税理士法人加美税理士事務所

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経営拡大を目指す院長先生に、消費税の盲点を見逃さず、法人化や分院展開にも強い税理士法人加美税理士事務所が中長期視点で柔軟にサポートします。

開業医に特化した税理士法人加美税理士事務所による消費税サポート。医療機関の消費税対策とインボイス対応について解説。非課税診療と自由診療の違いから課税売上高の判定、インボイス登録の判断基準まで専門的かつ分かりやすく網羅。完全オンライン対応で、全国の開業医・医療法人をサポートします。

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開業医・クリニック専門の税理士法人加美税理士事務所による消費税サポート

開業医やクリニック経営者にとって、消費税対応とインボイス制度(適格請求書等保存方式)への対応は経営上の重要課題です。特に医療業界では、保険診療収入が消費税非課税となる特殊事情があり、他業種とは異なる税務上の留意点があります。本記事では、税理士法人加美税理士事務所による開業医・クリニックのための消費税サポートについてご紹介するとともに、開業準備中のドクターから開業3年未満の若手院長医療法人の理事長、そしてベテラン院長まで、すべての開業医・クリニック経営者の皆様を対象に、消費税の基礎知識、インボイス制度への具体的対応策、自費診療(自由診療)の税務戦略、さらに税理士の活用法やその他の税務関連トピックまで幅広く解説します。開業医 × 税理士の二人三脚で適切な税務対策を行うことで、クリニック経営の安心感が高まります。不明点がある場合には、医療分野に精通した税理士など専門家に相談することが大切です。ぜひ本記事を参考に、貴院の状況に合わせた消費税対策とインボイス制度対応を進めていきましょう。

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まず、医療機関における消費税の基本的な仕組みを押さえましょう。病院やクリニックの収入には、消費税の課税対象となる取引非課税となる診療が混在します。保険診療収入は法律上消費税が非課税ですが、一方で自由診療収入等には消費税課税対象となるものがあります。この違いを理解し、課税売上高の計算方法や免税事業者・課税事業者の判定基準を正しく把握することが重要です。また、課税売上高の判定を誤ると思わぬ追徴課税リスクにつながるため注意が必要です。以下で順を追って解説します。

医療機関の収入のうち、どれが消費税の課税対象となり、どれが非課税に該当するかを理解しましょう。課税対象となる取引とは、原則として消費税が課される収入です。対して非課税のものは消費税がかからない収入です。主な例を挙げると以下の通りです。

  • 課税取引の例: 保険適用外の差額ベッド代や特別な食事代、予防接種、各種健康診断・人間ドックの受診料、診断書作成料、美容整形や美容皮膚科治療、歯科の自由診療、人工妊娠中絶手術、予約制の自由診療費用、時間外対応料金など
  • 非課税取引の例: 保険診療に係る診療報酬、公的医療保険から支払われる療養給付費、労災保険や自賠責保険の対象診療による収入、正常な妊娠・出産に関する医療費、医師が必要と認めた入院時の差額ベッド代・特別食事代など

以上のように、公的保険が適用される診療収入や社会性の高い医療サービスは非課税とされる一方、保険の効かない自由診療部分や付加的サービスには消費税が課されます。例えば保険診療(健康保険や国民健康保険による診療)は消費税がかからず、患者さんから預かる自己負担金にも消費税は含まれません。一方で自費診療(美容や自由診療、予防接種など)は消費税課税対象となるため、患者さんから預かる料金には消費税が含まれることになります(後述のとおり、患者が個人である場合インボイス発行は不要ですが消費税相当額は価格に含まれています)。

上記の通り、保険診療収入は消費税法上非課税取引です。一方、自費診療収入は消費税の課税取引となります。この違いは開業医の収入計算や価格設定に影響します。

  • 保険診療(非課税)の特徴: 健康保険や公的保険が適用される診療については消費税がかかりません。そのため、患者さんから受け取る自己負担金や診療報酬には消費税が含まれていません。医療には本来「消費」の概念が馴染まないとの考えから非課税とされており、保険診療だけを行っている医療機関であれば消費税の納税義務は基本的に生じません。極端に言えば、収入の全てが非課税売上(例:保険診療のみ)であれば、消費税を「預かる」ことも「納める」必要もない状態です。
  • 自費診療(課税)の特徴: 保険の効かない診療やサービスには消費税が課されます。患者が個人であるケースでは、請求書に消費税額を明示しなくとも総額に消費税相当額が含まれており、医療機関側が預かった消費税を後日税務署に納付する義務が生じます(課税事業者の場合)。ただし患者が個人の場合、適格請求書(インボイス)の交付義務はありません。一方で企業や事業所を相手に健康診断や予防接種等の自費診療を提供する場合、取引先(企業)は支払った消費税の控除を受ける関係でインボイスの発行を求めてくる可能性があります。自費診療収入があるクリニックは、この後述するインボイス制度への対応も視野に入れる必要があります。

クリニックが消費税を納める義務があるか否かは、課税売上高の金額で判定されます。ポイントは、「課税売上高」とは先述の課税取引の売上のみを合計した金額であり、非課税取引の売上(保険診療収入など)は含めないということです。具体的な判定基準は次の通りです。

  • 基本的には、前々事業年度(個人事業主の場合は前々年)の課税売上高が1,000万円超である場合、その事業者は消費税の納税義務が発生します。この「前々年」を税法上「基準期間」と呼び、2年前の課税売上高が1,000万円を超えたかどうかで判定します。
  • 新規開業の場合、基準期間が存在しないため原則として開業後最初の2年間は消費税の納税義務が免除されます(免税事業者となります)。ただし、後述する要件に該当する場合は例外もあります。
  • 例外として、**特定期間(直前の事業年度開始から6ヶ月間)**の課税売上高が1,000万円超の場合や、その期間中の給与支払額が1,000万円超の場合には、その年について基準期間の判定に関わらず課税事業者となるケースがあります。これは急激に事業が拡大した場合などに消費税を捕捉するための特例です。
  • 免税点制度: 上記の基準期間における課税売上高1,000万円以下の場合に消費税が免除される仕組みを「事業者免税点制度」といいます。この制度により、小規模なクリニックの多くは開業当初、消費税の納税義務が免除されるケースが一般的です。

課税売上高の計算時の注意: 保険診療収入は非課税のため1円も課税売上高に含めません。したがって、年間の総収入が例えば5,000万円あっても、そのうち自由診療収入が300万円しかなければ課税売上高は300万円です。この場合、基準期間の課税売上高は1,000万円以下となり消費税の納税義務はありません。ただし、クリニックによっては医薬品やサプリメントの物品販売収入、企業から受託する健診収入など見落としがちな課税売上もあります。課税売上高の集計漏れがないよう日頃から収入科目を整理し、経理処理を行うことが大切です。

上記の課税売上高に基づき、クリニックは免税事業者課税事業者かに区分されます。それぞれの判定基準と意味合いは以下の通りです。

  • 免税事業者: 基準期間の課税売上高が1,000万円以下である事業者は、基本的に消費税の納税義務が免除されます。免税事業者である間は、たとえ自由診療等で消費税相当額を患者から預かっていても税務署への納付は不要です。その預かった消費税分はクリニックの利益(いわゆる益税)となります。開業医・クリニックの大半は、自由診療部分の売上が小さいためこの免税事業者に該当しているのが現状です。
  • 課税事業者: 基準期間の課税売上高が1,000万円超などの場合は、消費税の納税義務がある事業者です。課税事業者となると、自由診療など課税取引の売上に含まれる消費税相当額を預かり、仕入れにかかった消費税との差額を納税する必要があります。また課税事業者を選択(自発的に課税事業者になる届出を提出)することも可能であり、一度選択すると原則2年間は免税事業者に戻れません。さらに2023年以降は適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)への登録をすると自動的に課税事業者となります。課税事業者になるかどうかはクリニックの収入構造や経費構造によって有利不利がありますので、慎重な判断が必要です。

新規開業時のポイント: 個人でクリニックを開業する場合、最初の2年間は自動的に免税事業者となるケースが多いですが、拠出金が1,000万円以上の医療法人を設立した場合は初年度から課税事業者となる点に注意しましょう(資本金1,000万円以上の法人は免税点制度の適用対象外)。開業形態によって消費税の扱いが異なるため、開業前に税理士と相談し適切な届出を行うことが大切です。

消費税の課税売上高判定を誤ると、納税漏れ不適切な申告につながり大きなリスクとなります。例えば本来課税事業者に該当するのに免税事業者だと思い込んで消費税申告を怠った場合、後日税務調査で指摘されると数年分の未納消費税に加え加算税・延滞税といったペナルティが科される可能性があります。クリニックでは保険診療収入が大部分を占めるため消費税に無頓着になりがちですが、自由診療収入や物販売上が増えて年間1,000万円に近づいている場合は要注意です。

