分の築いた塾がさらなる発展を遂げるのを見るのは喜ばしいことでしょう。
≪税務上の留意点≫:M&Aによる事業承継は、一般的に株式譲渡あるいは事業譲渡という形で行われます。税務上重要なのは、売り手側(現オーナー)の税負担とスキームごとの課税関係です。
- 株式譲渡の場合:経営者個人が保有する会社の株式を買い手に売却する形です。売り手(株主)に生じるのは譲渡所得(キャピタルゲイン)で、譲渡益に対して約20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金が課せられます。例えば、資本金500万円で設立した会社の全株式を1億円で売却した場合、譲渡益およそ9,950万円に対し約2,020万円(9,950万円×20.315%)の所得税・住民税を納める計算です。株式譲渡益は他の所得と分離して課税され、税率は一律なので、通常の累進課税の相続税(最大55%)に比べればかなり低負担と言えます。したがって、「自社株を相続で子に渡すと多額の相続税がかかるが、第三者に売却すれば20%程度の税負担で済む」というケースも多く、株式売却は税務上効率的な事業承継手段とも位置付けられます。ただし、オーナー経営者が売却後に死亡すると、その売却代金としての現預金等が相続財産となり改めて相続税の課税対象となります。M&Aで得た資金については、生前贈与や相続税対策商品への転換など、資産承継の視点も踏まえたプランニングが必要です。
- 事業譲渡の場合:会社の資産・負債や事業契約一式を個別に譲渡する形です。この場合、譲渡対価はいったん法人(売り手会社)が受け取ることになります。売り手会社にとっては譲渡益が出れば法人税等の課税(約30%前後)があり、残った資金をオーナー個人に分配・清算する際に配当課税や清算所得課税が発生します。結果的に二重三重に税金がかかる恐れがあり、株式譲渡と比べて税務コストは高くなりがちです。そのため中小企業のM&Aでは、特別な事情が無い限り株式譲渡(オーナー個人への直接支払い)の形が選ばれることが一般的です。
買い手側の税務としては、株式譲渡なら取得した株式の購入価額が引き継がれるのみですが、事業譲渡ならのれん代(営業権)や固定資産の価額などについて償却や消費税の課税関係が発生するなど違いがあります。ただ、これは買い手企業側の話であり、売り手(承継元)の学習塾経営者としては、主に自分(会社)が受け取るお金にどんな税金がかかるかを把握しておけば十分でしょう。
≪その他の留意点≫:M&Aによる事業承継を進める際、税務以外にも注意すべきことがあります。例えば、秘密保持です。交渉段階では、生徒や講師には極秘で進めるのが通例です。事前に噂が広まり不安が生じると、生徒退塾や講師流出を招き事業価値が毀損してしまいます。そのため契約締結まで情報管理を徹底し、発表時期を見計らって関係者へ説明するようにします。また、契約条件も慎重に詰める必要があります。買収金額だけでなく、表明保証や競業避止義務、アーンアウト条項(業績連動報酬)など、専門的な論点が多々ありますので、必ずM&Aの専門家(アドバイザーや弁護士)を交えて進めましょう。当税理士事務所も税務面から契約条件のチェックや最適なクロージング方法の検討に参加し、学習塾オーナー様の利益を最大限守れるようサポートいたします。
最後に、節税対策を組み込んだ事業承継計画の重要性について触れておきます。事業承継は経営上の大イベントですが、その結果として発生する税金の支払いが原因で事業継続が困難になるようでは本末転倒です。そこで、これまで述べてきた様々な税務施策を織り交ぜつつ、トータルで最適な承継プランを立てることが求められます。