判定ミスが起きやすいケース:

  • 開業から数年で自費収入が予想以上に伸びたが、引き続き免税事業者だと誤認していたケース
  • 保険外の収入(例:美容施術料やサプリ販売、企業健診受託料など)を合算すると1,000万円を超えていたのに、一部科目を見落としていたケース
  • 個人事業から医療法人に移行した際、法人も当然免税になると考えてしまい初年度の消費税対応を失念したケース(拠出金要件等による)

このようなミスを防ぐため、日々の売上を科目別に把握し、定期的に税理士とチェックすることが有効です。特に年度末には当年・前年の課税売上見込みを算出し、翌期に課税事業者となるか否かを早めに把握しておきましょう。万一判定に不安がある場合や基準超過が微妙な場合は、事前に税務の専門家へ相談し正しい判定を確認することをおすすめします。

クリニックの診療科目によって、消費税やインボイス制度への対応で押さえておくべきポイントには違いがあります。私たち税理士法人加美税理士事務所では、医療業界に精通した税理士として、各科目特有の論点について日々アドバイスしています。以下、内科から矯正歯科まで診療科目ごとに、消費税の課税・非課税の違いやインボイス制度の影響、留意点を専門的かつ分かりやすく解説します。

内科クリニックでは、多くの場合、収入の大部分が健康保険適用の診療報酬で占められています。これら保険診療収入は消費税法上「非課税」となるため、内科の院長先生は消費税に無頓着になりがちです。しかし税理士の視点から見ると、内科でも自由診療(保険外診療)や物品販売など、消費税課税の対象となる収入が存在する点に注意が必要です。

内科クリニックで課税対象となる主な収入の例として、以下のようなものが挙げられます:

  • インフルエンザ予防接種など各種予防接種の料金
  • 健康診断・人間ドックの受診料(企業から委託を受ける社員健診を含む)
  • 健康食品やサプリメント等の物品販売収入
  • 診断書の作成料(文書料)

これらはすべて消費税の課税取引に該当します。保険診療収入と異なり、課税取引で患者さん等から預かった消費税相当額は、条件を満たせば後日税務署に納める義務が生じます(課税事業者となった場合)。

内科の場合、自由診療収入の規模は比較的小さいことが多いですが、蓄積すると課税売上高が消費税の免税点(年間1,000万円)に接近するケースもあります。年間の総収入がたとえば5,000万円規模でも、うち課税対象の自由診療部分が300万円程度であれば課税売上高は300万円に過ぎず、この場合は消費税の納税義務は生じません。しかし、新たに企業健診の受託を始める、自由診療メニュー(自費の検査やワクチン等)を拡充するといった施策により課税売上が増えれば、その合計が将来的に1,000万円を超える可能性があります。課税事業者に該当する水準に達していないか、日々の収入を科目別に整理し定期的に確認することが重要です。当税理士事務所でも、内科の先生方には年度末ごとに当年・前年の課税売上見込みを一緒にシミュレーションし、早めに消費税対応の方針を検討するよう助言しています。万一判定に不安がある場合や基準超過が微妙な場合は、事前に専門家へ相談して正しい判定を確認することをおすすめします。

インボイス制度への対応も、内科の収入構造によって異なります。患者さん相手の保険診療や自由診療のみであれば、基本的に患者側からインボイス(適格請求書)の発行を求められる場面はありません。一方、企業や事業所との取引がある場合(例えば会社から委託を受けて社員向け健診を実施する、勤務医として産業医契約を結んで報酬を受け取っている等)には、インボイス制度開始後、法人側から適格請求書の発行対応を求められるケースがあります。具体的には、「インボイスが発行できないと支払う消費税を控除できないので、その分報酬額を減額してほしい」「今後は課税事業者(インボイス発行事業者)になってほしい」といった要請です。内科の先生で企業取引がある場合は、現在免税事業者でいることのメリット・デメリットを慎重に見極め、必要に応じて適格請求書発行事業者への登録(=課税事業者選択)を検討する必要があります。当税理士事務所では、取引先からの要請状況やクリニックの費用構造も踏まえて、インボイス発行事業者に登録すべきかどうかの試算とアドバイスを行っています。場合によっては、課税事業者になることで仕入税額控除(仕入れに含まれる消費税の控除)を受けられるメリットが得られるケースもあります。一方、課税事業者になると事務負担や納税コストが増えるデメリットもあるため、こうした点も含めて当税理士事務所が一緒に総合的に判断いたします。

小児科クリニックも内科同様に、日常の診療収入の多くは健康保険が適用された保険診療によるものです。子どもの診療報酬や乳幼児医療費助成による収入は消費税が非課税であり、基本的には消費税納付義務の対象外となります。一方で、小児科ならではの課税対象収入として注意すべきなのが予防接種関連の収入です。小児科では定期接種・任意接種を問わずワクチン接種の機会が多く、これら予防接種の料金は消費税の課税取引に該当します。公費でまかなわれる定期接種であっても、自治体等から受け取る委託料は事業者間取引として課税売上に含まれる点に留意が必要です(※公的補助の扱いなど個別ケースによって異なることがありますが、基本的には課税取引として計上します)。

小児科クリニックで課税対象となりやすい収入の例は次の通りです:

  • 予防接種の接種料金(インフルエンザ、水痘、おたふく等の任意接種を含む)
  • 乳幼児健診の受診料(公的補助のない任意の健診や、保育園・幼稚園から委託を受ける健康診断)
  • 院内で販売する育児用品・ミルク・サプリメント等の物販収入
  • 診断書や各種証明書の発行手数料(登園許可証明書などの文書料)

これらはすべて課税売上となります。小児科では乳幼児医療費助成制度などにより患者さん個人から現金を徴収しないケースも多いですが、だからといって安心はできません。自治体からの委託料や物販売上など、クリニックが受け取った課税収入はしっかり経理上把握しておく必要があります。「保険診療が中心だからうちは関係ない」と見落としていると、気づかないうちに課税売上高が基準額に達していたという事態も起こり得ます。特に近年は自治体との契約に基づく予防接種業務(新型コロナワクチン接種など)で臨時収入が増えた小児科もあり、こうした収入の計上漏れ・判定ミスには注意が必要です。税理士法人加美税理士事務所でも、小児科の先生方には日々の収入記録を保険診療自費(課税)診療に分類して管理するようお願いし、年度末には課税売上の見込みを一緒にチェックしています。

インボイス制度に関して言えば、小児科は患者のほとんどが個人(子ども本人や保護者)であるため、基本的にインボイス発行を求められる場面はありません。患者さんに対する予防接種や健診の領収書も、相手が個人であれば従来通りの形式で問題ありません。ただし、例外として法人との取引がある場合には注意が必要です。例えば、地域の保育園・幼稚園と契約して園児の健康診断を受託するケースや、企業から依頼を受けて従業員のお子さんの予防接種を行うケースです。これらはBtoB取引に該当するため、支払い側である園や企業は支払った消費税の控除を受ける目的でインボイス発行を求めてくる可能性があります。もし小児科クリニックが免税事業者のままだと、取引先は仕入税額控除ができず負担増となるため、「今後も取引を続けるならインボイスに対応してほしい」と要請されることも考えられます。小児科では法人取引の割合は高くありませんが、該当する場合はインボイス発行事業者への登録是非について検討しましょう。当税理士事務所では、そうした個別事情も踏まえて院長先生とベストな対応策を検討しております。

外科クリニックでは、外傷処置や手術前後の管理など保険診療が中心となり、日々の診療収入の大半は非課税売上となります。そのため、他科と同様に消費税への意識が薄れがちですが、外科系でも保険の利かない収入が発生するケースがあります。代表的なものとしては、患者さんの希望による自由診療的な処置やサービスです。

外科クリニックで起こりうる課税対象収入の例:

  • ほくろ・粉瘤などの良性皮膚腫瘍の摘出術(美容目的で保険適用外の場合)
  • 時間外・予約外対応に対する特別料金(公的保険給付外の追加料金)
  • 渡航前の予防接種や健康診断(トラベルクリニック的なサービス)
  • 医師の判断で必要とは認められない差額ベッド代(個室希望による差額費用)
  • 診断書・意見書など各種文書料

これらはすべて消費税が課される収入です。外科は自由診療がメインの科目ではありませんが、例えば美容目的の皮膚・皮下腫瘍摘出を行ったり、自費の予防接種サービスを提供したりすると、その収入が積み上がって課税売上高が増える可能性があります。課税売上高1,000万円超かどうかの判定にあたっては、保険診療分を除外して計算する必要がある点を忘れないようにしましょう。たとえ年間の総収入が多くても、非課税部分を差し引いた課税売上高が1,000万円以下であれば消費税の納税義務は生じません。逆に言えば、非課税収入しかないように見える外科でも、意外なところに課税収入が潜んでいて基準超過となるリスクがあります。日頃から売上を保険/自費別に集計し、少しでも疑問があれば税理士に相談して正確な判定を確認しましょう。

インボイス制度の影響に関して、外科の場合も基本はB2C(対個人患者)取引が中心ですから、クリニックが直接患者さんに発行する領収書類にインボイス形式は求められません。保険診療分はもちろん、自由診療で患者個人が支払う費用についてもインボイス交付義務は生じません。ただし、企業や官公庁との取引がある場合は注意しましょう。外科系の先生で産業医契約を企業と結んでいる場合や、労災・自賠責以外で企業から手術費用等の負担金を受け取るような特殊ケースでは、取引先からインボイス発行を求められる可能性があります。特に産業医報酬は典型的な法人取引ですので、契約先企業から「インボイス未対応なら契約見直し」を持ち出される場合もあり得ます。こうした法人向け収入がある外科クリニックでは、インボイス発行事業者となるべきかどうか早めに検討しましょう。私たち税理士法人加美税理士事務所でも、法人取引があるクライアントにはシミュレーションを行い、インボイス未登録による収入減リスクと、課税事業者になる場合の納税負担増を比較してアドバイスしています。

整形外科クリニックでは、骨折や関節疾患の治療、リハビリテーションなど保険診療収入が主体です。そのため、保険適用内の診療分については消費税がかからず、患者さんから預かる消費税も発生しません。もっとも、整形外科ならではの自費収入もあり得ますので注意が必要です。

整形外科で発生しやすい課税対象の収入例:

  • 保険適用外のコルセット・サポーター類の販売収入(患者希望で高機能品を購入する場合など)
  • 自費対応のリハビリ・マッサージ料金(保険制限を超える追加リハビリ等)
  • 関節へのヒアルロン酸注射等の自由診療治療費(保険適用回数を超える実施や保険外の先進治療)
  • 院内で販売するサプリメントや健康グッズ等の物販収入

整形外科では高額な自由診療メニューは少ないものの、上記のような細かな課税収入が積み重なると課税売上高が増えていきます。特に物品販売は見過ごされがちですが、患者さんに装具類を販売した場合、その収入には消費税が含まれます。また、自由診療リハビリや自費マッサージの料金を設定しているクリニックでは、その売上も忘れず集計しましょう。

課税売上高の管理という観点では、整形外科も他科同様に年間1,000万円を超える課税売上があるかどうかのチェックが欠かせません。多くの整形外科クリニックでは保険診療が中心のため、課税売上高が基準を下回り免税事業者として運営しているケースが一般的です。しかし、新たな自費サービスを始めたり物販を積極展開したりする場合には、期中でも課税売上見込み額を把握しておくべきです。「気付いたときには2年前の課税売上が基準を超えていた…」ということになれば、後々消費税の申告漏れが発覚しペナルティのリスクも生じます。税理士法人加美税理士事務所では、整形外科を含め全てのクライアントに対し、日々の売上記録から課税・非課税の内訳を定期確認し、必要に応じて消費税課税事業者への該当有無を早めにお知らせする体制を整えています。

インボイス制度の影響に関して、整形外科クリニックでは患者の多くが個人のため直接的な影響は小さいでしょう。自由診療リハや物品販売であっても相手が一般消費者なら適格請求書の交付義務はありません。ただし、企業や団体との取引がゼロとは限りません。整形外科の先生が企業のメディカル顧問やスポーツチームの嘱託医を務める場合、その報酬は法人からの課税取引です。このようなケースでは、先方よりインボイス発行事業者への登録を求められる可能性があります。取引規模が大きく継続性のある法人契約収入がある場合には、早めに税理士と相談してインボイス対応方針を決めておきましょう。インボイス未登録であれば当面は経過措置により取引先も一定の控除は可能ですが、将来的には控除不可となるため遅くとも経過措置期間中に方向性を決める必要があります。

耳鼻科(耳鼻科・鼻科)クリニックも、基本的には保険診療が中心です。鼻炎や中耳炎の治療、アレルギー検査など、日々の診療報酬収入は非課税取引となり、消費税の心配はありません。しかし、耳鼻科特有の自費収入が発生する場合もありますので見逃さないようにしましょう。

耳鼻科クリニックで考えられる課税対象収入の例:

  • 補聴器の販売収入(クリニックで補聴器を扱っている場合)
  • 花粉症シーズンの自由診療薬の処方料(保険適用外の最新治療薬の提供など)
  • 耳垢除去のみを目的とした自費診療料(症状がなく希望される耳掃除等)
  • 睡眠時無呼吸症候群向けマウスピース作製料等、保険外の医療サービス料金

補聴器や医薬品の販売は物販にあたり典型的な課税売上です。クリニックが免税事業者の場合でも、預かった消費税相当額はクリニックの利益(益税)とはなりますが、課税売上高の判定にはその補聴器代も含めなければなりません。物品販売や自由診療の件数が増えてきたら、「うちは保険診療がメインだから大丈夫」と油断せず、課税売上高が基準を超えないか確認しましょう。

耳鼻科は患者層として子どもから高齢者まで幅広く、保険診療だけでなく補聴器販売のように高額な取引が発生しやすい側面もあります。例えば高性能補聴器を年間に複数台販売すれば、それだけで数百万円規模の課税売上となり得ます。また、花粉症の舌下免疫療法薬を自費扱いで提供する場合や、ピアスの穴あけなど保険外の処置を行う場合も、その収入は課税対象です。私たち税理士法人加美税理士事務所では、こうした収入を含めクリニック全体の売上構成を把握するお手伝いをしています。特に補聴器販売収入がある耳鼻科の先生には、課税売上高1,000万円を超える可能性について早めにシミュレーションを行い、必要に応じた消費税対策を講じています。

インボイス制度に関して耳鼻科を見ると、多くの患者さんは個人であり、保険診療主体のため直接的な影響は小さいです。患者さんへの領収書にインボイス要件を満たす記載(適格請求書番号等)をする必要は通常ありません。ただし、耳鼻科でも法人相手の取引があり得ます。例えば、企業の予防接種を受託したり、学校検診の委託を受けたりする場合です。企業に勤務する方向けにインフルエンザ予防接種をまとめて行うようなケースでは、企業は支払った接種費用の消費税についてインボイスを要求してくる可能性があります。また、学校医として学校から報酬を受け取る場合(公立校なら公共扱いですが、私立校なら法人取引です)、その支払先から適格請求書を求められることも考えられます。こうした場合にはクリニック側もインボイス発行事業者への登録を検討せざるを得ないでしょう。インボイス未登録のままだと「報酬を減額して欲しい」といった交渉につながる可能性もありますので、取引先の意向を確認しつつ税理士と対策を練ることをおすすめします。

耳鼻咽喉科(いわゆる耳鼻科を含む)クリニックも、基本的な構造は前述の耳鼻科と同様です。保険適用される耳・鼻・喉の一般診療収入は非課税であり、消費税の納税義務は発生しません。一方で、自由診療や物品販売など課税される取引については、しっかり把握しておく必要があります。耳鼻咽喉科の場合、特に咽喉(のど)に関する自費診療が加わる点が耳鼻科単科との違いとして考えられます。

耳鼻咽喉科クリニックで発生しうる課税取引の例:

  • ボイスクリニック的な自由診療(発声指導や喉のケア指導など保険外サービス)
  • 睡眠時無呼吸症候群向けの簡易検査やデバイス費用(保険適用外の追加サービス)
  • 喉頭鏡検査の自費分やセカンドオピニオンの相談料(時間延長分など保険外部分)
  • 耳鼻科領域の各種ワクチン接種や健診の受託収入(企業や学校からの委託)

これらはいずれも消費税が課される収入です。耳鼻咽喉科の先生は音声や睡眠の専門外来を設けることもありますが、そうした自由診療メニューの収入は思いのほか高額になる場合があります。例えばボイストレーニングを1回2万円で提供すれば、その中には消費税が含まれています。こうした収入が積み重なれば、課税売上高が1,000万円に近づく可能性もあります。課税売上高の集計漏れを防ぐため、普段から収入を診療内容別に分類して記録しておきましょう。税理士法人加美税理士事務所でも、耳鼻咽喉科クリニックの自由診療収入や委託収入について定期的にチェックし、必要があれば早めに消費税申告準備に入れるようサポートしています。