例えば、親族内承継を考えている経営者であれば、事業承継税制の特例適用を前提とした計画が有力な選択肢になります。経営計画書の策定から承継後5年間の事業見通し、従業員の雇用維持計画まで盛り込んだ包括的な計画を立て、猶予期間中もその計画に沿って経営努力を続ければ、結果的に相続税・贈与税を払わずに次世代に事業を託すことが可能です。この際、税理士は計画策定段階から参画し、経営者とともに認定支援機関として助言を行います。当税理士事務所でも事業承継税制の活用支援に積極的に取り組んでおり、認定経営革新等支援機関として承継計画の策定支援ノウハウがあります。
また、事業承継までの年数に応じた節税策も考慮に入れるべきです。承継予定までまだ時間があるなら、毎期の決算対策として役員報酬の最適化や設備投資による法人税の節税を図りつつ、内部留保を圧縮していくことが有効です。内部留保が減れば株価評価も下がり、相続税の負担軽減につながります。ただし、業績を意図的に落とすような極端な対策は本末転倒ですので、将来の発展余地を残しつつ無駄のない経営を心がけるという意味です。
一方、承継が数年後に迫っている場合は、直前期の大胆な節税も検討します。例えば、事業承継の直前に経営者へ役員退職金を支給すれば、法人税の節税と個人側の退職所得控除の双方でメリットがあります。退職金原資のために会社が借入金をしても、それは債務控除の対象となり相続財産から差し引けます。また、後継者に対し少額贈与を毎年繰り返すことで、承継時の財産移転額そのものを減らすテクニックも有効です。近年、相続開始前7年間の贈与は一部相続税に加算されるようになりましたが、逆に言えば7年以上前から計画的に贈与しておけばその分は加算対象外となります。例えば毎年100万円ずつ10年間贈与すれば合計1,000万円を無税で渡せ、将来の相続税評価額も減らせます。
このように、事業承継の成否は節税対策と表裏一体です。大切なのは、これら節税策を単発で行うのではなく、事業承継計画の中に組み込んで一貫性を持って実行することです。税金だけにとらわれて無理な出費をしたり、逆に節税を怠って納税資金不足に陥ったりしないよう、総合的な視点でプランニングしましょう。当税理士事務所では、事業承継に強い税理士が経営者様のライフプランやご家族の状況まで踏まえたコンサルティングを行い、最善の節税・承継スケジュールを提案いたします。
ここまで事業承継に関する様々なポイントを述べてきましたが、実際問題として経営者お一人でこれらすべてに対応するのは困難です。そこでぜひ活用していただきたいのが税理士という専門家の存在です。学習塾の事業承継について税理士に相談・依頼することには、以下のような大きなメリットがあります。
1.税務・財務に関する専門知識と実務サポート:税理士は税務のプロフェッショナルであり、相続税・贈与税の申告や納税猶予の手続きなど、事業承継に伴う税務処理に精通しています。事業承継では税制特例の活用や株価評価算定など高度な知識が要求されますが、税理士に相談すれば最新の制度に沿った節税対策や必要手続きについて正確なアドバイスを得ることができます。また、税理士は日頃から決算書作成や財務分析にも関わっているため、会社の財政状態を踏まえた現実的なプランを立案できます。例えば「自社株評価を下げるにはまずここを改善しましょう」「承継時までにこのくらい内部留保を減らせば税負担が○百万円減ります」といった具体的なシミュレーションを提示してもらえるのです。煩雑な特例適用の書類作成や税務署・都道府県への申請も税理士が代行してくれるため、経営者は本業に集中できます。
2.事業全体を把握した上で相談に乗ってもらえる:多くの中小企業では顧問税理士が月次の帳簿チェックや決算・申告をサポートしています。そうした顧問税理士がいる場合、すでに会社の経営状況や財務内容、経営者ご自身の資産背景まで把握しているため、事業承継の相談もしやすい相手と言えます。実際、中小企業庁の調査では「事業承継について過去に相談した相手」として顧問税理士・公認会計士が最も多い(後継者決定企業の7割超・未決定企業の5割超)との結果が出ています。これは多くの経営者が税理士に信頼を寄せ、身近な相談相手として選んでいることの証左でしょう。顧問税理士であれば日頃からコミュニケーションが取れているため、「こんな初歩的なことを聞いていいのかな?」という内容でも気兼ねなく質問できますし、経営者の性格や家族構成まで踏まえた親身なアドバイスが期待できます。