インボイス制度への対応についても、基本的な考え方は耳鼻科の場合と同じです。患者さん相手の診療行為にはインボイスは不要ですが、企業や団体との取引には注意が要ります。耳鼻咽喉科の先生が企業の嘱託医として報酬を得ている場合や、学校検診・産業医活動で法人から謝金を受け取っている場合、それらは課税取引のため請求書にインボイス対応が求められる可能性があります。特に産業医報酬は企業にとって仕入費用となるため、免税事業者だと契約更新時に不利になるケースも考えられます。当税理士事務所では、こうした法人取引を抱えるクライアントには個別に状況をヒアリングし、インボイス発行事業者になるべきかどうかの判断材料を提供しています。耳鼻咽喉科クリニックでも、必要に応じてインボイス制度への対応策を前向きに検討していきましょう。

眼科クリニックでは、視力検査や眼疾患治療の多くが健康保険適用内で行われます。白内障手術や緑内障治療など保険診療収入は非課税であり、通常は消費税を患者さんから預かることはありません。しかし、眼科ならではの高額な自由診療や物販収入がある点に注意が必要です。他科に比べても、眼科は自費サービスが売上全体に占める割合が比較的高くなる傾向があります。

眼科クリニックで代表的な課税対象収入の例:

  • コンタクトレンズの販売収入(院内で使い捨てコンタクト等を販売している場合)
  • 眼鏡の販売収入(クリニック併設の眼鏡店での売上など)
  • LASIKやICL手術など保険適用外の視力矯正手術の手術費用
  • 多焦点眼内レンズを用いた白内障手術の追加費用(選定療養部分)
  • 眼瞼下垂の美容的治療やドライアイに対する高額自費治療の施術料

コンタクトや眼鏡の物販売上はそのまま課税売上に計上され、クリニックが課税事業者であれば消費税申告・納税の対象となります。LASIK(視力矯正手術)等の自由診療も1件あたり数十万円の費用がかかるため、件数が増えればクリニックの課税売上高は大きく膨らみます。実際、眼科では「保険診療収入よりコンタクト販売や自費手術の収入の方が多い」という経営も珍しくなく、課税売上高が1,000万円を超えて課税事業者となるケースも多いと考えられます。新規開業の場合、最初の2期は免税事業者としてスタートできますが、早期に自費収入が軌道に乗った眼科では3年目以降に消費税の納税義務が生じることになります。さらに開業直後でも、もし特定期間(直前半年)の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、基準期間を待たずに早ければ2年目以降に課税事業者に該当します。人気の自費手術を積極展開している眼科では、こうした消費税判定の特例にも注意が必要です。

私たち税理士法人加美税理士事務所では、コンタクト販売や自費手術が収入に占める割合が高い眼科クライアントに対し、早めに課税事業者としての消費税申告体制を整えるようアドバイスしています。具体的には、課税仕入(医療機器や消耗品の購入に含まれる消費税)をどこまで控除できるか計算し、簡易課税制度の適用是非も検討します。眼科の場合、自由診療部分は第五種事業(サービス業)に該当し、簡易課税のみなし仕入率は50%です。適切な計算方法を選択することで、消費税負担を軽減しつつ本業に専念できるようサポートいたします。

インボイス制度の観点から見ると、眼科クリニックでもB2B取引が問題になります。一般の患者さんに対してはインボイスは不要ですが、例えば企業の福利厚生で従業員にレーシック手術を受けさせ、その費用を会社が負担するようなケースでは話が変わります。会社側からするとクリニックへの支払いは課税仕入れとなるため、適格請求書の発行を求めてくるでしょう。また、コンタクトレンズのまとめ購入を学校や企業と契約して行っている場合なども同様です。そうした法人取引収入がある眼科では、インボイス発行事業者への登録が事実上必要となります。免税事業者のままでは取引先に迷惑をかけてしまい、契約打ち切りや報酬減額につながりかねません。当税理士事務所では、法人取引の有無をヒアリングした上でインボイス登録のメリット・デメリットを説明し、先生方が最適な判断を下せるよう支援しています。

産婦人科クリニックの消費税対応は、他科と大きく異なる特徴があります。それは、分娩(助産)収入が法律上非課税とされていることです。産婦人科では保険診療以外に妊婦健診やお産の費用といった自費収入が大きな割合を占めますが、これらの多く(正常な妊娠・出産に関する医療サービス)は消費税が課されません。例えば、妊娠が判明して以降の定期健診費用分娩介助料出産入院時の差額ベッド代や食事代産後2ヶ月以内の母体ケア健診費新生児の検診・入院費などは非課税扱いです。これは消費税法において「助産」に係る医療が非課税と明記されているためで、社会性の高い医療サービスへの配慮から来ています。

したがって、産婦人科クリニックでは年間の総収入が大きくても、非課税売上の割合が非常に高い傾向にあります。課税売上高の判定においても、助産に関する収入は除外されますので、他科に比べ消費税の納税義務が発生しにくい構造と言えます。実際、分娩件数が多いクリニックでは総収入が1億円を超えていても、課税売上はごく僅かというケースも珍しくありません。非課税売上だけで経営が成り立っている場合、免税事業者として消費税を納めずに済み、その分はクリニックの手元に残る「益税」となります。

しかし注意しなければならないのは、産婦人科にも課税対象となる収入が存在することです。他科と比べ非課税・課税の仕分けが複雑な分野でもあります。産婦人科クリニックで課税される主な収入例を挙げます:

  • 妊娠判定前の検査料(妊娠しているか否かを確認する初期の検査費用)
  • 人工妊娠中絶手術の費用(中絶手術料や処置費用)
  • 避妊措置(リング挿入等)の費用(保険適用外の家族計画サービス)
  • 不妊治療の自費分(保険適用外の高度生殖医療の費用など)
  • 診断書作成料や予防接種料、健康診断料(婦人科検診、人間ドックなど)

上記のうち、「人工妊娠中絶料」や避妊関連サービス費、不妊治療の一部などは課税取引となります。たとえば中絶手術を実施した場合、その手術費用には消費税が課されます。産婦人科の院長先生は助産に関する非課税収入が多いため、つい「うちはほとんど非課税」と思いがちですが、このような課税収入もしっかりカウントしておかないと危険です。課税売上高が基準を超えていたのに見逃していた場合、後日指摘されれば数年分の追徴納税やペナルティが科されるリスクがあります。特に不妊治療や自費検診に力を入れているクリニックでは、自由診療収入が想定以上に伸びるケースもありますから、年度ごとの課税売上高を必ず確認しましょう。税理士法人加美税理士事務所でも、産婦人科のクライアントには非課税・課税の売上内訳を定期的にチェックし、基準超過の恐れがないか注意深くモニタリングしています。

インボイス制度の影響については、産婦人科では多くの場合患者は個人ですので、クリニックからインボイス(適格請求書)を交付する場面はほぼありません。健診や分娩費用に企業が関与するケースも少ないため、インボイス対応の優先度は他科に比べて低めと言えるでしょう。例えば妊婦健診費用は公的補助で賄われる部分が多く、患者さん個人にも企業にも負担が直接及ばない形が一般的です。ただし、一部に法人取引が存在します。自治体から委託を受けて行う検診や予防接種、企業と提携した産後ケア事業などです。自治体相手の取引の場合、先方はそもそも仕入税額控除の概念がありませんが、企業相手の場合は話が別です。企業が関連する産後プログラム等で課金する場合、企業は経費の一部について消費税控除を検討するため、クリニックがインボイス発行事業者かどうかを気にする可能性があります。そのような取引を行っている産婦人科では、念のため取引先にインボイス対応の要否を確認し、必要なら適格請求書発行事業者の登録を検討しましょう。当税理士事務所でも、産婦人科の先生には万が一法人や団体との取引がある場合に備え、インボイス制度の概要と対応方針を説明しサポートを提供しています。

精神科クリニックでは、保険診療によるカウンセリングや投薬管理が主な業務となり、これらの診療報酬収入は非課税です。精神科医療は公的医療保険の対象範囲が広く、うつ病や不安障害の治療、統合失調症の管理など大部分の治療行為は保険適用内で行われます。そのため、日常的には消費税を意識する場面は少ないでしょう。

しかし、精神科クリニックでも保険外収入が全くないわけではありません。代表的なものが診断書や証明書の作成料です。就労可否の意見書、障害年金の診断書、カウンセリング利用証明など各種文書料は、公的保険の給付外で患者等から徴収する収入であり、消費税の課税対象です。また、臨床心理士等による自費カウンセリング料をクリニック内で提供している場合や、保険適用外の特殊検査(知能検査・適性検査など)を実施して料金を受け取る場合も、これらは課税取引となります。さらに、患者さん個人ではなく企業や団体からの収入として、産業医活動の報酬や、事業所と契約して従業員向けメンタルヘルス相談を受託するケースがあれば、それも課税売上に含めなければなりません。

もっとも、精神科の場合は自由診療収入がクリニック全体で占める割合はそれほど高くないことが多いです。診断書料も1通数千円程度であり、課税売上高が1,000万円を超えるほど大量に発生するものではありません。このため、多くの精神科クリニックは課税売上高1,000万円以下の免税事業者として運営しているのが実情です。とはいえ、クリニックの数が増え訪問看護やカウンセリングを自費で提供するビジネスモデルが出てくるなど、将来的に自由診療部分が拡大する可能性もあります。不測の事態で課税売上が急増した際に備え、特定期間の判定も含めた消費税シミュレーションを行っておくと安心です。私たち税理士法人加美税理士事務所でも、精神科の先生方には年に一度は課税売上見込みをヒアリングし、念のため消費税の判定確認をしています。

インボイス制度については、精神科クリニックでは患者さん相手の診療には影響がありません。個人患者へのカウンセリングや治療費にインボイスは不要であり、領収書もこれまで通りで問題ありません。ただし、留意すべきは企業や官公庁との契約収入です。精神科医は企業の産業医や顧問医を務めるケースがあり、その報酬は法人からクリニックへの支払いとなります。また、自治体から委託されて精神保健相談や講演を行う場合の謝金なども考えられます。これら法人・団体からの収入については、取引先が課税事業者であればインボイス発行を求められる可能性があります。該当する取引がある精神科クリニックでは、早めに適格請求書発行事業者への登録是非を検討しましょう。当税理士事務所では、契約先からの要請状況を伺った上で、インボイス登録によるメリット(取引継続の円滑化や仕入税額控除の活用)とデメリット(消費税申告・納税の負担)を比較し、院長先生とベストな選択肢を模索しております。

心療内科クリニックは、内科的疾患とメンタルヘルスの両面からアプローチする診療科です。基本的な収入構造は精神科や一般内科と似ており、保険診療が中心であるため日常的には非課税収入がほとんどです。例えば、ストレス性の胃腸症状に対する治療や、不安障害に対する投薬管理など、保険適用される診療については消費税がかかりません。

もっとも、心療内科でも自由診療や保険外サービスが発生する場合があります。例えば、十分な時間を確保したカウンセリング(診療報酬点数を超える延長相談)を自費で提供するケースや、栄養指導・睡眠指導など保険外プログラムを導入するケースです。また、他科と同様に診断書や証明書の発行料は課税収入となります。心療内科は患者さんのニーズに応じて自費メニューを導入しやすい分野でもありますから、収入内訳が変化した際には課税売上高を再計算することが重要です。

心療内科クリニックで課税対象となりうる収入例:

  • 心理カウンセリングの自費延長料金(保険診療時間を超えるカウンセリング料)
  • リラクゼーション療法やマインドフルネス指導の料金(保険適用外のメンタルケアサービス)
  • 栄養サプリの処方・販売収入(メンタル不調改善目的のサプリメント等)
  • 各種文書料(診断書・意見書)収入

上記のような収入が少額であれば、課税売上高1,000万円を下回り消費税の納税義務は発生しません。しかし、心療内科分野で自費サービスを拡充している場合には、念のため年間の課税売上見込みを把握しておきましょう。クリニック開業から時間が経ち患者数が増えてくると、自由診療収入が予想以上に伸びるケースもあります。税理士法人加美税理士事務所では、心療内科の先生に対しても他科同様、売上を保険診療と自費診療に分類した帳簿管理を推奨しています。そうすることで、万一課税事業者該当が近づいても早めに気づき、適切な対応策(必要に応じ課税事業者選択届の提出や価格設定の見直し等)を講じることができます。

インボイス制度の影響について、心療内科も患者さんの大半は個人であるため直接の影響は限定的です。患者さん相手にインボイス発行義務は生じませんし、領収書に税込総額表示しておけば問題ありません。ただし、精神科の場合と同様に、法人からの収入がある場合は注意しましょう。例えば、企業からストレスチェック実施後のフォロー面談を委託され報酬を受け取っているケースや、自治体からメンタルヘルス講演の謝礼をもらうケースです。企業相手のコンサルティングやカウンセリング契約収入が年間でそこそこの金額になるようであれば、取引先からインボイス登録の有無を問い合わせられるかもしれません。心療内科クリニックで法人取引収入がある場合には、精神科の場合と同様にインボイス発行事業者となるかどうか慎重に検討しましょう。当税理士事務所では、そうした先生方向けにインボイス未対応時に想定される減収額と、課税事業者となった場合の納税額増加を試算し、どちらが有利かを一緒に考えるお手伝いをしています。

泌尿器科クリニックも、基本的には保険診療収入が主流であり、前立腺疾患や尿路感染症の治療、腎機能検査などは保険適用内で行われます。したがって、それら日常診療の収入について消費税は非課税です。一方で、泌尿器科特有の自由診療収入が一定程度見込まれる点に留意が必要です。

泌尿器科で代表的な課税対象収入の例:

  • ED(勃起不全)治療薬の処方料(バイアグラ等保険適用外薬剤の処方・院内販売)
  • 男性不妊治療に関わる自費検査・処置料(精液検査の一部や手術の保険外分)
  • 予防接種料(泌尿器科領域のワクチン。例: HPVワクチンの任意接種など)
  • 各種証明書・診断書の発行料(重度障害者用意志確認書など特殊な文書料)

ED治療は保険が効かないため、クリニックが自由診療として行う代表例です。こうした収入が積み上がって年間1,000万円を超えると、2年後には消費税の申告・納税義務が発生します。もっとも、一般的な泌尿器科クリニックでは自由診療収入がそこまで高額になることは少なく、免税事業者の範囲内に収まっているケースが多いでしょう。もし泌尿器科で自由診療メニューを大々的に展開する場合には、自院の課税売上高が将来どれくらいになるかシミュレーションし、必要に応じ早めに課税事業者への移行準備を行うことが大切です。

税理士法人加美税理士事務所では、泌尿器科クリニックが新たにED治療を開始する際には、価格設定や提供ペースによって課税売上高が急増しないかチェックするようアドバイスしています。「事業拡大で消費税課税業者になるのは避けられないが、いつから課税事業者になるか計画的にコントロールしたい」という相談も多く、そうした際には課税事業者選択のタイミング簡易課税制度の活用について助言しています。

インボイス制度に関して、泌尿器科クリニックでも患者は個人の場合がほとんどですので、患者さん向けにインボイスを発行する場面は通常ありません。自由診療(ED等)の領収書も、相手が一般消費者であれば従来通りで問題ありません。しかし、考えられるケースとしては法人取引があります。例えば、企業健保組合が男性社員向けに人間ドックや前立腺健診を契約して実施する場合や、企業が社員福利厚生としてED治療費用を補助する制度を設けている場合です。こうしたケースでは、企業側からクリニックに費用が支払われるため、その支払いについてインボイスが要求される可能性があります。もっとも稀なケースではありますが、泌尿器科の先生が製薬会社等とタイアップして講演料やコンサル料を受け取る場合なども、先方は課税事業者ですので請求書にインボイス記載が求められるでしょう。該当する取引がある場合には、インボイス発行事業者になることを視野に入れてください。インボイス未登録だと取引先に消費税分の負担を強いる形になり、関係性に影響する恐れがあります。当税理士事務所では、泌尿器科クリニックに限らず法人との取引があるお客様には、取引先の意向も確認しつつ適切なインボイス対応を検討するお手伝いをしています。

歯科クリニックは、他の医科とは異なり自由診療収入の割合が高くなりやすい点に特徴があります。保険適用の虫歯治療や歯周病治療などは非課税ですが、一方で自費の詰め物・かぶせ物、インプラント治療、ホワイトニングなど歯科の自由診療には消費税が課されます。そのため、歯科医院こそ消費税への注意が必要な業種と言えます。

歯科クリニックで課税対象となる主な売上には、次のようなものがあります:

  • インプラントセラミック治療などの自由診療報酬
  • 歯ブラシ・デンタルフロスなどの物品販売収入
  • 撤去冠(金属冠の買取)収入(外した金属冠を業者に売却する収入)