3.他士業や機関とのネットワーク活用:事業承継では税理士以外にも、弁護士(法律業務)や司法書士(登記手続)、M&Aブローカー、金融機関など様々な専門家・機関の力が必要となる場合があります。税理士に相談すれば、そうした他分野の専門家を紹介してもらえるケースも多いです。特に顧問税理士は地元の士業ネットワークを持っていたり、事業承継・M&A支援機関と繋がりがあることが多いため、ワンストップで複合的な支援を受けることが可能です。「何を誰に頼めばいいかわからない」という状態でも、まず税理士に話せば課題を整理して適切な専門家につないでくれるでしょう。例えば、「自社株を後継者に譲るために定款変更と株主総会決議が必要だから司法書士を紹介します」「事業売却を検討するなら信頼できるM&A仲介会社を当たってみましょう」といった具合です。税理士自身も認定支援機関として事業承継計画策定を主導できますし、補助金申請等で行政とも連携できます。
4.精神的な安心感と客観的視点:事業承継は経営者にとって人生の大きな節目であり、プレッシャーや不安も伴います。税理士に相談することは、数字面のサポート以上に心理的な安心感を得ることにもつながります。複雑な手続きを一緒に乗り越えてくれるパートナーがいることで、経営者は孤立することなく計画を実行できるでしょう。また、税理士はあくまで中立的・客観的な立場で助言するため、親族間のデリケートな話題についても公平な視点でアドバイスしてもらえます。「長男に事業を継がせたいが娘にも遺産を…」という場合の財産配分の相談や、会社の将来像について家族と意見が割れている場合の調整役としても、税理士の存在は有用です。
以上のように、学習塾の事業承継を成功させるには税理士の力を借りることが近道だと言えます。特に当税理士事務所のように学習塾業界に詳しい税理士であれば、教育産業特有の事情も踏まえたきめ細かな支援が可能です。次章では、税理士法人加美税理士事務所が提供する事業承継サポートの内容と当税理士事務所ならではの強みについて具体的にご紹介いたします。
税理士法人加美税理士事務所は、学習塾をはじめとする教育業界のクライアント様に対し、開業支援から日々の税務顧問、事業承継対策まで一貫したサポートを提供しております。事業承継は単発のイベントではなく、創業から事業拡大、そして次世代への引継ぎまで続く長い道のりの一部です。当税理士事務所はその長い道のりを常にお客様と二人三脚で歩み、豊富な経験に裏打ちされた専門サービスで支えます。以下、当税理士事務所の事業承継サポート体制と7つの強みについてご説明します。
当税理士事務所のモットーは、「創業時から承継まで、経営のライフサイクル全体を支える」ことです。学習塾を開業される際の事業計画策定や各種届出サポートにはじまり、日々の記帳代行・決算申告、節税対策のアドバイス、分校の新設や法人化検討時の相談、そして事業承継計画の立案・実行支援まで、一連のプロセスを一貫してサポートいたします。途中で担当が変わったり、「承継の話は別の専門家へ」と丸投げすることなく、一つの窓口で継続的に対応いたしますので安心です。
例えば、開業当初から顧問契約をいただいているお客様の場合、取引先や融資状況、業績推移からご家族の状況まで細部を把握しております。その蓄積した情報を基に、「そろそろ承継を見据えて動きましょうか」「まずは後継者候補の○○様を交えて三者面談をしましょう」といったタイムリーかつ具体的な提案が可能です。創業支援から長年寄り添ってきたからこそ見える課題もあり、経営者様にとってベストな承継プランを一緒に描くことができます。
また、一貫支援の利点として、開業時に選択した税務・財務戦略が将来の承継に活きるようアドバイスできる点が挙げられます。例えば法人化のタイミングや設備投資計画なども、将来の事業承継時の評価額や税負担を考慮して検討します。「起業時から承継後まで続くストーリー」を描けるのは、長期的視点で関与する当税理士事務所ならではの強みです。