上記の通り、歯科では多岐にわたる収入が課税売上に含まれます。特に見落としがちなのが金属スクラップの売却収入です。外科治療で外した金合金の冠や義歯の金属部分を業者に買い取ってもらう際、その売却代金も課税取引となります。もし歯科医院が免税事業者の場合、インボイスを発行できないために買い取り業者から「消費税分相当の値引き」を求められる可能性がある点にも注意しましょう。実際、インボイス制度開始後は免税事業者だと買取価格を下げられるケースがあり得ます。こうした特殊な取引も含め、歯科の先生は自院の課税売上を正確に計算する必要があります。

歯科クリニックでは、患者さんへの請求額が比較的大きくなる自由診療が多いため、課税売上高が1,000万円を超えやすい業態です。例えばインプラント治療を年間に数本行っただけでも数百万円の売上になりますし、セラミッククラウンや矯正治療を合わせればあっという間に1,000万円を超えるでしょう。多くの歯科医院が開業後しばらくして消費税の課税事業者になるのは、このためです。逆に言えば、開業当初は免税であっても2、3年目には消費税負担が始まるケースが多いため、価格設定経費計上の戦略もそれを見越して立てておくべきです。私たち税理士法人加美税理士事務所では、歯科分野に強い税理士がクリニックの売上構成を分析し、適切なタイミングで消費税の届出を行うサポートをしています。「簡易課税 vs 本則課税」の選択についても試算を行い、有利な方法を提案しております。歯科クリニックの自由診療は第五種事業(みなし仕入率50%)に該当するため、仕入れが比較的少ない場合は簡易課税を選ぶことで消費税負担を軽減できる可能性があります。一方、開業時に高額な歯科用CTやユニットを導入している場合には本則課税で大きな還付を受けられるケースもあります。このように、歯科の消費税対策はクリニックごとの状況によって異なるため、当税理士事務所と二人三脚で最適なプランを検討しましょう。

インボイス制度について歯科医院が直面する最大のポイントは、患者以外の取引先の存在です。患者さんは最終消費者であり、領収書にインボイスの登録番号を記載する必要はありません。したがって、保険診療・自由診療問わず、患者個人に対する治療費請求でインボイスが問題となることは基本的にありません。しかし前述の通り、金属スクラップの売却や技工所との特殊な取引など、相手が課税事業者となるケースでは注意が必要です。例えば、外した金属を買い取る業者は消費税の仕入税額控除を受けるためにインボイスを要求してくるでしょう。歯科医院が免税事業者のままだと、「インボイスが発行できないなら買取価格を消費税分差し引く」といった対応を取られかねません。こうした取引がある歯科医院では、インボイス発行事業者になるか否かの検討が不可欠です。当税理士事務所では、金属買取業者への対応策に関する消費税処理についてもアドバイスしており、円滑に事業を継続できるようサポートいたします。

矯正歯科(歯列矯正専門)クリニックは、扱う診療のほとんどが保険適用外の自由診療である点で特異です。通常の矯正治療(ワイヤー矯正やマウスピース矯正等)は、顎変形症など一部の場合を除き保険が効かないため、患者さんから受け取る治療費には原則として消費税が含まれます。つまり、矯正歯科クリニックの売上の大半が課税売上となります。これは他の科目と比べても群を抜いており、開業当初から消費税課税事業者となるケースも少なくありません。

実際、新規開業の矯正歯科であっても、初年度から患者さんが多く治療費売上が大きく伸びれば、2年目以降に消費税の納税義務が生じます。もっとも、新規開業の場合は基準期間が存在しないため原則2年間は免税事業者でいられますが、特定期間(開業翌年の前半6ヶ月)で課税売上高が1,000万円超となった場合には2年目から課税事業者となる点に注意しましょう。人気の矯正専門医によるクリニックで早期から患者が殺到したようなケースでは、特定期間要件で想定より早く消費税が課される可能性があります。

以上のように矯正歯科は消費税と切っても切れない関係にありますので、早期から税務戦略を立てることが肝要です。税理士法人加美税理士事務所では、矯正歯科の先生には開業前の段階から消費税シミュレーションを行うことを強く推奨しています。例えば、初年度から大規模な設備投資(デジタルスキャナーやCBCTの導入等)を行う場合、その年だけあえて課税事業者を選択しておくことで仕入税額控除による還付を受ける戦略も考えられます。消費税は一度課税事業者選択をすると原則2年間は免税に戻れないため慎重な判断が必要ですが、設備投資額が大きい年は還付額も大きくなり得るため、状況によっては検討に値します。また、矯正歯科は材料費や外注技工費がそれなりに発生しますので、簡易課税制度と本則課税のどちらが有利か検討することも重要です。みなし仕入率50%(第五種事業)の簡易課税は中小クリニックにとって事務負担が軽減されるメリットがありますが、仕入や経費が多い場合には本則課税による実額控除の方が有利になるケースもあります。私たち税理士法人加美税理士事務所では、こうしたシミュレーションを通じて最適な申告方法を助言し、矯正歯科の先生が安心して治療に専念できるようバックアップしています。

インボイス制度について言えば、矯正歯科は一般消費者相手のサービスであり、大半の患者さんはインボイス不要の取引相手です。実際、患者さん個人に対して治療費の適格請求書を発行する必要はありません。しかし、矯正歯科ならではの留意点として、紹介業者や提携先との取引が挙げられます。例えば、デンタルローン会社を通じて患者さんの治療費を立替払いしてもらう場合や、矯正装置メーカーと直接取引してリベートを受け取る場合など、患者以外の事業者と金銭のやり取りが発生するケースがあります。その際、相手が課税事業者であればインボイス発行が求められる可能性があります。もっとも、多くの矯正歯科ではこうしたB2B取引は限定的でしょう。強いて言えば、医院が技工所を併設して外部に技工物を販売する場合(稀なケースですが)などはインボイス対応が必要です。インボイス制度開始後は、矯正歯科の経理においても受け取った領収書類にインボイス要件を満たす記載があるか確認し、不備があれば発行先に依頼して訂正してもらうなどの対応が必要です。当税理士事務所では、インボイスの保存要件についても丁寧にご説明し、クリニックのスタッフの方とも連携して適切な経理処理を進めています。

以上、診療科目別に消費税とインボイス制度の論点を解説しました。クリニック経営者の皆様には、ご自身の科目特有の事情を踏まえ、適切に税務対応を行うことをおすすめします。私たち税理士法人加美税理士事務所は、各科目に精通したノウハウと体制で皆様のクリニック経営をサポートいたしますので、消費税やインボイスに関して不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。

消費税対応や経営全般の税務戦略を進めるにあたり、顧問税理士から適切なサポートを受けることは非常に有益です。医療機関特有の税務知識やノウハウを備えた税理士と二人三脚で取り組めば、開業医の先生方は本業の診療に専念しつつ税務リスクを低減できます。ここでは、税理士の活用ポイントや税理士選びのコツ、そして税務面を含む資金計画シミュレーションの活用について解説します。

クリニックにおける顧問税理士の活用ポイントは、単なる記帳代行や申告書作成に留まりません。医療業界に強い税理士であれば、消費税対策をはじめ経営改善につながる幅広い助言が期待できます。以下に活用のポイントをまとめます。

  • 定期面談による経営アドバイス: 月次や四半期ごとに税理士と面談し、財務状況や課税売上の推移を報告してもらいましょう。消費税の課税売上見込みが近づいていれば早めに知らせてもらえるため、事前対策が可能です。社会保険料や所得税・法人税も含めた総合的な節税提案を受けられる場合もあります。特に開業して間もない先生ほど、定期的な相談機会を設けることで経営の不安を解消できるでしょう。
  • 専門分野のノウハウ提供: 医療機関専門の税理士事務所であれば、他のクリニックの事例や業界特有のノウハウを持っています。「同規模のクリニックでは自由診療売上比率○%で簡易課税を選択している」「医療法人化は年商○円・利益○円を超えるとメリットが出やすい」等、蓄積されたデータに基づくアドバイスは貴重です。自院だけでは得られないベンチマーク情報を提供してもらうことで、経営判断の裏付けが強化されます。
  • 税務調査や行政対応の安心感: 税理士がついていれば、万一税務調査になった場合も専門家として立ち会い対応してくれます。税務署との交渉や主張立証も代理で行ってくれるため、院長先生自身が細かい税法論点に頭を悩ませる必要がありません。また厚生局への各種届出や、医療法人であれば毎年の事業報告書提出など、税務以外の行政手続きについても顧問税理士がサポートしてくれるケースがあります。開業医の心強いパートナーとして、税理士を有効活用しましょう。

税理士との関係は長期にわたるものです。開業医や医療法人に適した税理士選びのポイントを押さえておきましょう。

  • 医療業界の知識と実績: やはり医療機関クライアントの経験が豊富な税理士が望ましいです。医療機関特有の非課税取引や消費税経理の知識、さらに医師の所得税や医療法人の法人税・理事長報酬の適正額など、専門的なテーマに明るい税理士だと安心です。ただし「実績○件」など数だけを鵜呑みにせず、実際に話をして専門用語の説明が的確か、こちらの話をきちんと聞いてくれるかを確認しましょう。
  • コミュニケーションと相性: 税理士は経営に関する相談相手でもあるため、コミュニケーションの取りやすさは重要です。説明がわかりやすく、こちらの質問にも親身に答えてくれるか、レスポンスは迅速か、といった点を初回面談でチェックしましょう。クリニックの税務は院長先生ご自身も理解しておくべき事項が多いため、難解な専門用語を平易に噛み砕いて説明できる税理士だとベターです。
  • サービス範囲と報酬: 提供してもらいたいサービス内容(記帳代行の有無、給与計算や年末調整の代行、経営相談の頻度など)を明確にし、それに見合った報酬かを比較検討しましょう。単に安価だからと飛びつくと最低限の申告書作成しかしてもらえず、結局節税の機会を逃す恐れもあります。反対に必要以上の高額サービスも避けたいところです。開業準備中の方であれば、開業支援から関与実績のある税理士だとスムーズですし、医療法人であれば医療法人会計に精通した事務所を選ぶ必要があります。
  • 事務所の体制: 税理士個人の力量もさることながら、スタッフ体制やサポート体制も確認しましょう。当税理士事務所のように支援体制を整えている税理士法人であれば、記帳代行から経営相談までワンストップで対応可能ですし、複数担当者によるチェックでミスも起こりにくい強みがあります。もっとも重要なのは院長先生が信頼を持てることですので、総合的に判断して選びましょう。

税務対策と経営計画を両立させるには、資金計画シミュレーションを活用することが効果的です。これは税理士やファイナンシャルプランナーが行うサービスで、今後数年間のクリニックの収支・税負担・資金繰りを予測し、シミュレーションしてみせるものです。

  • 消費税納税のタイミング反映: 消費税は申告期にまとめて納付するため、日々の収支では見えにくい資金流出が発生します。シミュレーションにより、例えば「2年後に課税事業者になった場合、初回の消費税納付額はいくらくらいか」をあらかじめ算出すれば、資金の取り置き計画を立てられます。特に自由診療が増えてきた開業医の先生には必須の作業と言えます。
  • 設備投資や法人化の判断材料: 将来のクリニック拡大計画(分院展開やリフォーム、新規機器導入など)や、個人から医療法人への法人成りを検討する際にもシミュレーションは役立ちます。投資額に対する減価償却費や、それに伴う消費税の還付・納付見込み、法人化した場合の法人税・所得税のトータル負担など、複数プランを比較できます。数字で示されることで判断がしやすくなり、銀行との資金調達交渉でも説得力ある計画書となります。
  • 最悪シナリオへの備え: コロナ禍のように予期せぬ収入減少や費用増が発生した場合のシミュレーションも行っておけば、緊急時の備えになります。税理士とともに「もし自由診療が○割減ったら消費税負担と利益はどう変わるか」「インボイス導入で企業健診収入が減少したら資金繰りに耐えられるか」といったシナリオ分析をしておくと、いざという時落ち着いて対処できます。

このように、資金計画シミュレーションは開業医・クリニック経営者の羅針盤となるものです。税理士等の専門家の支援を受けながら定期的にプランを見直し、常に先を見据えた経営を心がけましょう。

最後に、クリニック経営者が知っておきたいその他の税務関連トピックについて簡単に触れておきます。消費税以外にも決算や申告で押さえるべきポイントや、将来的な経営プランに関わる税務テーマがあります。詳細は各トピックの専門ページをご参照ください。

青色申告とは、一定の要件を満たした帳簿を備えて正しく申告することにより様々な税制上の特典を受けられる制度です。クリニックを個人事業として開業した場合、青色申告の承認を受けることで最大65万円の青色申告特別控除をはじめとした節税メリットが得られます。例えば青色申告なら家族に支払う給与を必要経費にできる、赤字が出た年の損失を翌年以降に繰り越せる、といった利点もあります。一方、白色申告(無届けの一般申告)はこれらのメリットがありません。開業準備中の方はぜひ早めに青色申告の届け出を行い、適切な帳簿づけをスタートしましょう。日々の経理をしっかり行うことで、結果的に節税の幅も広がります。詳しい節税策や青色申告の活用方法については別ページで解説しています。

青色申告について詳しくは下記のページをご覧ください。

節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

クリニックにも定期的に税務調査が行われる可能性があります。特に開業医の税務調査では、現金収入の管理状況や経費計上の妥当性、消費税の申告内容などがチェックされます。日頃から税務調査に備える意識を持つことが大切です。具体的には、「領収書やレシート類の保存・整理」「現金売上の日計表作成」「レセプト件数と売上計上の突合」など基本的なことを徹底しましょう。また調査当日は税理士に立ち会ってもらうことで円滑に進む場合が多いです。ベテラン院長の中には過去に調査を経験された方もいるでしょうが、経験がない若手院長もいざという時慌てずに済むよう、顧問税理士から平時より指導を仰いでおくと安心です。税務調査の具体的な流れや対応方法については、専門ページにて詳しく紹介しています。

税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

クリニックの事業規模が大きくなってきた場合、医療法人化(法人成り)を検討する段階が訪れます。医療法人化にはメリットデメリットの双方があります。メリットとしては、院長個人の所得税負担が軽減される(法人税率の方が低いため利益にかかる税金を圧縮できる)、役員報酬や退職金の制度を活用することで生涯を通じたトータルの税負担を抑えられる、事業承継の際に持分譲渡でスムーズに引き継ぎができる、などが挙げられます。一方デメリットとしては、設立や運営に一定のコストや事務負担がかかること、剰余金の分配に制約がある(医療法人は営利団体でないため利益を自由に引き出せない)、解散時の残余財産は国等に帰属するといった法律上の制限がある点です。医療法人理事長として活躍中の方は既にご存知でしょうが、開業3年未満の先生にとってはいずれ検討するテーマかもしれません。医療法人化の判断は慎重を要しますので、メリット・デメリットを理解した上で専門家と相談するとよいでしょう。詳細な解説やシミュレーションは別ページに譲ります。

法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

新規で医療法人を設立したり、クリニックの開業支援を受けたりする際には、税務のみならず行政手続きや資金計画まで総合的なサポートが求められます。当税理士事務所では、開業医の先生がスムーズに医療法人を立ち上げられるよう各種ノウハウを持っています(許認可申請のポイント、定款作成や諸規程の整備など)。開業支援においても、事業計画の策定から金融機関対策、補助金情報の提供までトータルに支援体制を整えております。支援体制が整っている専門家の力を借りることで、初めての開業でも安心感が違います。医療法人設立や開業支援の具体的なサービス内容は、以下のリンクよりご確認ください。

法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

開業支援について詳しくは下記のページをご覧ください。

将来的に分院展開を検討されている先生や、後継者への事業承継を視野に入れている院長先生もいらっしゃるでしょう。分院展開にあたっては、新規分院の収支予測や人員計画、そして税務上は本院との損益通算や資金の融通など考えるべきポイントがあります。事業承継では、親族への承継か第三者への譲渡(M&A)かによって最適なスキームが異なり、資産や持分の評価、相続税・贈与税対策など専門的な検討事項が発生します。いずれも事前の準備が成功のカギを握りますので、早め早めに信頼できる専門家へ相談しロードマップを描いておくことが重要です。当税理士事務所でも豊富なノウハウに基づき分院展開・承継をサポートしております。関心のある方はぜひ以下の詳細ページをご覧ください。

分院展開について詳しくは下記のページをご覧ください。

事業承継について詳しくは下記のページをご覧ください。

以上、開業医・クリニック経営者向けに消費税対策とインボイス制度対応を中心とした税務ガイドをお届けしました。消費税というテーマは一見複雑ですが、ポイントを押さえ専門家の力を借りれば決して難しいものではありません。当税理士事務所も、先生方が本業に専念できるよう消費税対応から経営全般の税務サポートまで万全の体制で支援しております。ぜひ本記事の内容を参考に、クリニック経営の税務戦略にお役立てください。困ったときは一人で悩まず、経験豊富な税理士に相談しながら着実に対策を進めていきましょう。

よくあるご質問

FAQ

開業医が初めて消費税に対応する際、まず何から着手すべきですか?