税理士法人加美税理士事務所は、学習塾・スクール業界に特化した支援のためのノウハウが豊富です。これまで多数の学習塾経営者様を研究してきた経験から、教育ビジネス特有の経理・税務・経営課題を熟知しております。例えば、学習塾ならではの売上計上タイミング(月謝制・講習料の前受金処理など)や講師給与の源泉税処理、教材費・模試費用の扱い、少子化に伴う売上予測の不確実性など、一般の事業とは異なるポイントにも精通しています。
また、学習塾業界の動向にもアンテナを張っており、オンライン教育の台頭やフランチャイズ展開の増加、公教育制度の変化が塾経営に与える影響などにも明るいのが特徴です。「学校の学習指導要領改訂でこういうニーズが増えていますね」「○○市では高校受験制度が変わるので、新コース設置を検討しては」など、業界知識を踏まえた経営助言ができる点で、一般的な税理士とは一線を画します。
学習塾に強い税務の専門家だからこそ、事業承継においても的確な支援が可能です。例えば、学習塾の評価において重要な生徒数や講師数の推移、地域の競合状況なども踏まえ、「御社のような進学塾なら買い手はこの辺りに着目します」「個別指導塾の承継では講師確保策がカギです」といった具体的なアドバイスをいたします。これは業界事情を理解していないと難しい芸当です。税理士法人加美税理士事務所に依頼すれば、学習塾専門のコンサルタントを雇ったような総合力を実感いただけるでしょう。
当税理士事務所は最新のICTツールを活用し、オンラインで全国対応のサポートを実現しています。東京・大阪など都市部のみならず、地方で学習塾を営む経営者様からのご相談にも、ビデオ会議やクラウド会計ソフトを通じてリアルタイムで対応可能です。遠隔地のお客様でも、ZoomやTeamsで顔を合わせて打ち合わせし、資料はメールやクラウドストレージで共有することで、距離を感じさせない緊密なコミュニケーションを図っています。
これは学習塾のオンライン化が進む昨今の状況にもマッチしています。オンライン学習塾を経営されている方なら、税理士とのやり取りもオンライン完結の方が効率的でしょう。当税理士事務所では電子契約やオンライン決済にも対応済みで、全国どこからでもスムーズに契約・サービス利用ができます。「地方で塾をやっているが、都心部の事業承継に強い税理士に相談したい」というニーズにも、当税理士事務所ならお応えできます。
さらに、オンライン対応によりお客様の時間的負担も軽減します。ご多忙な経営者様が打合せのためにわざわざ事務所に来訪いただく必要はありません。深夜や早朝の面談、海外出張中のご相談なども柔軟にスケジュール調整いたします。クラウド会計ソフト(freeeやマネーフォワード等)にも精通しておりますので、リアルタイムに財務データを確認しながらアドバイスすることも可能です。
税理士法人加美税理士事務所には、事業承継支援のノウハウが豊富な税理士が在籍しています。その経験の蓄積により、「こういった場合はここでつまづきやすい」「このパターンでは過去にこう解決した」という知見が数多くあります。
例えば、親族内承継で相続税がネックとなった案件では、事前に不動産の有効活用を図って評価額を抑えたり、複数相続人間の遺産分割争いを回避するため遺言作成をサポートしたりします。また、学習塾の第三者承継で、買収先企業との交渉過程に同席し、財務デューデリジェンスに協力するとともに、譲渡後の税務処理まで一貫フォローします。
こうした具体的な成功事例・失敗事例を踏まえてアドバイスできるため、机上の理論だけではない実践的な提案が可能です。「経験に裏打ちされた勘所」を押さえたアドバイスは、お客様にとって非常に心強いことでしょう。例えば後継者の選定に悩んでいる経営者様には、具体例をお話ししつつメリット・デメリットを整理します。また、「M&A時の生徒・従業員への発表はこう進めると上手くいきます」といった細かなポイントまでお伝えします。
的確なアドバイスとは、お客様の課題を正確に捉え、複数の解決策の中から最適な道筋を示すことです。当税理士事務所ではヒアリングを徹底し、経営者様の真のニーズを汲み取った上で、ベストな選択肢を提案いたします。豊富な経験があるからこそ、杓子定規ではない柔軟な発想で解決策を導き出すことができるのです。
税理士というと堅いイメージを持たれるかもしれませんが、税理士法人加美税理士事務所はフレンドリーで親身な対応を大切にしています。事業承継は経営者にとって人生の大事ですので、数字や法務の話だけでなく、感情面のケアやお気持ちへの共感も欠かせないと考えるからです。
当税理士事務所の担当者は、常に経営者様の立場に立って物事を考え、ご不安や悩みに真摯に耳を傾けます。「家族にどう説明すればいいだろう」「従業員に申し訳なくて…」といった胸の内も含めて打ち明けていただき、一緒に解決策を模索します。単に専門知識を押し付けるのではなく、経営者様のペースに合わせた支援を心がけています。スケジュールに余裕があるときはじっくり考える時間を持ち、逆に緊急時には迅速に対応するなど、お客様の状況に柔軟に寄り添います。
また、コミュニケーションの取りやすさも当税理士事務所の特長です。メールやチャットはもちろん、電話一本で気軽に担当税理士につながる体制を整えています。「こんなこと聞いてもいいのかな?」という質問でも大歓迎です。専門用語はできるだけ噛み砕いて説明し、ご納得いただけるまで丁寧にご説明します。敷居の低い相談相手として、どんな小さな不安や疑問でも相談できるのが当税理士事務所です。
事業承継支援は長期にわたるケースが多いですが、その間も密にコミュニケーションを取り、「困ったことはありませんか?」とこちらからフォローのご連絡をすることも欠かしません。経営者様にとって、当税理士事務所が心強い伴走者となれるよう、スタッフ一同親身な対応に努めています。
学習塾の事業承継でM&Aを選択する場合でも、税理士法人加美税理士事務所が全面的にサポートいたします。当税理士事務所は税務・会計のプロであると同時に、必要に応じてM&Aファイナンシャルアドバイザーの役割も果たします。
具体的には、まず会社・事業の適正な評価を行います。学習塾の場合、純資産や収益力だけでなく、生徒数の推移や講師陣の質、地域でのブランド力なども評価に影響します。これらを総合的に勘案し、「貴塾の適正な企業価値は○○円程度」といった見解を示します。過去のM&A事例データも参照し、交渉に有利な材料を提供します。
次に、M&A仲介会社や譲受企業との交渉支援です。税理士は財務の専門家として、買い手から提示される条件の妥当性をチェックします。例えば、「簿価純資産の○倍の金額提示だが御社の含み資産を考慮すれば低すぎる」等の助言を行い、必要に応じて条件改善を働きかけます。交渉の場にも同席し、難解な数字の議論を噛み砕いて経営者様に伝えたり、逆に経営者様の意向を数字に落とし込んで買い手に伝達したりします。税理士が同席することで、不利な契約条項を押し付けられるリスクを軽減できるのです。
契約締結後は、クロージングに向けた税務手続きをスムーズに進めます。株式譲渡契約書の税務チェックや、事業譲渡の場合の消費税・法人税の処理、譲渡対価の受領に伴う個人の税金計算など、多岐にわたる実務を代行・支援します。譲渡後も確定申告や資産運用の相談などフォローいたしますので、事業売却後のアフターケアも万全です。
さらに、当税理士事務所は独自のネットワークで学習塾業界のM&A情報を収集しています。「地域で複数校展開する塾を買いたい企業がある」「塾のM&A専門仲介会社と提携して案件紹介を受けている」といった情報にアンテナをはり、お客様のご希望に沿う譲渡先探しにも尽力できます。単に待つだけでなく、こちらからマッチング機会を提案できる点も強みです。