初めて消費税に対応される開業医の方は、まず「課税売上高」の把握が第一歩です。保険診療と自費診療の区分、自院の売上構成の確認を通じて、免税か課税かを正確に判定する必要があります。私たち税理士法人加美税理士事務所では初回の売上判定から申告義務の有無、記帳体制構築までフルリモートでサポートしています。

インボイス制度はすべてのクリニックに関係ありますか?

すべてのクリニックに関係するとは限りませんが、自費診療や企業健診等の法人向け業務がある場合、インボイス制度に無関心ではいられません。特に免税事業者のままでいると、取引先との関係に影響が出ることも。状況に応じた判断が重要です。当税理士事務所では、インボイス登録の要否から、事務負担の軽減方法まで丁寧にご提案します。

開業から3年未満のクリニックですが、消費税の納税義務はありますか?

納税義務の有無は基本的に「前々年度の課税売上高」が1,000万円を超えているかどうかで判定されます。開業直後は免税事業者となるケースもありますが、特定期間の売上や給与支給額によっては課税義務が発生する場合があります。状況に応じた個別判定を行うことが重要です。

自費診療が増えてきたので課税事業者になるべきか悩んでいます。

課税事業者になると仕入税額控除が可能になる一方で、消費税の納税義務が発生します。特に美容医療や自由診療が拡大しているクリニックでは、還付や控除を視野に入れて早期登録を検討するメリットがあります。状況に応じて法人化の選択肢も視野に入れておくとよいでしょう。
法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

課税売上高の計算に保険診療分は含めるべきでしょうか?

保険診療は消費税の非課税取引に該当するため、課税売上高には含めません。課税対象となるのは自費診療、物品販売、文書発行料などの保険外収入です。売上区分を正確に把握することが、免税・課税判定や節税対策に直結します。

インボイス発行登録はしないと企業健診の契約に影響がありますか?

はい、あります。企業側はインボイスがないと消費税の仕入税額控除ができないため、契約継続が難しくなるケースもあります。特に健康診断や予防接種を多く請け負うクリニックでは、インボイス登録をしておくことが望ましいでしょう。
節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

消費税申告にあたって会計ソフトが必要でしょうか?

必須ではありません。当税理士事務所では会計ソフトをお持ちでない先生にも対応可能です。資料をお預かりし、記帳から申告まで一括代行します。コストを抑えた便利な経理代行プランもご用意しています。

インボイス登録をしても患者さんには影響がないのでしょうか?

基本的に患者さん(個人)にはインボイスの影響はありません。保険診療は非課税、自費診療も患者は仕入控除の対象外のためです。ただし、価格表示や請求書の書き方に変更があるため、院内での周知は必要です。

消費税の扱いを誤ると税務調査で指摘されますか?

はい。特に課税・非課税の区分ミスや課税売上高の誤認は税務署に注目されやすいポイントです。税務リスクマネジメントとしても、消費税処理は慎重に行うべきです。税理士法人加美税理士事務所は税務調査対応にも強く、オンライン立会も可能です。
税務調査について詳しくは下記のページをご覧ください。

美容医療や自由診療が中心のクリニックも免税対象になりますか?

原則としてなりません。自費診療が中心の場合、課税売上高が1,000万円を超えるケースが多いため、課税事業者となる可能性が高くなります。自由診療を本格化する前に、消費税対応を見据えた事業計画を立てましょう。

分院を開設すると消費税の扱いも変わりますか?

はい、事業規模が拡大し課税売上高が増えることで、消費税の納税義務が新たに生じる可能性があります。特に自由診療や物販を伴う分院開設時は注意が必要です。
分院展開について詳しくは下記のページをご覧ください。

開業初年度でも課税事業者になることはありますか?

原則として初年度は免税事業者ですが、資本金(拠出金)が1,000万円以上の法人設立や、特定期間の課税売上高・人件費要件を満たすと課税事業者となる可能性があります。開業時の事業スキーム設計が重要です。

将来的に事業承継を考えていますが、消費税の取扱いも関係ありますか?

はい。承継時の売上構成や課税・免税事業者の引継ぎ状況によって、申告の注意点が異なります。事業承継と税務の連動を見据えた中長期的な支援が必要です。
事業承継について詳しくは下記のページをご覧ください。

消費税の申告は年に何回必要ですか?

原則として年1回(個人事業者は翌年3月末、法人は事業年度終了後2か月以内)ですが、課税売上高が多い場合は中間申告が必要なケースもあります。当税理士事務所では申告スケジュールの管理も代行可能です。

消費税を納めるための資金繰りが不安です。

自費診療で受け取った消費税を事前に確保しておくことが大切です。当税理士事務所では、キャッシュフロー管理や資金繰り表の作成支援も行い、税務・経営の両面からフォローします。

インボイス制度に対応する請求書の作り方がわかりません。

適格請求書には、登録番号・税率ごとの金額・消費税額などの記載が必要です。私たち税理士法人加美税理士事務所では既存フォーマットの修正や簡易な帳票作成の支援も行っていますのでご安心ください。

開業時の消費税対応で顧問契約はいつから必要ですか?

開業準備段階からの顧問契約が理想です。医療機器の購入や契約タイミングにより、消費税の還付可否が大きく変わるため、早期の相談が経営効率化に直結します。当税理士事務所では開業支援と同時に税務顧問を開始いただけます。

課税事業者になると帳簿や請求書の管理が難しくなりますか?

インボイス制度により、一定の帳簿保存要件が加わりますが、当税理士事務所ではクラウド対応や丸投げプランを含め、負担の少ない管理体制を構築しています。会計ソフト未導入でも安心です。

消費税対策と節税は別物ですか?

はい。消費税対策は納税額の適正化を目指すものであり、節税は所得税や法人税など他の税目を減らす戦略です。どちらも連動して取り組むことで、最適なキャッシュフローを実現できます。
節税対策について詳しくは下記のページをご覧ください。

医療法人にした場合、消費税対応も変わるのでしょうか?

はい。法人化により消費税の申告や納税スケジュール、控除の適用方法に変化が生じます。また、法人設立初年度から課税事業者となる場合もありますので、法人化の検討段階から税理士の関与が重要です。

法人化のタイミングと消費税の還付の関係はありますか?

医療機器などの大型投資を行う前に法人化を済ませておくと、初年度から仕入税額控除や還付の恩恵が得られる可能性があります。計画的な資金戦略と法人化シミュレーションが成功のカギです。
法人化について詳しくは下記のページをご覧ください。

複数の診療科目を持つクリニックでも消費税対応は変わりますか?

基本的には診療科目による違いはありませんが、自費診療の割合や物販の有無により課税売上高が大きく変動します。診療内容の構成に応じた税務設計が重要になります。

開業後に顧問税理士を切り替える場合、消費税の対応はどうなりますか?

スムーズな引き継ぎのためには、過去の申告内容や課税売上の情報の正確な把握が不可欠です。税理士法人加美税理士事務所では税理士の切り替え時にも、消費税を含む全体の税務状況を丁寧に分析・対応します。

消費税の簡易課税制度はクリニックでも使えますか?

はい、クリニックにおいても簡易課税制度を適用できます。自由診療や、医業に該当しない付随事業(物販等)の売上についてみなし仕入率が適用されます。

医療機関の消費税申告で気をつけるべきミスは?

非課税・課税の区分誤りや、免税事業者と誤認して申告漏れになるケースが多いです。当税理士事務所では開業からの記録や課税売上の精査を徹底し、正確な申告をサポートします。

開業準備中ですが、消費税の影響を今から考えるべきですか?

はい、開業前から課税事業者となるかどうかを見越して事業設計することが重要です。特に医療機器の購入や法人化の有無で納税額が大きく変わる可能性があるため、資金計画に含めるべきです。

開業医のインボイス制度対応にかかるコストはどれくらい?

費用はクリニックの規模や請求管理体制によりますが、当税理士事務所ではソフト不要・低コストでの対応策もご提案可能です。まずは無料相談をご利用ください。
開業支援について詳しくは下記のページをご覧ください。

自費診療の割合が年度で変動しますが、消費税の対応も見直すべき?

はい。自費割合の変化は課税売上高の変動に直結するため、定期的な見直しが必要です。場合によっては簡易課税制度や届出の変更が有利になることもあります。

医療法人の経営拡大に向けた消費税対策も相談できますか?

もちろんです。私たち税理士法人加美税理士事務所では法人経営のフェーズに応じた中長期的な消費税・税務戦略をご提案し、分院展開やM&Aを含む幅広い支援が可能です。
分院展開について詳しくは下記のページをご覧ください。

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