税理士法人加美税理士事務所では、顧問契約に基づく長期継続サポートを基本サービスとしております。事業承継は一度計画を立てたら終わりではなく、その時々の状況変化に応じて軌道修正が必要です。顧問税理士として継続的にお付き合いがあれば、承継計画の進捗管理や必要なアップデートをタイムリーに行えます。
例えば、「予定していた後継者の意思が変わった」「業績が予想以上に伸びたので計画を見直したい」といった変化にも、すぐに対応してプランを練り直します。税制改正で有利な制度が新設された場合も、「今年新しく〇〇控除が創設されたので活用しましょう」といった提案を逃さず行います。顧問契約により常に会社の数字をチェックしているからこそ、こうした機敏な対応が可能なのです。
また、顧問契約のもとでは事業承継以外の相談もワンストップで承ります。承継準備と並行して、「新規出店による店舗拡大をしたい」「補助金を活用してICT教材を導入したい」「税務調査が入ったが対応してほしい」といった様々な経営課題が出てくるでしょう。当税理士事務所なら、節税対策・資金繰り支援・税務調査立会いなど包括的に対応しますので、経営者様は安心して本業に集中できます。節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。
税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。
長期的なお付き合いは、結果的に事業承継の成功確率を高めます。何年にもわたり信頼関係を築いた税理士がいれば、いざ承継実行の段になっても心強い味方となるでしょう。承継完了後も、新体制での経営を引き続き支援し、次の世代の発展を後押しします。当税理士事務所は「承継が終わって関係解消」ではなく、その後も含めた一生涯のお付き合いを大切にしています。
税理士法人加美税理士事務所では、事業承継以外の税務ニーズについても幅広くサポートしております。学習塾経営者の皆様が直面しがちな次のような課題に対し、それぞれ専門のサービス・知見をご用意しています。
- 節税対策:日々の経営で利益を出しつつも税負担を適正に抑えるため、様々な節税ノウハウを提供します。交際費や研修費の扱いから、役員報酬と配当のバランス、倒産防止共済や小規模企業共済の活用、消費税の簡易課税選択など、学習塾の実情に合った節税策をアドバイスします。決算前の節税シミュレーションも行い、キャッシュを残す経営をサポートします。節税対策について詳しくは「節税対策の特集ページ」をご覧ください。
- 税務調査対応:万一、税務署から税務調査(巡回監査や実地調査)の連絡が来てもご安心ください。当税理士事務所が事前対策のアドバイスから当日の立会い、調査官との交渉まで全面支援いたします。申告内容に問題がないか事前チェックし、修正の余地がある項目は自主的な訂正も含めて戦略的に対応します。調査当日も税理士が同席し、専門知識で説明・反論を行いますので、経営者様ご本人が直接矢面に立つ必要はありません。調査後のフォローも万全で、追徴税額の減免措置や今後の対策についても丁寧に助言いたします。税務調査について詳しくは「税務調査の特集ページ」をご覧ください。
- 法人化支援:個人事業で学習塾を営んでいる方が法人化(法人成り)を検討する際も、トータルサポートいたします。法人化するメリット・デメリットの分析から、適切なタイミングの検討、法人設立手続き(定款作成や登記申請は司法書士と連携)、法人設立後の経理体制構築までお任せください。法人化によって節税効果が得られるケース(所得が一定額を超えてきた場合など)では、その最大メリットを享受できる形でプランニングします。また、個人から法人への資産・負債の引継ぎに伴う税務も注意が必要ですが、当税理士事務所が適切に処理しますので余計な税コストなくスムーズに移行できます。法人化について詳しくは「法人化の特集ページ」をご覧ください。
- 消費税対応:学習塾は原則として消費税課税業種です(学校教育法上の「学校」ではないため非課税売上ではありません)。当税理士事務所では、消費税申告書の作成や納税額の試算、簡易課税制度の選択届出・有利判定など、消費税に関する総合支援を行っています。近年話題のインボイス制度(適格請求書保存方式)への対応も万全です。塾生や父兄相手の商売ではインボイス発行事業者になる必要性は高くありませんが、教材を外部業者から購入する場合などは仕入税額控除の観点からインボイス対応が重要です。こうした実務ポイントも丁寧に説明し、必要な手続きを代行いたします。消費税について詳しくは「消費税の特集ページ」をご覧ください。
- 青色申告・記帳指導:個人事業主の学習塾経営者には、青色申告による65万円控除や欠損金繰越といったメリットを享受していただくべく、帳簿付けの指導や記帳代行サービスを提供しています。日々の経理入力をアウトソーシングしたい場合は当税理士事務所が承り、試算表・経営分析レポートを毎月作成して経営改善に活かしていただきます。もちろん確定申告書の作成・提出もお任せください。青色申告の承認申請がまだの方には手続き代行し、早期に青色申告者のメリットを享受できるようサポートします。青色申告について詳しくは「青色申告の特集ページ」をご覧ください。
- 開業支援・店舗展開支援:新規で学習塾を立ち上げる方、あるいは既存塾が新教室を出店する「店舗展開」を行う方への支援メニューも豊富です。創業融資を引き出すための事業計画書策定サポート、公的補助金の申請支援、採用計画や人件費シミュレーション、フランチャイズ契約に関するアドバイスなど、単なる税務に留まらない総合コンサルティングを提供します。特に店舗展開時には資金繰り計画と収支シミュレーションが重要ですが、当税理士事務所が数字面で綿密にサポートし、無理のない成長戦略を共に描きます。開業支援について「開業支援の特集ページ」のページをご覧ください。
店舗展開について詳しくは「店舗展開の特集ページ」をご覧ください。
このように、税理士法人加美税理士事務所は学習塾経営に関するあらゆる局面で頼れるパートナーとなります。事業承継はもちろん、それ以外の税務・会計・経営課題についてもワンストップでご相談いただけますので、「まずは税理士に聞いてみよう」とお気軽にお問い合わせください。
学習塾経営者の事業承継について、基礎知識から対策、税制の活用方法、当税理士事務所のサポート内容まで詳しく解説してきました。事業承継は早めの準備と専門家の力添えが成功のカギです。塾業界特有の課題に直面している経営者の方も、あきらめずに適切な支援を受ければ必ずや円滑なバトンタッチが実現できます。
税理士法人加美税理士事務所は、学習塾に精通した税理士チームが経営者様お一人おひとりの状況に合わせたオーダーメイドの承継プランを提案し、最後まで寄り添ってサポートいたします。親族内承継であれ第三者承継(M&A)であれ、また個人事業から法人への移行であれ、豊富な実績に裏打ちされたノウハウで最良の結果へ導きます。税制特例の活用から、人知れず苦労の多い利害関係者への配慮まで、専門家の視点と親身な姿勢で対応いたします。
「うちの塾は後継者がいないから仕方ない」「事業承継なんて難しそうで手が付けられない」と思われている方こそ、まずは一度ご相談ください。現状のヒアリングをさせていただき、考えられる選択肢や進め方をわかりやすくご説明いたします。もちろん初回相談は無料ですし、秘密厳守で承りますのでご安心ください。
生徒たちの未来を育む学習塾という尊い事業を、次世代へ確実に引き継いでいく――そのお手伝いをするのが私たち税理士法人加美税理士事務所の使命です。事業承継でお悩みの学習塾経営者の皆様、どうぞお気軽にお問い合わせいただき、私たちと一緒に明るい未来への第一歩を踏み出しましょう。学習塾の事業承継に関するご相談は、税理士法人加美税理士事務所までぜひお寄せください。お待ちしております。

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